人口減少社会のデザイン

著者 :
  • 東洋経済新報社
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492396476

作品紹介・あらすじ

「都市集中型」か、「地方分散型」か。
東京一極集中・地方衰退→格差拡大→財政は改善?
地方への人口分散→格差縮小・幸福感増大→財政は悪化?
果たして、第3の道はあるのか。

2050年、日本は持続可能か?
「日立京大ラボ」のAIが導き出した未来シナリオと選択とは。

借金の先送り、格差拡大、社会的孤立の進行・・・…
転換を図るための10の論点と提言。


「集団で一本の道を登る時代」―昭和
「失われた30年」―平成
そして、「人口減少社会」―令和が始まった
「拡大・成長」という「成功体験」幻想を追い続け、
「先送り」されてきた、「持続可能な社会」モデルを探る。


社会保障や環境、医療、都市・地域に関する政策研究から、時間、ケア、死生観等をめぐる哲学的考察まで
ジャンルを横断した研究や発言を続けてきた第一人者による10の論点と提言

①将来世代への借金のツケ回しを早急に解消
②「人生前半の社会保障」、若い世代への支援強化
③「多極集中」社会の実現と、「歩いて楽しめる」まちづくり
④「都市と農村の持続可能な相互依存」を実現する様々な再分配システムの導入
⑤企業行動ないし経営理念の軸足は「拡大・成長」から「持続可能性」へ
⑥「生命」を軸とした「ポスト情報化」分散型社会システムの構想
⑦21世紀「グローバル定常型社会」のフロントランナー日本としての発信
⑧環境・福祉・経済が調和した「持続可能な福祉社会」モデルの実現
⑨「福祉思想」の再構築、“鎮守の森”に近代的「個人」を融合した「倫理」の確立
⑩人類史「3度目の定常化」時代、新たな「地球倫理」の創発と深化

感想・レビュー・書評

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  • 2050年の日本は、持続可能なのか。
    AIが導き出した未来シナリオに基づき考察していきます。
    「都市集中型」か「地方分散型」か。
    東京一極集中と地方衰退により格差は拡大しますが、財政は改善されていく。
    地方への人口分散により格差は縮小し、幸福感は増大しますが財政は悪化する。
    どちらをとるのか、それとも他の道があるのか。
    ジャンルを横断した研究から、10の論点と提言が示されます。
    超お勧めです。

    やや誤解されている点と思われるが、実は近年において地方の人口減少が顕著であるのも、 以上のように高度成長期に若い世代が”ごっそり”抜け、いわば残った層が現在高齢となり、 亡くなるようになっているという面が大きいのである。実際、たとえば秋田県を見ても、若者を中心とする人口流出が圧倒的に大きかったのは1960年代前後の高度成長期であり、近年の流出(社会減)は当時に比べればずっと小さい。
    したがって現在私たちが直面している地方の人口減少問題は、実は“高度成長期に起こったことの負の遺産”という側面が大きいのであり、若い世代のローカル志向など、近年新たに生じている現象はむしろ希望がもてるものが多いという認識が重要ではないだろうか。
    97ページ

  • 東2法経図・6F開架:364.1A/H71j//K

  • 数字が極端に苦手な私にも、グラフや表が豊富にあってわかりやすかった。
    イントロダクションで紹介されていたヨーロッパの「歩いて楽しめる街」の紹介はウットリした。
    高齢化社会で、車乗るのも高齢者は控えろとなって、町の商店街はなくなり、車利用が前提のアメリカ型の郊外型ショッピングモールしかないということであれば、生活が回らないし、買い物や散策の日常的な楽しみさえもなくなる。
    姫路や高松の例のような街がもっと増えてほしい。
    アメリカばかりを追いすぎて、今もまだそこから抜け出せない。ヨーロッパ大好きな私でさえ、手放しでヨーロッパ礼賛はできないけれど、自然、生命に優しい未来、持続可能な社会を目指して進んでいくことを願う。

  • 19/10/29。

  • 地方の過疎化や少子高齢化等の現代で問題とされているこれらの事象は、政策として狙った結果であって問題ではないという斬新な考えである。
    しかし経済規模が縮小していく日本に於いては、人間古来のライフスタイルを取り入れ、身体を動かし、長く働き、コミュニティを大切にすると提言されています。

    進化生物学の考えを取り入れた合理的なアプローチですね。

    その為にも、北欧などの街や交流の作りを学び、取り入れていく必要があるとも提言されています。

    しかし著者は経済や社会保障に関して無知すぎるのか、生産性向上を捨てるだの、政策立案者に廻すと民主党政権時代に戻りそうな世間知らずです。

    そして途中からだいぶスピリチュアルな展開になっていき、ついていけませんでした。

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著者プロフィール

広井 良典(ヒロイ ヨシノリ)
京都大学こころの未来研究センター教授
京都大学こころの未来研究センター教授。1961年岡山市生まれ。東京大学・同大学院修士課程修了後、厚生省勤務を経て96年より千葉大学法経学部助教授、2003年より同教授。この間マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員。16年4月より現職。専攻は公共政策及び科学哲学。社会保障や環境、医療、都市・地域に関する政策研究から、時間、ケア、死生観等をめぐる哲学的考察まで、幅広い活動を行っている。『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で第9回大佛次郎論壇賞を受賞。その他の著書に『ケアを問いなおす』『死生観を問いなおす』『持続可能な福祉社会』(以上、ちくま新書)、『日本の社会保障』(第40回エコノミスト賞受賞)『定常型社会』『ポスト資本主義』(以上、岩波新書)、『生命の政治学』(岩波書店)、『ケア学』(医学書院)、『人口減少社会という希望』(朝日選書)など多数。

「2019年 『人口減少社会のデザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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