デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492396407

感想・レビュー・書評

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  • 論理的に、数字をベースに、現状の日本の状況を説明している。GDPの状況などをかっくこと比較し、生産性=一人あたりのGDP を上げる必要性を説いている。
    私も日本の異常な高品質と低価格は懸念をいただいているため、非常に興味深く読めた。
    さまざまな統計情報もあるため何かの説明の際にもベースになる数字知識として活用できそう。
    また、日本は根拠の検証をしない国、というにも非常に納得がいく。


    22 日本は世界第3位のGDP。
       人口数は11位で1億以上は13カ国しかない。
       先進国の中で1億以上なのは米国と日本だけ。
    25 生産性向上率は126位
    56 生産性=1人あたりのGDP★
    60 1人あたりのGDPは28位。
       日本のGDPが高いのは人口が多いから。
    144 日本は本当に根拠の検証をしない国
    225 IMD World Digital Competitiveness Ranking 2017
    によると、日本のデジタルインフラ競争力は6位と高い。すじゃす、」企業の機敏性は57位で、データを使う能力は59位。

  • 日本の問題点が分かりやすく提示されている
    著者なりの解決法も提案されていて良いです

  • 今の日本の1番の問題は人口減少問題。

    GDPを下げる1番の要因も人口減少。
    その中でGDPを上げるためには、人口増加ではなく
    生産性を上げること。

    生産性と効率性は違う。どれだけ作業が早く終わっても
    その売り上げが0だと意味がない。
    どれだけ付加価値をつけることができるか。

    企業の生産性を上げるためには。
    最低賃金の大幅アップ。また企業の数の縮小。

    付加価値の低い企業がすごく多い。
    絞りに絞り、その中で生産性を上げていく。

  • 感想
    生産性上げてGDP増やさないと、社会保障制度維持できない、国の借金を返せない。


    手段
    生産性の向上
    ・同じ人数でより多くの付加価値
    ・少ない人数で今までと同じ付加価値
    →2つ両方必要
    そのために、
    人材の適材適所、適量労働
    →女性の就労とその補助
    →いらない企業廃止
    →最低賃金up


    1章
    生産性が同じだとGDP縮小する理由→2060年には労働人口が今と比べて40%
    縮小してはいけない理由→医療費負担ができなくなる、国の借金を返せない

    2章
    生産性→購買力調整済みの一人あたりGDP
    世界GDPランキング 3位
    しかし、
    一人あたりGDP 28位
    就労者あたりGDP 29位
    →一人当たりの生産性の低さが尋常ではない

    GDPを増やす=付加価値を増やす≠利益を増やす
    GDP=付加価値の総和=金利、配当、企業の利益、税金、給料
    内訳の比率をどうにかするのではなく、生産性を上げてパイをおおきくする

    生産性≠効率生

    4章
    日本の女性の生産性は男性の半分。
    日本の社会保障はアメリカではなく欧米のものを参考にした。
    欧米も男尊女卑はあったが、少ない人口でGDPを上げるために、男女の生産性を上げるための施策や制度が生まれた。
    イギリスでは1991年までは、妻は夫の性行為を断ってはいけないという法律があった、

    5章
    他の国は労働者の質と生産性の相関がある。日本は質は世界4位だが生産性は先進国でビリ。これは経営者の問題。適材適所ができていない。

    1958年は会社に対して新卒の数は3.2、2015年は0.28
    →生産性の最大化のために人材の適材適所が必要

    6章
    中小企業減らすべき
    理由 中小企業の中には低生産性低賃金なものが多く、GDPに貢献しない、従業員の消費が抑制される。貴重な人口の一部を非生産的な中小企業に留まらせるより、より生産性が高く給与が高い企業に送り、国の生産性を上げることが重要。

    移民
    移民が来ると、上記の中小企業を生き残らせることになる

  • いろいろな部分で納得の内容。
    子育て世代への対策や日本の慣例など目から鱗。

  • 著者には批判も多そうだけど書いてあることには概ね同調出来るので頑張って欲しい。この本を読むことでは世間で起きている事象と生産性に関する相関を見出しやすくなるというメリットがあると感じる。個人的に人口減は周りにまわってあまり憂いてはいなかったが、やはり多少考えを改める必要はあるかな。

  • 白石貢さんがすすめていたデービッド・アトキンソンの本。

    日本の人口減少をどうやって対策していくべきかを提案している。
    移民を受け入れる、老人を働かせる、女性を働かせる…
    様々な意見が取りざたされているが、
    イギリス生まれ、イギリス育ち、ゴールドマン・サックスに入社して…経済のプロとしての視点で、日本の問題点を暴き、解決の糸口を提案している。
    なるほど、そうかもしれないと思いました。

    日本の「高品質・低価格」は、本当か?
    ・求められてもいない不必要なことまでもやって、高品質をうたっても、高い価格で売れないの出れば、それは生産性が低い。なるほど。
    ・「高品質・低価格」は、労働者にサービス残業や低賃金で働くことを強要することで成り立っている悪しき慣習。これをやめなければ、日本の未来なない。なるほど。

    日本の戦後の経済発展は、人口爆発によっておこっただけ。勤勉で手先が器用だから(だけ)ではない。→これは、他の本でも読んだな。
    経済大国、アメリカや中国は、今も人口が増え続けている。
    人口減少は、ヨーロッパで以前から起きている。その対策として、女性を活用する方向にシフトした。日本人の女性の働く意欲のなさには驚く。ヨーロッパで数十年前までは、男尊女卑が横行していたが、それでは経済が成り立たないので、女性が活躍できる環境に整えてきた経緯がある。

  • 強い衝撃を受けた。数値的な根拠を提示しながら、生産性を上げるしかないという強いメッセージを送っている。
    日本が社会保障制度を維持し続けるためには、生産性の向上が必要。
    高度経済成長の主因は爆発的な人口増加であって、日本的経営や文化的背景が効いたわけではない。

    日本人は客観事実よりも感覚的に物事を捉える傾向が強い。FACTや一次情報を軽視し、抽象的なフレーズを多用する。これは大手企業や役人でさえ多くみかけられる。

    生産性向上5つのメリット
    1.労働者の生活水準の向上と労働条件の改善
    2.年金基金と一般株主の配当利益の増加
    3.消費者が受け取る付加価値の向上
    4.環境への配慮の向上
    5.政府が格差社会緩和のために使う税収の増加

    ーアクションー
    ・一度では消化不良があるので再読する
    ・経済本をお絵描きしながら読む
    ・対案や施策を提示する


    ーおまけー
    著者の書き方は非常にわかりやすい論理構成をしている。節の頭にメッセージを提示し、それを支持する内容を本文に書く。マッキンゼーのプレゼン本などで見かける構成をしている。

  • おもしろくて夢中で読みました。
    この提言通りやって、生産性が上がったら幸せな人が増えるのではないかと思って明るい気持ちになったので、ぜひ読んでほしいなあと思います。

  • 日本の無能な経営者、感情論でしか政治をしない政治家官僚に読んでいただきたい。
    基本的にに今までの著作と言っていることは同じ。
    今までなぜ日本はヨーロッパのように論理的で数字に基づいた原因の追求と導き出された結果をそのまま政治に反映できないのか、ほとほと疑問に思っていた。もちろん政治は妥協の産物であるが欧米でできていることがなぜできないのか。
    そういった点にも触れられている。

    外資の金融出身と言うだけあって論理的でストレートに問題点と解決策を提示している。この点がおそらく日本人にとっては痛いところ突かれ批判的な反論を生むのだと思う。

    著者の出身を考えればおそらく詳細な数字やデータを提示してもっと分厚い本にすることもできるだろうがわかりやすくするために省いているのだと思われる。
    ですので非常にわかりやすく簡潔に書かれている。

    こういう提言があって日本が変われば良いのだが、おそらく無理だろう、正直絶望的な気持ちになる。

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