日本人のための経済原論

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492392836

作品紹介・あらすじ

日本を襲うデフレ・スパイラルと日本官僚制の根本欠陥を分析。

感想・レビュー・書評

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  • 事前と事後との区別こそ、経済学が発見した貴重な資産である。

    目次
    序章 日本経済はなぜ身動きとれないのか
    第1章 現代経済を見る眼—スパイラル現象に注目せよ
    第2章 スパイラルの実際例—バブルの出現、崩壊そしてデフレ
    第3章 需要と供給が織りなすミクロの世界
    第4章 マクロの世界の相互連関メカニズム
    第5章 三大経済学者のポイント—スミス、マルクス、ケインズを    どう評価するか
    第6章 日本経済の大きな構造変化
    第7章 日本は鵺経済だ—資本主義、未だ成立せず
    第8章 依法官僚制と家産官僚制の矛盾—日本をダメにした元凶を    明らかにする

  •  小室直樹氏による経済論。本書の前半では数式を使わずに経済学の基礎を解説されており経済学の初学者には分かりやすい。後半では日本経済が低迷する原因について分析している。
     日本経済を封建制と資本主義と社会主義が混在した「鵺経済」と称し、腐朽官僚制を景気低迷の根源とみなす。巻末では日本経済への処方箋として①資本主義化の徹底とケインズ政策の活用②インフレターゲットの設定③官僚制の研究④イノベーションの奨励を提言している。
     本書は1998年に書かれたものながら、小室氏の諸提言は現在でも議論され続けており、何も状況が変わっていないことが分かる。小室氏の提言は正論だと思うが、氏の指摘する通り、日本に資本主義も民主主義も存在しないならば①の資本主義化の徹底は実現可能なのだろうか?日本の空気(ニューマ)主義と鵺経済という現状からスタートできる実現可能な処方箋があるのだろうか?やはり反作用の強い強烈なショック療法が必要なのだろうか?それとも何もできずに国家が崩壊するのを待つしかないのだろうか?

  • 105円。

  • 眠れない夜に読んだら眠れるかもよ(’∀’)

  • 経済学の要諦をてっとり早く見につけるにはもってこいの本。それとともに、「日本人のための」というだけあって、日本経済の長期低迷の原因、そして日本で財政政策が効かなくなった原因を、官僚制の腐敗に焦点を当てて鋭く分析している。ケインズ経済が機能するためには資源配分に介入する政府が優秀でありかつ国民から信頼されていることが必要だ。しかし日本は官僚が腐敗しきって国民からの信頼がない。だから財政政策が効かないのだと。官僚制を制御するためには別系統の監視機構が必要である。監視なき官制は必ず腐敗する。これは歴史の教訓である。

  • 経済学の考え方の取っ掛かりとして。
    小室直樹氏の本は読みやすく楽しい。

  • 簡単な経済学の本

  • 2番目くらいに経済が分かりやすい本。
    1番は細野さんの。

  • 小室直樹による経済解説。
    国民総生産=国民総支出であれば経済はウマク回るという、当たり前の様でありながらウマクいってない構造を認識できる。
    経済学を多少知っておこうかなー?って人にはうってつけ!

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著者プロフィール

1932年、東京生まれ。京都大学理学部数学科卒。大阪大学大学院経済学研究科中退、東京大学大学院法学政治学研究科修了。マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。1972年、東京大学から法学博士号を授与される。2010年没。著書は『ソビエト帝国の崩壊』『韓国の悲劇』『日本人のための経済原論』『日本人のための宗教原論』『戦争と国際法を知らない日本人へ』他多数。渡部昇一氏との共著に『自ら国を潰すのか』『封印の昭和史』がある。

「2023年 『「天皇」の原理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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