今さら聞けない経済教室

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492314760

作品紹介・あらすじ

「マイナス金利って何?」「TPPで日本は成長できる?」
「なぜ消費税を上げる?」「円安で景気はよくなる?」

今さら聞けない「経済の基本の基本」が、この1冊でいっきにわかる!

Q&A方式だから、読みやすい。ポイント付きだから、わかりやすい。
本当に役に立つ「超入門書」が遂に登場!

【本当にきちんと説明できますか?】
Q.デフレはなぜ続いたんですか?
Q.TPPで日本は成長するんですか?
Q.円安で景気はよくなるんですか?

【実際に多く寄せられる質問から厳選!】
Q.マイナス金利って何ですか?  
Q.国の財政は大丈夫なんですか? 
Q.なぜ消費税を上げるんですか?

【読めば、ニュースがよくわかる!】
Q.軽減税率って何ですか?
Q.ブラック企業って何ですか?
Q.「新興国」は本当に成長しているんですか?

経済学をきちんと勉強しなかった人、「日経新聞」がイマイチよくわからない人、
もう一度、勉強しなおしたい人、全員におすすめ!

新入社員からベテランまで、全員に役立つ「基本の基本」が満載。
60の疑問とすべてのポイントが、巻末「特別付録」に総まとめで、ひと目でわかる!

この1冊で、「最低限知っておきたい経済の常識」をいっきに身につけよう!

感想・レビュー・書評

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  • 今さら聞けない経済教室 単行本 – 2016/4/29

    いまの社会保障がゆがんでいるのは、成長しないと維持できないしくみだから
    2016年9月17日記述
    経済学者、池田信夫氏による著作。
    1953年生まれ。
    池田信夫氏が主宰する言論サイトアゴラの子供向けの解説記事をまとめ再編集した本である。
    以前読んだ池田信夫氏の著作の中では時にわかりにくいものもあった。
    (丸山真男について論じていることや思想的な所)

    本書はそういった難しい所はなく非常に良い。
    またそれぞれの質問への回答と解説。そのまとめもあり頭にすっと入ってくる。
    またそのまとめポイントを総まとめとして巻末に載っておりそれも良い。
    そして索引がついている本書は紛れもない経済の専門書であると言える。
    (野口悠紀雄氏は常々日本の専門書と呼ばれる本に索引がないことを指摘し、索引がない本は本ではないと指摘している。索引をつけるのは面倒な作業であるので、索引があるだけでも高評価に値する)

    勉強になった点、参考になった点を列挙してみたい。

    円安になると、輸出してる大きな会社は得をする。
    しかし普通の人は損をする。
    デフレの正体は、中国からの輸入とITの技術革新による相対価格の低下。
    中央銀行(日銀)が国民のインフレ予想をコントロールできるというのは幻想。
    日本経済が失速した原因は、労働人口が減少した上に、その人口が地方に分散した事。
    今、必要なのは人口を都市に集中させ、インフラを集中整備すること。
    先進国の雇用の8割以上はL(ローカル)型のサービス業。
    (製造業などのG(グローバル)型ではない。
    みんなが競争の激しいグローバル人材になる必要はない。
    政府主導の成長戦略は、過去一度も成長を実現したことがない。
    (成長戦略とは、特定の産業に補助金を出して育成する産業政策のこと)
    政府が成長を促進することは出来ない。
    しかし邪魔をやめることはいくらでも出来る。
    軽減税率の一番良くない点は圧力団体が政治家や役所に押し寄せること。
    食品に軽減税率を適用すると負担が減るのはむしろ高所得者。
    軽減税率は増税の先送り。こども世代に負担を押し付けること。
    税金は国民の多くが負担するので、簡素でわかりやすいことが大切。
    商品によって税率が違うと納税事務が複雑になりトラブルが起こる。
    OECD(経済協力開発機構)は、軽減税率をやめるように勧告している。
    インボイスは消費税の納税に重要な役割をはたす税額証明。
    これがないと正しい納税は出来ない。
    インボイスがないとますます納税額のごまかしが増える。

    回収できないコストをサンクコスト(埋没費用)という
    コストを計算する時考えるのは、未来の行動で変えられるコストだけ
    (サンクコストは考えても意味がない)
    いやなコストを負担せず、非現実的なきれいごとをいう人をフリーライダーという。

    リスクは被害×確率。1回の被害は小さくても確率の高い出来事のリスクは大きい。
    飛行機よりも自動車の方が事故のリスクは大きい。
    1回の事故の危険が大きいからといってリスクが大きいとは限らない。

    日銀が国債をたくさん買うのは、政府の借金を政府(日銀)が穴埋めしている危険な状態。
    このまま1人あたりの国民負担が増え続けると2050年には国民負担率(税金+社会保険料)は8割になる。
    今の社会保障制度はおじいさんが孫のクレジットカードを使って買い物をしているようなもの。
    老人と若者で1人1億円もある世代間格差を、景気回復だけで埋めることは出来ない。
    日本のような巨額の政府債務を、増税で正常化した国は歴史上ない。
    5%程度のインフレを10年続ければ政府債務は半減するが、インフレはコントロールできるとは限らない。
    2035年ぐらいまでに年金会計は破綻するといわれている。
    このままでは日本経済に未来はない。
    保険料とあるので負担感が少ないが、30代の保険料は今の高齢者に払われ自分には半分も返ってこない。
    政治家がこの問題を放置するのは投票する人の半分は60歳以上の受益者だから。

    日本の人口減少は避けられないが、働く人の数が大きく減ることは避けられる。
    保育所を整備し、転勤のない働き方にして、働く女の人を支援する。

    今の社会保障のまあ成長がゼロになると、2035年には給料の6割が天引きされる。
    大事なのは、成長しなくても維持できるしくみに社会を変えること。
    いまの社会保障がゆがんでいるのは、成長しないと維持できないしくみだから。

  • 経済について知識があまりない人、少し知ってるけど基礎を学び直したい人にオススメの本。

    各章ごとにテーマが割り振られており、それぞれのテーマに対してありがちな質問をもとに経済について説明する形となっている。

    2016年の書籍なので最新の情報ではないが、それまでの日本の経済がどのように動いてきたかを易しい解説で知ることができる。

    個人的にはいくつか疑問点が残るところがあったが、そのような疑問が得られたことはこれからの学びにプラスになると思うので結果的には読んで良かったと思う。

  • 【資料ID】 97171160
    【請求記号】 322.107/I
    【OPAC URL】https://opac2.lib.oit.ac.jp/webopac/BB50082449

    こんなことを質問したら、「大人が何をいまさら・・・」と言われそう…。
    そんな方におすすめな経済入門編の本です。子供に説明するような平易な言葉でやさしく解説してあるので、経済はちょっと苦手…という方にはもってこいです。しっかり読み込んでみると、あれ?勘違いしていたかも、という気づきがあるかもしれません。

  • わかりませんでした。

  • 経済に関する理屈を詳しく理解しようという目的には向かず、そういえばこんな考え方もあったかな、という復習に使える一冊。読んでいると、日本の直面している課題が薄っすら見えてくる。

    人口が減り、しかしGDPを上げるためには労働生産性を上げる必要がある。労働生産性とは、付加価値÷労働人口で求められ、GDPは、労働生産性×労働人口と置き換えられるからだ。つまり、日本では労働生産性向上が課題であり、その為に、企業の投資に対し、能率化を要件とした優遇税制措置が取られるようになる。

  • 経済学者の著者が経済の仕組みと問題点について60項目にまとめわかりやすく解説した一冊。

    本書を読んで、物価や為替や税金など経済について仕組みや今話題の原発やアベノミクスについて、そして次世代のこれからの問題点が子供にもわかりやすくという視点から書かれていて理解しやすく、インフレや円安などについての知識が誤解だらけであると感じました。
    巻末には各項目のポイントも整理されており、再度復習することもでき、理解が進みました。
    また、バナナを用いたマイナス金利下での景気への効用が無意味であることの説明は非常にわかりやすく、腑に落ちました。
    また、本書を読んで昔と比べて国家の収益構造が輸出産業頼みだったものから変化してきているなども知ることができました。

    本書は経済のことがわかるだけでなく、多額の借金を抱え少子高齢化が進む日本においての問題点についても多く提議されており、これから先私たちが生きていくうえで知っておくべきことが書かれていると感じました。
    日本の将来に多くの難題があると感じましたが、ただ現状に嘆き未来に悲観的になるのではなく、本書の内容を知識として知っておくことと一人一人が意識することによっていい方向に変えていけるのではないかと感じた一冊でした。

  • たしかにやさしく書かれていて、疑問にも明確にはっきり答えが書いてあります。
    その一方、著者の政治的ポジションが透けて見える部分もあります。

    今の社会保障はおじいさんが孫のクレジットカードで買い物をするような状態、と指摘しつつ、原発のごみなど、政治が本気になれば処理場所などすぐ決まると言い切るところ、先送りしている意味では同じ気がします。

    答えはひとつではない。
    そのことを身の回りの疑問にはっきり答えてもらった上で考えるきっかけになるかもしれません。

  • とにかく雑。
    平易な概念はわかりやすく書かれているのに、難しい概念は、ほとんど説明がない。
    ちっとも易しくないし、まったくもって優しくない。
    まとめも下手だし。

    エネルギーや環境に関する記述については、とくにその傾向が強い印象。

    羊頭狗肉という言葉がよく似合う本だと思います。

  • アベノミクスは、偽薬効果で一時的に景気が良くなるがこれは、眠れない患者に「よく効く睡眠薬です」と言ってビタミン剤をわたすと本当に眠れるような効果。
    黒田東彦総裁は「ピーターパンは飛べるかどうか疑った瞬間に永遠に飛べなくなる」しかしいくら飛べると思っても、飛ぶ能力がないと飛べない。ゼロ成長になっても維持できるように財政や社会保障を改革すること。
    菅首相が思いつきで浜岡原発を止めて、その穴埋めでLNG(液化天然ガス)の輸入が増え貿易赤字が大きくなった。
    TPPは安倍政権の経済政策として最大の効果。
    安倍政権になってよくなった経済指標はほとんどないが雇用だけはよくなっている。しかし失業率が下がり始めたのは2010年からで安倍政権のおかげではない。
    インフレとは、労働者に気づかれないように賃金を下げる方法。
    アベノミクスの沈没した最大の原因は、賃下げにより消費不況を招いたこと。
    政府が唯一の「アベノミクス」として誇っている雇用回復は月給ベースのサラリーマンが減り時給ベースの非正規社員が増え、賃金が下がり雇用が増え失業率が下がったのが実態。
    安倍政権の3年間の成長率は2.4%で、あの民主党政権の5.7%の半分にもならない。

  • 良く耳にする豊かさ、物価、円安、雇用、格差、アベノミクス、税金、エネルギー、財政、社会保障について丁寧に解説されている本です。税金の章で述べられている軽減税率については政権与党である公明党が頻りに口にしていますが、OECD(経済開発協力機構)はこの税率を止めるように勧告しているらしいです。知らなかったな~。。。

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著者プロフィール

1953年生まれ。東京大学経済学部卒業後、日本放送協会(NHK)に入局。報道番組「クローズアップ現代」などを手掛ける。NHK退職後、博士(学術)取得。経済産業研究所上席研究員などをへて現在、アゴラ研究所代表取締役所長。著書に『イノベーションとは何か』(東洋経済新報社)、『「空気」の構造』(白水社)、『「日本史」の終わり』(與那覇潤氏との共著、PHP研究所)、『戦後リベラルの終焉』(PHP研究所)他。

「2022年 『長い江戸時代のおわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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