デジタル資本主義

著者 :
  • 東洋経済新報社
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レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492396414

作品紹介・あらすじ

デジタル革命は資本主義の“常識”を覆す。
その変化はGDPという従来の指標では捉えきれない。
新たに生み出される経済社会は、巨大企業が支配し、ロボットが雇用を奪う「純粋デジタル資本主義」になるのか。
あるいは個人のスキルや未稼働資産が価値を生み出す資本となる、「市民資本主義」か、
多くのモノが無料となり、労働と余暇の区別も消滅した、SFのような「ポスト資本主義」なのか。
大胆なシナリオを描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 消費者余剰、生産者余剰、懐かしい。中小企業診断士受験の際にも再度とらえ直した事を思い出した。GDPの指標の理屈は知っていたが、最後に足し合わせることに疑問を感じていたが納得した。消費者余剰がデジタル化により増加したことは、人類にとって喜ばしいことである。生産者余剰の減少が回り回って消費者の所得に反映されるのはその通りだが、デジタル化により眠っていた資産が有効活用されるシェアリングやP2Pサービスが確立されたいま、老後も案外安価に楽しめるのかもしれない。しかしそれは資本財においてのこと。人間の本質的欲求はそれでは満足出来ないはずであり、その点は別の書籍に譲るべきだろう。なかなかの示唆に富んだ書籍である。

  • 2020/02/28:読了
     何か情報は沢山あるけど、ピンとこない。
     184ページの A,B,C,Dをもう少し深掘りすればいいのかな?
         不平等       平等
    拘束  B:国家        A:共同体
        (略取と再分配:   (互酬:
         支配と保護)     贈与と返礼)
    自由  C:資本       D:デジタル・コモンズ
        (商品交換:      (シェアリング)
         貨幣と商品)

     出所:柄谷行人「世界史の構造」のフレームを
        もとにNRI作成

  • 世の中を豊かにしているデジタル技術が今の資本主義や民主主義にどんな影響を与えうるのかをまとめている。
    GDP推計の限界と他の経済指標の模索。
    消費者余剰(お買い得感)の向上と生産者余剰の減衰に関してシェアリングエコノミーを起点として語られている。
    今デジタル技術によってどんな変化が起きているのか、また、これから起きようとしているのかがわかりやすく書かれている。
    デジタル技術に対する各国の考え方は文化や宗教などにより多様であり、資本主義の奴隷として活用するか、ユートピアチックな共有財の経済を作り上げるか、間を取るかはこれからの私達次第である、

  • デジタルがもたらす未来について、今まではディストピア的な思考しか持ち得てなかったのですが、この本を読んで、別の可能性があることを示唆してもらいました。
    社会を構成する一人一人の主観、思いがデジタル社会のありようを導いていくとの主張に深く考えさせられました。

  • デジタル革命による資本主義の常識の変化について描いた一冊。デジタルを技術面ではなく、経済社会歴史の側面から分析し、将来について論じている。
    シンクタンクの本だけあり、データ豊富で示唆も豊富である。
    構造的な分析もありおもしろい。

    メモ
    ・シェアエコ は投資抑制、雇用抑制的な部分がある。
    ・日本、直近は人口減だが一人当たりGDPは増えている。
    ・海外と比較し、日本のみ労働生産性上昇に対して賃金が上昇していない。非正規雇用などの雇用シフトや自動化投資への偏重などが原因か。
    ・デジタルによって引き起こされた経済のピンボケ。
    ・資本主義とは差異の発見活用創出を通じて利潤を獲得し、資本の永続的な蓄積を追求するシステム。
    ・デジタルにおいても、時間、こだわり、信頼のようなものはコピーできず希少性を持ち続けるはず。
    ・生産者余剰はGDPに換算されるが、消費者余剰は換算されないのがGDPが伸びない大きな理由。
    ・従来のイノベーションは需要が伸びることで限界費用が小さくなっていたが、デジタルディスラプションでは限界費用のみが劇的に下がり、消費者余剰のみが増大する構造になっている。
    ・シェアエコ と相性がいいのは資産の価値が高い✖️使用頻度低いもの。
    ・シェアエコ の価値算定にあたっては、プラットフォーマーの生産者余剰と利用企業の生産者余剰とユーザーの消費者余剰の三要素から構成される。
    ・デジタル時代にコピーできないもの人々がお金を払うもの
    即時性、パーソナライズ、解釈、信頼性、アクセス可能性、実体化(ライブコンサート)、支援者(投げ銭、お布施)、発見可能性(Netflix)
    突き詰めると時間、こだわり、信頼となる。
    ・信頼を構築する基盤が変わる。多対応多の個人間の関係性から信頼構築されるのでは。
    ・一律ではない価格設定により生産者余剰を拡大する。
    ・デジタル資本主義ではネットワーク効果、数が多いことが重要になる。大企業による規模の経済とは異なるエコノミクスが働く。かずも多様性も価値となる。

  • 野村総研の報告書の簡易版である。卒論の参考図書としては使えないが、退職間際のサラリーマンが、通勤電車の車内で暇つぶしに読むにはいいであろう。
     シンクタンクが様々な意見を取り上げたので、焦点がぼけているのが残念である。

  • デジタル化が生産者余剰の縮小・消費者余剰の増大を進め、それがGDPに反映されていないなど、統計データを駆使してデジタル化と資本主義の関係性が非常にわかりやすく整理されている。
    後半はシェアリングエコノミーや資本主義の今後のシナリオが展開され、思考実験にもつながる。
    3冊シリーズ化されるようなので続編が楽しみ。

  • 面白かったけど人に譲ってしまったので今手元にはない。デジタル化の進んだ世の中は既存のしくみを変えながら発展していくのだなあその中で私はどうしていくんだろうかと考えながら読みました。

  • ふむ

  • センター試験にの評論問題に採用されるような,非常に読みやすい文章。

    現代において,人は「モノ」に執着するのではなく,「コト」に価値を置き始めている。

    本書でも取り上げているが,例えば音楽業界では,CDなどの媒体からiTunesから直接ダウンロードする形にニーズがシフトしていった。これは単純に物理的な領域排除と,特定の曲のみを購入したい場合に重宝する事が考えられる。そして今,iTunesから,スポティファイなどのサブスクリプション型で視聴する割合が増えてきた。これは正に「コト」体験のニーズを明らかに示しているが,実は曲のデータを「仮想的物理領域」と人々が捉え始め,最早デジタルデータに関しても仮想的に,物理的な「モノ」として扱い始めてしまっているのではないかと考えてしまった。

    確かに今,iPhoneのデータ容量を常に気にしている。
    デジタル革新が飽和した後次は一体何が来るのか非常に興味深い。
    学ぶことは怠らないようにしたい。

    本書も繰り返し読み,書評についても随時更新していく。

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著者プロフィール

森 健(モリ タケシ)
野村総合研究所(NRI)未来創発センター上級研究員。

「2020年 『デジタル国富論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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