その問題、経済学で解決できます。

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492314494

作品紹介・あらすじ

ノーベル経済学賞最右翼!
行動経済学ここに極まる!

「この50年で最大のイノベーションだ!」(『ヤバい経済学』著者レヴィット教授)

対象は教育・ビジネスから途上国支援まで

子どもの成績を上げるには? 
ワインをたくさん売るには? 
保育園のお迎えの遅刻をなくすには? 
娘の競争力を高めるには? 
お得に買い物をするには? 
恵まれない子に寄付してもらうには? 
社員の生産性を上げるには? 

「人はインセンティヴで動く」は当たり前! 大事なのは、誰にいつどのように仕向けるか。
子どもの成績を上げたいとき、あなたならどうするだろうか? 実は、ご褒美をあげるだけでは不十分。ご褒美を渡すタイミングや種類によって、結果は全然違ってくる。
本書では、『フォーブス』誌で「世界で最も影響力のある経済学者」に選ばれた最先端の行動経済学者が、実地実験という最強の武器で、人をやる気にさせるものは何か、人はインセンティヴにどう反応するかを解き明かす。意思決定の奥深くをあぶり出し、ビジネスの現場にも差別や格差という大問題にも解決策を出す画期的な一冊!

【推薦の言葉】
「ジョン・リストとウリ・ニーズィーは世界最先端の行動経済学者だ。この本は彼らの画期的な研究を描いている。読んでてほんとに楽しい。」――ダニエル・ギルバート(『幸せはいつもちょっと先にある』著者)

「経済学のイノベーションの話をしていてウリとジョンに触れずにいるのは、ちょっと難しい。彼らがやってきた、経済学のきわどい裏の側面の追求に関してはとくにそうだ。」――ダン・アリエリー(『予想どおりに不合理』著者)

「本物の世界で本物の人間が本物の意思決定をどうやって下すかを描きだした本物のホームランだ。経済学の理論と実践の両方で新しい境地を切り開いている。」――ダロン・アセモグル(『国家はなぜ衰退するのか』著者)

「ジョン・リストの業績は実地実験に革命を起こした。」――ゲイリー・ベッカー(ノーベル記念経済学賞受賞者)

「ウリ・ニーズィーは道を切り拓く人だ。彼は実験室と現実の世界を隔てる壁を打ち壊した。」――アルヴィン・E・ロス(ノーベル記念経済学賞受賞者)

「ジョン・リストとウリ・ニーズィーは、大きくて難しい問題を経済学で扱う画期的な仕事をやってのけた。つまり、差別や、男女格差は生まれつきなのかそれとも社会から受ける圧力のせいなのか、都市部の生徒と裕福な地域に住む生徒の格差を埋めるには、といった問題だ。こうした問題でも他の深刻な問題でも、解決策を探す人なら誰だってこの本からたくさんのことが学べるだろう。」――タイラー・コーエン(『大停滞』著者)

感想・レビュー・書評

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  • 【読書前メモ】
    行動経済学分野の本書。経済学の「インセンティブ」の問題に焦点を当てる。「インセンティブ」という点では「ヤバい経済学」とも通じる部分があるかも。

  • 【感想】
    経済学(実験、応用でも)の啓蒙書。文章の読みにくい『ヤバい経済学』よりおすすめ。小見出しの付け方も適切。

    【書誌情報】
    『その問題、経済学で解決できます。』
    原題:The Why Axis: Hidden Motives and the Undiscovered Economics of Everyday Life
    著者:Uri Gneezy
    著者:John A.List
    訳者:望月 衛
    装丁:吉住 郷司
    編集担当:矢作 知子
    出版社:東洋経済新報社
    発売日:2014年8月29日 発売
    定価:1,980円(税込)
    ISBN:9784492314494
    サイズ:四六/上
    頁数:392

    どんなご褒美で成績は上がる? どうしたら差別をなくせる? 子育てから政策まで、何でも実験して答えを出す最新の行動経済学。
    https://str.toyokeizai.net/books/9784492314494/

    【簡易目次】
    献辞 [/]
    ご紹介(スティーヴン・レヴィット) [i-iv]
    目次 [v-viii]

    はじめに 思い込みの向こうへ 001
    [人がやってることって、どうしてそんなこと人はやってるんだろう?]

    第1章 人にやってほしいことをやらせるには? 027
    [インセンティヴが働く(働かない)のはどんなときか、そしてそれはなぜか?]

    第2章 女が男ほど稼げないのはなぜか? クレイグズリスト、迷路、それにボールとバケツでわかること 049
    [キリマンジャロのふもとの平原にて]

    第3章 母系社会は女性と競争について何を教えてくれるだろう? 071
    [カーシ族を訪ねる]

    第4章 惜しくも銀のメダリストと大健闘で銅のメダリストが成績格差を埋めてくれる、とは? 089
    [公的教育:6270億ドルの問題]

    第5章 貧しい子がお金持ちの子にほんの数ヵ月でどうすれば追いつける? 129
    [保育園への旅]

    第6章 いまどきの差別を終わらせるカンタンな一言とは? 155
    [君が嫌いってわけじゃないんだ、ただお金が愛しいってだけさ]

    第7章 なにか選ぶときにはご用心。選んだものがあだになるかも 187
    [差別の隠れた動機]

    第8章 ぼくたちをぼくたち自身から守るには? 211
    [実地実験を使って生きるか死ぬかの状況を学ぶ]

    第9章 人に寄付をさせるのは本当はなんだろう? 249
    [心に訴えてもだめ、見栄に訴えろ]

    第10章 割れた唇と「これっきり」のチェック欄から、人が寄付をする理由についてわかること 285
    [おたがいさまというすばらしい現象]

    第11章 管理職は絶滅の危機? 309
    [職場に実験の文化を作るには]

    おわりに 世界を変えるには……まあ、少なくとも得をするには 349
    [この世は実験室]

    お礼 [356-358]
    訳者あとがき:実地実験派の華麗なる挑戦(2014年7月 望月衛) [359-364]
    注 [1-15]

  • 人が何で動くか(=インセンティブ)を理解できれば、狙った結果につなげられると実地実験を通して示している。根拠が薄いと感じる箇所もあるが、観点として面白い。
    ただ、せっかくエッセイ的な砕けた文なのに直訳感があり、誤植もあったのが残念だった。

    勉強しない子やその親に、適切なインセンティブ(お金やモノ)を渡せば子の成績が上がる。いいインセンティブがあれば寄付金の額も上がる。
    実際に導入となると、気持ちをお金で動かすことに不満の声が上がるだろうと容易に想像できる。その視点も必要ではあるが、お金を使えば中退も逮捕もされず過ごせる子が増え、寄付で助かる人も増えるという視点も持てる思考でありつづけたいと思う。

    『「慈善組織は販売ってことばが嫌いなんだ」とブライアン。「でもぼくは大好きだな」』

  • 子どもの成績を上げるには? ワインをたくさん売るには? お得に買物をするには? 最先端の行動経済学者が、実地実験という武器で、人をやる気にさせるものは何か、人はインセンティヴにどう反応するかを解き明かす。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40217560

  • この本の原書は The Why Axis: Hidden Motives and the Undiscovered Economics of Everyday Life だそうだ。実験によって物事の原因となる隠れたモチベーションを特定するという、この本に書かれている内容からすると原題の方が適切に内容を表現していると思った。
    経済とはインセンティブによる力学のことであり、それが金銭的インセンティブであろうがなかろうが、うまく設計してやることで社会を変えられる可能性を説いている。
    人種差別や同性愛者差別のエピソードを読むと、人が産まれながらに持った属性と、自らの「選択」の結果として識別される属性とでは、差別が起きる原理が異なっていることに気付かされた。また、そういった他人の属性を直感的に忌み嫌う差別と、インセンティブを見越して発生する経済的差別は、それぞれがオーバーラップして発生しているのだろうと思った。

  • 永国寺図書館

    寄付は、これっきりにしてくれ、という意思表示ができるようにするとたくさん集まる。
    言い値で売る、ほうがたくさん支払う。
    割り勘は負の外部性が発生する。
    西洋社会では、女性は競争をしたがらない、その結果管理職が少ないのではないか。女性は男性ほど負けず嫌いではない。
    マサイ族は男系社会なので、西洋と同じだが、カーン族は女系社会で、女性は競争が好き。生まれつきではなく、文化的な環境によるもの。
    p78

  • 見出しと本文が一致していない。分量の割には内容が薄い。

  • 経済学のことを勉強しようと思ったが、実際には実用的に実験を行う事の大切さを教わった。
    例えば、会社で物を売る値段を決定する時でも、試験的に値段に幅を利かせて売ってみて、どの値段の時が最も利益が上がるが試してみるなど、実験が必要な場面は往々として存在する。
    面倒と思わず、実験を行うことが利益をあげることがわかった。

  • 良い本。くだけた感じの翻訳で読みやすい。好き嫌いはあるかもしれないけど。
    行動経済学の本だけど、どちらかというと実地実験をすることが大事!ということを伝えている本。ナッジとかは少し触れられる程度。
    著者の行ってきた実地実験をなぞるように進んでいく、ちょっとドキュメンタリーな部分もあって面白い。
    全般的に行動を起こす、または改める前には実験をやってからの方がいいし、実地実験をやっていけば世界も変えられるかもよ!っていうノリ。
    その見方は楽観的過ぎるかもしれないけど、それでも感化されて自分もやってみたくなる。

  • 人の行動がインセンティブ設計でどのように変化するか多様な実地実験から解き明かす本。
    行動経済学や消費者心理については別の本を読んだほうが良い。
    だけど、社会科学実験の実施について、これだけ多様なバリエーションを、しかもわかりやすく説明してくれる本は他にあまり無いと思う。
    実験の背景には、高度な理論があるはずなのだけど、それはさておいても興味を引く実験結果が並んでいる。
    面白すぎて結果だけが先歩きさせないように統計学的と実験のリミテーションにも注意したいところ。

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著者プロフィール

ウリ・ニーズィー
カリフォルニア大学サンディエゴ校経済学部教授
イスラエルで生まれ育つ。テルアビブの通りでの経験を通じて応用ゲーム理論を身につける。カリフォルニア大学サンディエゴ校のレイディ・スクール・オブ・マネジメントで、エプスタイン/アトキンソン寄付講座経済学及び戦略担当教授を務める。

「2014年 『その問題、経済学で解決できます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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