データで読み解く中国経済―やがて中国の失速がはじまる

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492443927

作品紹介・あらすじ

中国は「失われた20年」へ突入した!"奇跡の成長"が終わり中国は普通の開発途上国になる日本は長期的視点に立った対中戦略を構築せよ。

感想・レビュー・書評

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  • 「中国統計年鑑」で語る中国論 DATAの強み 発想面白い
    →内容は「中国の未来」の方が充実している 本書は廃棄
    年齢構成別の人口推移で語るのは日本でもある

  • データに基づき中国経済の実態を説明してくれます。
    また、基礎データに基づいた推計により、中国経済の実態を推測しながら説明してくれます。

    単に汚職を解説するだけでなく、汚職の規模を推計するなど、とてもおもしろかったです。

  • 中国を題材にして、データをこのように
    料理するセンスに すばらしいものを感じた。
    仮説、推論が うまい具合に炸裂している。
    データを分析するには センスなくしてできない。

    『敵を知り、己を知れば、百戦殆うからず』
    ということが、わかりすぎるほどわかっているが
    中国の実体を正確につかむと言うことの
    困難性があり、それに意欲的に取り組んだことは
    一番見るべき本書の特徴だろう。

    中国のデータは信用できないと思っていたが
    そりゃ。目標を達成する責任をもっている人が、
    統計の集計の責任者だから、出世ということを
    考えれば、ゴマカスだろうね。
    なんと言うニンゲン臭い、子供っぽい、レベルの低さを
    感じるなぁ。
    結局 中国は 自分の国の統計を正確にできないということから、
    一流の国とはいえない ことははっきりしている。
    社会主義を掲げて、科学的でないこと自体が、不具合を生み出す。
    それが 中国なんだよね と納得してしまった。
    でも、小さな嘘しかつけないところに、小心さを感じる。

    反日、そして 南シナ海の中国の暴走は、
    歴史的な必然があることを 納得。
    しかし、少子化と高齢化で そんなことは言っておれなくなる。
    という指摘は、わかりそうで、少し楽観論だね。

    共産党は、省の書記、省長などの任命権もっている。
    しかし、そいつ等が 賄賂を受けとって逮捕されても
    任命した人の責任は 表に出てこないのが おかしいのだけどね。

    貧富の差がなぜ生まれているのか?
    そして、汚職の金額のスケールが大きいのはなぜか?
    それを適切に解明した分析力が頼もしい。

    農民籍と都市籍と言う二重構造をつくったのが
    中国の 経済発展のひとつの原動力になり、
    コストを下げることができた。
    しかし、所得や貯金、外国の資本投資、生産高の向上だけでは、
    どうやっても、説明できない。
    都市部の所得上位10%でも、クルマやマンションが購入できない。
    土地をめぐって 地方と全国の共産党が暗躍してる。
    共産党による 中国全土の地上げ政策が功を奏した。
    しかも、土地は公有制。
    農民から 使用権をただ同然に買い受けて、
    デベロッパーに高く売りつける。
    地上げをすることで、賄賂も大きくなった。
    ふーむ。それを野放しにしておいたのが
    一番の問題なんだよね。
    でも、土地代が 上がらなくなり、下落すると
    中国の ウラマネーが、役割を果たせなくなる。
    中国は スパイラルの失速をしていくことになる。

    農民が貧乏なのは、そんなに面積は増えなかったが
    生産力が上がり、豊作貧乏となった。

    団塊の世代が 日本と中国では違うという指摘が
    なるほどと納得した。
    では、どんなカタチで中国は変革を行なわれるのか?

    一人っ子政策の廃止は 極めて重要な決定であるが、
    そのことで、中国は 少子化高齢化の社会の問題をどこまで避けられるのか?
    その緩和のしくみが 定年を65歳に延期するのもアリだね。

    こうやって、出された データが
    もっと深い ウラの話につながっていけば、
    中国のスキマが よく見えていいなぁ。

  • 著者のこれまでの本とは、打って変わり、感情が、時折、露出してて、面白い。思わず、そうだ、と膝を叩いてしまう。
    ◾中国の発展は、土地ころがしが、源泉
    ◾バブルは、弾けてるが、独裁政権のため、表面化してない。
    ◾ユース・バルジが、存在しないため、下からの、民主化は起きない。
    ◾路線見直しによる上からの、民主化は有りうる。
    ◾人民解放軍の、暴走は、有りうる。
    ◾政治基盤の弱い習金平が、軍を利用することは、有りうる。
    ◾尖閣は、棚上げがベスト!
    ◾李鋭言
    ●人類を進歩させるもの:民主主義、法治、科学、改革
    ●人類を後退させるもの:独裁、人治、愚昧、革命

  • 次の20年間、中国経済は停滞する、と言い切る。中国の共産党独裁に問題があり、社会の格差に火種があり、人口の半分を占める農民が以前貧しい現状がある。
    しかし、・・・・・・・実際のところ、どーなるのかなー?

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著者プロフィール

川島博之(かわしま・ひろゆき)
ベトナム・ビングループ主席経済顧問、Martial Research & Management Co. Ltd., Chief Economic Advisor。1953 年生まれ。1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、東京大学大学院農学生命科学研究科准教授を経て現職。工学博士。専門は開発経済学。著書に『日本人が誤解している東南アジア近現代史』(扶桑社新書)、『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』『習近平のデジタル文化大革命』(いずれも講談社+α新書)、『「食糧危機」をあおってはいけない』(文藝春秋)、『「作りすぎ」が日本の農業をダメにする』(日本経済新聞出版社)等多数。

「2021年 『中国、朝鮮、ベトナム、日本――極東アジアの地政学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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