スティグリッツの経済学 「見えざる手」など存在しない

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492314364

作品紹介・あらすじ

格差、失業、金融危機、環境…経済学の領域を超えて現実の課題に挑み続けるノーベル賞学者の理論と思想。

感想・レビュー・書評

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  • 非対称情報下での市場に関する研究でノーベル賞。

    部分均衡分析=ひとつの市場に注目する
    すべての市場の相互依存関係=一般均衡分析

    限界費用曲線の右肩下がりは今は違うのでは?

    市場均衡はパレード効率を実現する=厚生経済学の第一基本命題=新古典派経済学の根拠
    資源配分は競争市場に任せることで、効率的資源配分が実現する=厚生経済学の第二命題(たとえ不平等な分配であっても)

    外部性、情報の非対称性により第一命題が達成されない可能性
    第二命題も現実的には難しい。

    コースの定理=外部性も市場取引で解決できる。しかし市場がないか、取引コストが高い。

    途上国の問題=所有権、取引制度が確立していないこと。
    分配問題と効率性と公平のトレードオフ
    市場の失敗

    情報の非対称性=中古車市場、レモン市場、AIJ事件、
    労働市場、保険市場の逆選択、モラルハザード、
    プリンシパルエージェント問題、
    それを防ぐ方法として、シグナリング、自己選択メカニズム
    政界と財界の癒着=回転ドア。順に職に就く

    貸付市場と信用割当。
    貨幣量よりも信用量が重要。利子率は金融政策として機能しなくなった。従来の金融政策が功を奏さない理由。

    資本の必要収益率、トービンのqが投資に影響を与える。
    それに対し、利子率よりも信用のアベイラビリティが投資を決める

    サミュエルソン=新古典派総合 古典派とケインズ経済学の融合。


    IMF批判=緊縮財政と高金利政策

    バグワティの「グローバリゼーションを擁護する」

    情報の経済学=情報の公共財的性格
    情報のネットワーク外部性=バンドワゴン効果=支配的な考え方がさらに支配する。
    経済思想にもネットワーク外部性がある。政策提言が実現しやすい。

    資本の自由化は、証券投資と直接投資と違う。

    市場の失敗と所得格差の問題。
    所得格差の拡大

    金融システムの府の外部性、大きすぎて潰せない

    発展途上国は収益率が高いはずなのに投資が回らず、人材が流出するのはなぜか。経済制度の違い、生産性の違い。信用割当が少なくて資金を集められない。

    経済発展の政府の枠割、マクロ経済政策の成功。
    移行経済も同様。

  • 大崎Lib

  • 市場原理主義に懐疑的な内容でその限界や市場の失敗について経済学的アプローチが為されています。情報の非対称性、逆選択及びモラルハザードについてわかりやすいです。それからグローバリズムの問題も取り扱っています。

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2013年 『入門・経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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