スティグリッツのラーニング・ソサイエティ

制作 : Joseph E. Stiglitz  Bruce C. Greenwald  薮下 史郎  岩本 千晴 
  • 東洋経済新報社
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492444443

作品紹介・あらすじ

経済成長、開発、生活水準向上のための新しいアプローチ
巨星の決定的提言!

「過去200年間の近代がそれ以前の何千年もの期間と異なるのは、ラーニングである。」

ラーニングは私たちの生活をどう変えたのか?
ラーニングはどのような環境で生まれるのか?
個人・企業・社会のラーニングを促進するものは何か?
なぜ途上国では幼稚産業保護が必要なのか?
なぜ金融自由化や貿易自由化でラーニングが阻害されるのか?

ノーベル賞経済学者のスティグリッツ教授が、生産性を高め社会的厚生を改善させるラーニング・ソサイエティを構築するための政策を提言する。

感想・レビュー・書評

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  • 経済を発展させるのはイノベーション。
    イノベーションを起こす土壌はラーニングによる知識のインプット。
    知識へのアクセスを向上させる社会の形成が必要。

    ラーニングの重要性、ラーニングを促進する環境、ラーニング・ソサイエティの形成に必要な政策について。

    政策部分について、他国との関係において、市場の開放・金融市場の自由化では比較優位を形成できない因果関係は、新しい観点だった。
    (将来を考慮に入れた)動学的比較優位形成のためには、知識の展開が望める、ラーニングの大きな産業を保護する必要がある。(現在の)静学的比較優位に囚われない決定が必要とのこと。

    国の話だから政策による決定。
    一方、自分の話になると、ラーニングの大きな仕事ができてるんだろうか。将来のある仕事って何だろうか。

  • イノベーションの方向性も含めた、企業の決定自体が政府の政策によって形成される。

  • 訳した人は、この本をちゃんと理解できてるのか?

    learningをカタカタにする意味が分からない。
    学習とか知識、習得ってこと?
    ハイエクの本の中には、日本語訳で「知識」って言葉が、よく出てきてたけど。

    ラーニングの他にも、分けのわからないカタカナ化が、いろいろあって、読めば読むほど????な状態になっていった。

    p.120
    シュンペーターの技術革新の話が出てたから、技術革新のための知識、学習の話なんだと推測したんだけど。

    独占を最大の悪と見なして排除すべきと考えてきた標準的経済学理論や政策提言に対して、シュンペーターは、むしろ、技術革新のためには、ある程度の独占があっても良いと考えていた、みたいなことが書いてあった。

    シュンペーターの『資本主義・社会主義・民主主義』は読んだけど、そんなこと、書いてあったかなあ?
    というか、現代の正統的な経済学で、今更、シュンペーターを持ち出すって、ちょっとヘンな感じがする。

    本書では、技術革新を生み出すうえでは、競争的な市場は効率的とはいえず、政策介入が必要、と主張しているそうだ。

    東京大学の福田慎一教授の説明が
    2017/11/4付日本経済新聞朝刊に載ってた

     経済発展の最大の源泉が、技術進歩であることはよく知られている。しかし、新しい技術が開発されたからといって、そのまま豊かさにつながるわけではない。人々の生活水準が向上するには、技術をより効率的に使いこなすための「ラーニング」が必要となる。これが、本書のテーマである。

     技術の習得のためにラーニングが重要なことは、約50年前に経済学者のケネス・アローが提唱し、様々な議論が展開されてきた。ラーニングがどんな場合に必要かを多角的に考察し、よりよい社会の実現にいかに貢献するのかを論じたのが本書である。議論の対象は、発展途上国の貿易・産業政策から先進国のイノベーション、知的財産権まで多岐にわたる。ラーニングの意義が、生産性というマクロ的な視点だけでなく、市場の効率性というミクロ的な視点から指摘される。

     持続的な発展にラーニングが重要であることは、ほとんどの読者が同意するだろう。しかし、どんなラーニングが必要かは、学ぶ対象や経済の発展段階によって大きく異なる。発展途上国では、先進国の技術をいかに模倣し、自国に適した形で改良していくかが重要となる。幼稚産業を保護するための産業政策は必要になるであろう。一方、先進国では、誰も考えつかなかった革新的な技術をいかに生み出すかが核となる。そのとき、自由な市場競争が望ましいのか、政府の介入が必要なのかは、研究者の間でも議論が分かれる。

     本書は、技術革新を生み出すうえでシュンペーター的な競争には否定的だ。競争的な市場は効率的とはいえず、政策介入が必要というスタンスである。著者たちにとって、教育や技術、インフラへの多額の公共投資で社会保障を充実させている「北欧モデル」は、技術革新の意欲と能力を高める理想的な仕組みになる。

     日本語版の序文では、日本への含意も簡単に触れられており、経済を再び活性化させるためには、21世紀の知識やサービスに対応した新しい産業政策が必要であると提案している。最近の官製ファンドのあり方などを鑑みれば、やや違和感のある主張であることは否めないが、新たな成長に向けた重要な提言であることは確かだ。

    原題=CREATING A LEARNING SOCIETY

    (藪下史郎監訳・岩本千晴訳、東洋経済新報社・3200円)

    日本語版への序文
    第1部 成長・開発・社会発展の新しいアプローチ:基本概念と分析
     第1章 ラーニング革命
     第2章 ラーニングの重要性について
     第3章 ラーニング・エコノミー
     第4章 ラーニングを促進する企業とラーニングを促進する環境の構築
     第5章 市場構造・厚生・ラーニング
     第6章 シュンペーター的競争の厚生経済学
     第7章 閉鎖経済におけるラーニング
     第8章 幼稚産業保護論:ラーニングを促進する環境での貿易政策
    第2部 ラーニング・ソサイエティに向けた政策
     第9章 ラーニング・ソサイエティ構築における産業貿易政策の役割
     第10章 金融政策とラーニング・ソサイエティの構築
     第11章 ラーニング・ソサイエティのためのマクロ経済政策と投資政策
     第12章 知的所有権
     第13章 社会変革とラーニング・ソサイエティの構築
     第14章 あとがき
    索引
    参考文献

  • スティグリッツは日本人にとって親和性が高い感じ。まあ読んでみると当たり前なのかもしれないが。いずれにせよ、知的興奮の多い本。

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