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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784492224267
作品紹介・あらすじ
「バーチャル世界」で格差を埋める人々が急増
「パラサイト・シングル」「希望格差」「婚活」などの言葉を世に出した、
稀代の社会学者による現代日本社会の実像
私の分析は楽観的なものではない。格差は広がるだけでなく、固定化し、経済的に行き詰まりをみせている。しかし、様々な意識調査で、平成期に人々の生活満足度は上昇している。特に格差拡大の被害を最も受けているはずの若者の幸福度が上昇している。その秘密は、人々がリアルな世界ではなく、「バーチャル世界」で満足を得る方法を見いだすようになったからと考えている。バーチャル世界に意識を向けさえすれば、平等で希望に溢れた世界を体験することができる。
バーチャル世界は、人によってその内容は異なる。ある人はペットとの関係に、ある人はソーシャル・ゲームの中での活躍に、ある人はアイドルの推し活に、幸せを見いだしている。バーチャルな世界の広がりが、日本社会にとってよいことなのかどうかは、現時点では判断できない。それでも、リアルな世界で格差が広がる中、格差を埋め、人々に幸せを供給するプラットホームとして機能していることは確かなようにみえる。 (本書「まえがき」より抜粋)
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
現代日本社会における格差の実態とその影響を鋭く分析した本書は、特にバーチャル世界がどのように人々の幸福感を支えているかを探求しています。経済的な衰退や格差の固定化が進む中、著者は若者たちがリアルな世界...
感想・レビュー・書評
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社会や経済が変化すれば、格差の内容も変化しますよね。
読みながら、私自身が衰退を選んでいるのかもしれないなと振り返りました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
格差が生まれるメカニズムとゲーム・アニメ等オタク趣味の立ち位置を知りたかったところ、まさにどんぴしゃの内容が書かれておりホームラン本であった。
経済が衰退した日本では格差が固定化し、個人が一定以上の努力してもその格差を覆すことができない上に世代を超えて格差は持続する。昭和的な幸福な人生像を描くことは困難である。
現在において格差を埋め合わせるのがバーチャル世界である。
パチンコ、ゲーム、ネットにより努力が報われる体験を得つつ、同じ趣味の仲間から肯定的評価を得る。
本書では格差が広がる中で日本人の幸福感が右肩上がりに増加しているのはバーチャル世界で格差を埋めているからだと主張している。
とすれば、ゲームやアニメなどで現実逃避せず、努力し続けろというありがちな主張はあまりにも酷ではないだろうか。「日本国民よ、結婚・出産し人口を増やし、経済成長のために懸命に働け。」というのは強者の理論であり、ほとんどの人が報われずより不幸になるだけだろう。
「日本が衰退して何が悪いか!」
この言葉が著者の意思を反映しているかは分からないが、僕は共感を覚えずにはいられない。 -
「となりの陰謀論」で引用した部分のみ読了
バーチャルな活動への傾倒により
経済格差 希望格差を埋めている -
前著の新型格差社会、希望格差社会と比べると、調査結果のまとめのような内容だったのであまり衝撃は受けなかったかも。
日本は工業で発展し、それに固執した社会になっていて、世界のグローバル化、ニューエコノミーで戦いきれていないこと、
前著までに書かれていた通り希望格差が広がるなかで、かつての宗教的な救いとして、今は押し活やペット、バーチャルコミュニティで幸福感が得られていることが主な内容だった。
現実の中で理想や希望を追えなくなった社会は、虚構の中で満足を求めるという表現は強いなと思った。
個人的には、現実で夢も求めていきたいけど、バーチャルな充実も不可欠なのは確かで、どちらにも飲み込まれないようにしたい。 -
2024.02.24
納得の一冊。
基本的に考え方に賛同。
しかし、平和が今後も続くという点には希望的観測が含まれると思う。 -
「パラサイトシングル」で名を挙げた先生の続編。
かれこれ20数年前、国家公務員試験受験時の論文がパラサイトシングルの問題について求められたことが思い出深い。
誰も世の中を変えたがらず、静かにそして、幸福に衰退していくという氏の主張は理解できる。
ただ、昭和礼賛、令和全否定という1冊を通して繰り返されるテーマは、読んでて暗澹たる気分になってくる。 -
格差拡大の割には、生活実感面調査などで、あまり苦しくなってはいなかったという結果が興味深い。
筆者は、趣味などに目を向け、心を満たす手段がインターネット等で増えたことを要因としてあげている。
おそらく、日本経済の悪化が、デフレのため、所得が増えなくても、なんとか生活が持続的にできてきたことが真の要因ではないだろうか(茹でカエル化現象)。
ここにきて、インフレ、外国人労働者の増加など、環境の変化を肌感で感じることが増えている。
これから、格差や貧困化が顕現された問題として噴出していくのではないだろうか?
日本の江戸時代文化化という仮説は面白い視点だと思った。 -
寂しいが、日本は徐々に衰退化していく、という予想はその通りだと思う。
年功序列、女性活躍否定、家家族の基盤に立脚した制度、風習、意識のままでは、日本に大きな改革の波は訪れない。
残念ではあるが。 -
【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/732180 -
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■感想
TOPPOINTで読了。
一部気になる点あり。 -
経済的停滞と少子化という問題を抱えた日本社会が、バーチャルな幸福を感じつつ、衰退していくという内容。
筆者が高齢かつ東大卒のためか、テーマの割に刺さらなかった。 -
この60年、色々変化が速くて、この先も、どんなふうに変化していくのか、全くわからない。
子どもの頃、当たり前に思ってたことが、今では時代遅れになっている。それも、化石レベル。
読後、「幸福に衰退」の意味がわかり、納得。が、昭和生まれは余計に心細くなってきたかも。 -
「茹でガエル現象」という言葉を思い出す。経済成長して、人間の生活が豊かになった。日本の社会において、必然的に起こる停滞について具体的に記述してある。平安時代後期、江戸中期、そして平成から令和時期に共通する「安定」の要素を見出し、ある意味、歴史の必然としての停滞についてわかりやすく書かれてある本であった。
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擬似家族、疑似恋愛
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平成から令和に入って格差が固定化する社会になったこと。ペットや推し、ゲームなどのバーチャルな世界が広がっていること。これは納得いくし、特に格差が固定化することになった分析は著者の得意とする分野で説得力があった。
しかし、この二つを結びつけてバーチャルな世界で満足するから人々の生活満足度が落ちていない、という論点はしっくりこなかったかな。
最終章の「幸せに衰退する日本」。何となく今が幸せで、皆と大差なければ満足であればガツガツすることもない。そうであればユルユルと後退していく。残念だが確かにそうかも。 -
江戸時代との比較はこじつけかもしれないけど、分析が不足してるけど、納得感あるね。面白い。今ちょうど蔦重やってるし。そういえば、北欧はその昔、あくせく働かず、福祉充実、女性も活躍なんて言ってた。幸福に衰退とか言ってるけど、昭和のモーレツが無くなったのんびり平成。衰退というほどではなくジリジリとした感び、悪くなかったのでは?と思うしかない。人口の伸びない、江戸文化文政の時代はなぜ人が増えない?のんびりしてたからなのか。そこで湧いた庶民文化。実はよい時代なのでは
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