日本史で学ぶ経済学

著者 :
  • 東洋経済新報社
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492444474

作品紹介・あらすじ

仮想通貨と鎌倉・室町時代に流通した中国銭が似ている?
織田信長はプラットフォームビジネスの先駆者?

一見無関係に見える過去の史実と現代の経済問題が、実は密接な関係にあり、
大いに学ぶべきことがあることは、珍しいことではない。
歴史は、考えるヒントの宝庫だ。
経済学の基本や最先端の経済問題を、過去の史実から学ぶことは、ためになるだけでなく、面白い。
気鋭の経済学者が織り成す、「ビジネスのヒント」と「教養」がいっきに身につく歴史経済絵巻、ここに誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 日本史の多くの事象が、現在の経済でのブロックチェーンなどと共通点を述べているのが興味深い。

    特に、教育と経済との関係、女性教員の存在等、経済学から眺めると、面白く感じた。また、信長の楽市楽座も、移動する商人を定住させる目的であり、信長自身も座の保護をし、商人が定住後に今度は城下町を形作る政策に移行すると書かれていたのが、大変面白かった。

  • 貨幣の一般的受容性=宋銭が流通した理由。

    荘園制の成立→朝廷のリストラ→荘園内の給田、免田の設置→分業化で多様性
    荘園領主と在地領主。のちに戦国大名。

    鎌倉幕府は中国銭を当初禁止、後に追認。
    びた一文の、びたは質の悪い私鋳銭のこと。

    江戸時代は金、銀、銅を使った。江戸は金貨、大阪京都は銀貨、小口取引は銭貨=銅貨。
    金と銀の変動相場制=両替商の裁定の機会があった。
    田沼意次による南鐐二朱銀の発行の際、両替商に両替代金の聴衆を認めた。
    手形の振出による両替商の決済サービス。

    国際金本位制は兌換紙幣。
    江戸時代は兌換貨幣ではない。
    日本は国際金本位制に1897年に参加した。三国交渉で追加で得た賠償金が英ポンド金貨で支払われたため。

    国際金本位制に参加すると為替が輸送コスト以上には変動しないはず。実際には各国が物価安定の名のもと、不胎化介入をしたため物価調整のメカニズムが働かず、国際金本位制の理念は生かされなかった。

    足尾銅山の日光電気製銅所が賃金体系を固定給+インセンティブとして、模範工場となった。現・古河電工。

    律令制度の国司と郡司。国司に税徴収権を与えて事実上の統治権を認めた。
    郡司など地元の有力者が土地を貴族寺社に寄進。荘園の成立。律令制度の崩壊。

    特許法は、明治42年に使用者に帰属するものとした=使用者主義。対象0年に発明者=発明者主義。平成27年には法人帰属で従業者帰属となる選択肢も。

    財閥の誕生=甲州財閥がきっかけ。資産家の一群のこと。

    三井合名、三菱合資。戦後の系列として復活した。
    会社の残余請求者は、当初は財閥、系列では経営者。

    第一次大戦後の不況に関東大震災が追い打ちをかけた。日銀は銀行の手形を再割り引きして資金を融通=震災手形。
    2013年のキプロス共和国の金融危機では富裕層にビットコインが退避通貨に使われた。

    三井高利による現金掛け値なしの売り方=取引コストを少なくした。
    萩生徂徠=業務マニュアルで取引コストを少なくした。

    奈良平安時代=国司と郡司、
    鎌倉室町時代=中国銭の流通。
    戦国時代=楽市楽座は流通のプラットホームづくり。
    徳川時代=両替商、享保の改革。
    明治大正=特許制度、模範工場、師範学校
    昭和=金融恐慌、国際金本位制、財閥と系列。

  • 発想が面白い。
    ビットコインと和同開珎とか、
    プラットフォームと楽市楽座とか。

    ふわっと理解していた経済用語の確認にもなる。

    個人的には、享保の改革にまつわる
    「組織の取引コスト」の話が興味深かった。

  • 前半は面白かったけど、後半はつまらなかった。

    経済学という切り口でなく、日本史から社会の制度を学ぶ切り口の方がよかった気がする。
    経済学という切り口にしようとして、分かりづらい話になっている感じがした。

  • 経済学者である著者が仮想通貨やプラットフォームなどの仕組みを日本史から解説した一冊。

    仮想通貨や教育などといったことを歴史をもとに経済学の観点から解説されており、歴史から現代において活かすべき部分などを学ぶことができました。
    日和見な行動を取らないように監視することやモチベーションを上げるためにインセンティブを与えることや秩序を守るためにエンフォースメントをどのようにしていくかなどを織田信長の楽市楽座や財閥といった歴史的な出来事などから解説されていて勉強になりました。

    貨幣や企業というものの問題点や課題を歴史から学び、そこから考える材料を本書を読んで得ることができました。
    また、新しい時代を拓くための一助になると感じた一冊でした。

  • <目次>
    はじめに  経済学のレンズで歴史を学ぶと、ビジネスのヒントが見えてくる
    基礎編
     第1章  貨幣の経済学
     第2章  インセンティブの経済学
     第3章  株式会社の経済学
    応用編
     第4章  銀行危機の経済学
     第5章  取引コストの経済学
     第6章  プラットフォームの経済学
     第7章  教育の経済学

    <内容>
    タイトル通り、日本史の視点で経済学を見ていくという本。比較的わかりやすく、歴史の視点と経済学の視点が違っていること、歴史の因果関係を経済学で解けること、など面白かった。

  • 日本史を経済学的アプローチで見るとどうなるか。アプローチも組み合わせもそこそこ面白い。

  • 歴史の本なのか、経済の本なのか……いえ、ジャンルを分けることはナンセンス。過去から現代まで、お金は経済の血液であり続けてきましたし、現在の経済は、過去の積み重ねでもあります。

    歴史というと時系列に記述されるのが通常ですが、本書は、ジャンルごとに歴史を追っているので、興味のあるジャンルを読むだけでも良い構成になっています。

    貨幣として金と銀が使われていた理由が分かったり、学生時代に学んだ(というより暗記だけしてきた)史実が、経済の流れの中で必然的だったことが分かったりして、面白かったです。

    個人的には「株式会社の経済学」の章が、いままでぼんやりと疑問に思っていた点などが解決できて、学びが多かったです。

    著者の横山先生の別の本も読んでみたくなりました。

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著者プロフィール

横山 和輝(ヨコヤマ カズキ)
名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授
1971年静岡県生まれ。1994年神奈川大学経済学部卒業。1999年一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。2006年博士(経済学、一橋大学)。現在、名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授。著書に『マーケット進化論 経済が解き明かす日本の歴史』(日本評論社、2016年)。論文に“Measuring the Extent and Implications of Director Interlocking in the Pre-war Japanese Banking Industry" (with Tetsuji Okazaki and Michiru Sawada), The Journal of Economic History, 65(4):1082-1115, 2005.” 『週刊エコノミスト』や『NewsPicks』他のメディアにも精力的に寄稿。


「2018年 『日本史で学ぶ経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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