「反日」を超えるアジア―北京の目、ソウルの目

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492443378

作品紹介・あらすじ

東アジアの現状と将来を考えるとき、北京の目、ソウルの目は、みずからをどのようにとらえ、近隣諸国とのどのような関係を展望しているのか。その視線の先にあるものをともに見据えるには、一〇〇年を超える歴史を遡って彼らを知る必要がある。そこを出発点として、環太平洋を中心としたグローバルな政治経済における日本の立場も明らかになっていくのだ。情念の東アジア共同体は成功しない。アジア外交の行き詰まりを転換する、新しい視座を問う。

感想・レビュー・書評

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  •  2005年、日本は安保理常任理事国入りをめざして国際的な「選挙運動」をおこなったが、その企図は各国の理解を得られぬままに頓挫した。
     最大の要因は「北京の目」「ソウルの目」の厳しさであり、隣国からさえ信頼と尊敬を勝ち得ていない日本へのアジア諸国の戸惑いであった。そのような状況の中で「選挙運動」に出た日本について著者は、〈我が国における自己認識にいかに歪みが生じていたかを示すもの〉と指摘している。
     安倍政権の船出にあたって中韓両国との関係に進展があったとはいえ、日本のアジア外交はまだまだ迷走状態を脱しきれていない。本書は多様な視点から日本と東アジアを俯瞰し、アジア外交の未来に一石を投じようとするものだ。それは、われわれの一方的な視点だけではなく〝彼らの視点〟に立ってみること。そして日本と中韓両国、さらにはアジアの歴史を百年単位で遡って検証することである。
     インドのIT事情から徳川光圀まで、著者の慧眼と博識が遺憾なく発揮されているが、とりわけ傾聴に値するのは〈日本の近代化過程そのものに「他力によって生かされる」という認識が欠けていたこと〉という指摘であろう。人と同じように国家もまた相互の関係の中で自国の価値と繁栄は開花する。端緒として、「歴史問題」をきちんと解き明かす必要性にも著者は論及している。
     夜郎自大に陥りがちな悪癖を脱して、勃興する東アジアの中で日本の位相を明瞭にすること。それのみが日本の生き残る道であることを、あらためて自覚させられる。

  • 日本経済新聞「エコノミストが選ぶ経済・経営書」2006年ベスト14位 7点

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著者プロフィール

京都工芸繊維大学 分子化学系

「2017年 『生体分子化学―基礎から応用まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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