人口の世界史

  • 東洋経済新報社
3.28
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本棚登録 : 295
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492371169

作品紹介・あらすじ

たとえば、多くの企業が成長の舞台として期待している新興国は、その人口の多さによって熱い視線が注がれている。しかし、人口増加は経済発展のトリガーとなるのか、それとも経済発展の足かせとなるのか、議論の決着はついていない。そもそも、世界の人口は、なぜ、加速度的に増えているのか。増え続ける人口の調整局面はあるか。そして、地球上の最適な人口規模とはどれぐらいなのか……。
人口学の権威が、多彩な学問領域の知見を総動員しながら、人類史の謎に挑む意欲的な一冊

感想・レビュー・書評

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  • [評価]
    ★★★☆☆ 星3つ

    [感想]
    興味深い内容ではあったが、難しかった。
    それと期待していた内容ではなかったのが残念だった。
    自分が求めていたのは以前に読んだことのある日本史の人口の推移から人口の増加・減少についてを解説していたものと類似で世界史での同じような内容かと考えていたが。この本の内容はもっと未来志向の内容となっており、問題提起を行う内容となっている。

  • ふむ

  • 多数の統計を分析して、例えば18世紀ヨーロッパの死亡率低下の要因がジャガイモなどの新作物のおかげとする説 (McKeown) を批判する。いろいろな概念が出たり複雑な分析をしたりと難しいので自分の興味のありそうな部分を拾い読むので精一杯

  • 人口という視点からの世界史、教科書っぽい書きぶりで、面白いかというと微妙(苦笑)ですが、これまであまり意識していなかった視点で、勉強になりました。

  • 人口が増えたから生産も増えたのか?生産が増えたから人口は増えたのか?
    人口が増えたからイノベーションが起きるのか?イノベーションが起きたから人口は増えたのか?
    人口が増えたから人類は繁栄できたのか?繁栄があったから人口は増えたのか?

    人口とは、あらゆる社会問題の原因と同時に結果でもあり、しかもその要因はそれぞれ独立していない。
    出生率、死亡率、生産量、資源量、技術革新、労働力。
    全てのバランスが動態的に変動する事象を、読み解くことができるだろうか?

    本書は約300ページの長編ながらも、論文のような精細さと読みにくさが同居しており、
    ただでさえ要素が多い人口問題に、さらなる問題提起を重ねてくれる。

    なんとか統計的に「GDPが低いと出生率は大きくなるが、GDPが一定値まで高くなると出生率は低い値から動かなくなる」と読み解いてみても、
    「出産にかんする夫婦の意思決定に、物的財の入手可能性はほとんど影響しない」と言われるし、さらには
    ・「フランス農村部において出生率の低下は、より豊かで進んだイングランドよりも早く始まった」
    ・「多くの国々について、教育水準、農村的習性、工業化、といった社会経済的指標は出生率低下のわずかしか説明しえない」
    ・「文化的要因ー民族や言語集団、宗派や政治団体への帰属ーが、経済的要因よりも出生率低下には重要だったようにみえる」
    などなど、例外はいくらでもあげられてしまう。

    また、人口増加と経済成長の因果関係にしても、
    ・資源の限界には未だ到達しておらず、資源価格は低下を続けているが、今後の見通しは不透明
    ・死亡率の低下は長期的計画・投資を可能としたが、生産年齢人口と従属人口の比率は偏っていく
    ・知識と技術の進歩は人口に比例するように思えるが、歴史的な実証はされていない
    などなど、単純に増えると良い悪いの話で終わらず、常に変わり続ける方程式が示され、

    「人口増加はそれ自身では、1人当りの生産物の増加に対して拡張的効果と抑圧的効果の両方をもつのであって、これらの効果の重要性は他の要因との関係で異なってくる」
    「人口と経済は、従属変数であると同時に独立変数である」
    という、面白みには欠けるが科学的に正しい結論が示される。

    本書は世界目線で主に人口増加に焦点を当てたものであるが、現代日本においては少子化対策が当たり前のように叫ばれる人口の、あるべき姿とはなんだろうか?
    かつては頻繁に見られた人口移動も、移動元・移動先の双方が経済資本や文化資本を重視する資本主義下では難しくなっている。
    世界人口の歪みにより、貧困や栄養失調の割合が減っても絶対数が増えた場合、それは人類の進歩としてカウントできるだろうか?
    人口均衡のための地道な政策を提示しつつ、生じた問題には個別に対応し続けるという、面白みのない対策のみが、現在のところ得られる回答なのかもしれない。

  • 歴史

  • 知的財​産高​等裁​判所の大​合議事件における​意見募集(「​日本版アミカスキュリエ」)につ​いて

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/history_of_population.html【書評】『人口の世界史』人口自然増・社会増(移民)・トランプの反移民政策・持続可能性 : なおきのブログ


    <目次>
    第1章 人口成長の空間と戦略
    第2章 人口成長:選択と制約の間で
    第3章 土地・労働・人口
    第4章 秩序と効率をめざして:近現代ヨーロッパと先進国の人口学
    第5章 貧困国の人口
    第6章 将来展望

    11〜14世紀のエルベ川以東へのドイツ人の植民
    12世紀の20万人、13世紀の20万人の移民が19世紀には3000万人になった。

    16〜18世紀のイベリア人の中央・南アメリカへの移住とイギリス人の来たアメリカへの移住
    18世紀末まで
     ラテンアメリカへ400万人
     北アメリカへ450万人
     ヨーロッパの人口の15分の1
    17世紀
     世紀初めのイングランドの人口400万人
     年平均7000人の移住。
    1846年から1932年
     イギリスとアイルランドから1800万人
     イタリアから1110万人 
     スペインとポルトガルから650万人
     オーストリアから520万人
     ドイツから490万人
     ポーランド・ロシアから290万人
     スウェーデンとノルウェーから210万人
     アメリカへ3420万人
     アルゼンチンとウルグアイへ710万人
     カナダへ520万人
     ブラジルへ440万人
     オーストラリアとニュージーランドへ350万人
     キューバへ90万人


    ロシアの東・南への拡大


    富裕国と貧困国との間の順移動
    1960年代 年平均700万人
    1970〜80年代 1300万人
    1990年代 2600万人
    今世紀 3400万人

    2014.08.11 出口さんのブログで見つける。
    2017.02.06 読了

  • 内容が詳細、それでいて難しい。途中で読む気がなくなった。
    エビデンスを大量に提示して考察しているが、研究者でなければここまで詳細な情報はいらない。
    専門家が、自分の言いたいことを書いた本。内容を半分位にまとめて、読む人のことを考えた編集がされれば読む気になるが。

  • レポートのために人口移動に関する項目を中心に読んだ。人口の増減のモデル化ってこういう風に示すんだなあと面白かった。もうちょっとちゃんと読み直したい。

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