13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海

  • 東洋経済新報社
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  • 本 ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492444689

作品紹介・あらすじ

子どもも大人も知っておきたい世界のしくみ!

「地政学」がわかれば、歴史問題の本質/ニュースの裏側/国同士のかけひき…が見えてくる!

高校生・中学生の兄妹と年齢不詳の男「カイゾク」との会話を通じて、
「地政学」が楽しくわかりやすく学べる一冊


【絶賛の声、続々!】
真山仁氏(『ハゲタカ』著者)
「大人にこそ読ませたい未来を生き抜く必読書
戦争、平和、日本の行く末を知る羅針盤がここにある!」

杉山晋輔氏(前駐米大使)
「今の日本にこそ求められている一冊!
複雑な国際情勢が物語でやさしくわかる」

感想・レビュー・書評

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  • とってもわかりやすい!!!
    さすが話題になっていた本。
    そして自分の知識の無さに愕然とした。
    なんとなく知ってる、くらいのことはもちろん多かったが、遠公近政という呼び方だったり、タックスヘイブンの存在だったり、改めてしっかりと知識を整理できた気がする。
    他の関連する知識も身につけて、世界をフラットに見えるようになりたい。子どもにもその目線を伝えたいと強く思った。

  • とても良い本に巡り逢えました。
    地政学とは、国際政治を考察するにあたって、その地理的条件を重視する学問である(Wikipediaより)。
    もう、私の一番苦手なヤツーーー(一番苦手なのがいくつもありますがw)
    学生時代苦手だったものを、子ども向けに書いた本を読んで勉強し直そうと常々思っていて、13歳からの〜なんて、私にピッタリ!と手に取りました。
    子どもにも分かりやすく書かれているのだろうとは思いましたが、本書はなんと物語になっているのです。私みたいな人にはうってつけ!年齢不詳の“カイゾク“さんと、高校生の大樹、中学生の杏、の兄妹との会話から世界のことが自然に分かるような仕組みになっています。
    私にとって何よりも取っ付きやすかったのは、世界の国々をちょいちょいクラスの仲間に置き換えて考えたり説明したりしてくれるところ。それもキレイごとではなくリアルな人間関係に置き換えているところ。
    力のない者がいくら正しいことを言っていても、声の大きな人には負けてしまうとか、相手を傷つけてしまった方は謝ったからもういいだろうと思っていても、傷つけられた方はずっと覚えているとか。
    人間関係が複雑になってくる中高生には、とても分かりやすく世界のことが書かれている本だと思いました。
    最後にカイゾクさんから兄妹に、テストが出されます。私が考えた答えは兄の大樹と全然違っていて、『うわー、やっちまったー』と思ったのですが、妹の杏の方と同じでした。ちょっと安心。

  • 地図を見るのは好きですか?
    私は好きです。
    でも日頃見る地図は平面で、日本が中央に置かれているものなんですよね。
    地球儀やアプリGoogle Earthで見ると、世界のなんと広いこと!そして海が7割を占めている。
    どこに自分を置くかで、世界が全然違って見えてくるから面白い。

    本書は物語仕立てになっている。ちょっとだけミステリーも。
    会話形式の文も読みやすく、世界について学べる良書であった。
    ─ある兄妹がアンティークショップで素敵な地球儀を目にする。
    店主の“カイゾク”と呼ばれる謎めいた男性が、
    「夏休みの7日間、わしの話を聞きに来ないかい?世界がどのように動いているか一緒に考えよう。最終日にわしの出す問題に答えられたらこの地球儀を差し上げよう」と言う。
    このカイゾクって一体何者?
    果たして地球儀は手にできるのか?─

    カイゾクが教えてくれる内容は、
    ・世界中の貿易は9割以上が船で。その理由とは?
    ・核ミサイルはどこにある?最強のアイテムにする条件
    ・なぜ中国は南シナ海が欲しいのか?
    ・少数民族を多く抱えるロシアと中国
    ・なぜアフリカにはお金がないのか?
    ・朝鮮半島の不運な地形
    ・地球温暖化をポジティブに捉える国
    ・宇宙の地政学
    ……等、世界の歴史・情勢・政治・経済等を、地形や地図で考えれば納得でき、理解も深まるような気がした。
    なるほど…これが地政学なんだ。面白い!
    以前TVでジャーナリストの池上彰氏が、「地理を知ることは世界を知ることである」というようなことを言っていた。
    私にとっては初めての分野で、全てにおいて新しい発見でさらに興味が湧いた。

    地図や地球儀を片手に、一日少しずつ子どもへ読み聞かせるのにも良さそう。“カイゾク”のように。
    夏休みの自由研究にも良さそう。この本から一部を抜粋し膨らませるというのも面白そうである。
    (子どもの夏休みの宿題に悩むご家族への提案です^^;!)

    • こっとんさん
      なおなおさん、おはようございます♪
      私もこの本読みましたが、夏休みの宿題に!とは思いつきませんでした。
      中学生の子どもにすすめてみたら、なん...
      なおなおさん、おはようございます♪
      私もこの本読みましたが、夏休みの宿題に!とは思いつきませんでした。
      中学生の子どもにすすめてみたら、なんだか自分なりにまとめているようです。
      なおなおさんに感謝です(*≧∀≦*)
      2023/08/03
    • なおなおさん
      こっとんさん、こんにちは。
      お子さんがこの本を元にお勉強をしていると!?
      夏休みの課題でしょうか…これは評価されること間違いないです( • ...
      こっとんさん、こんにちは。
      お子さんがこの本を元にお勉強をしていると!?
      夏休みの課題でしょうか…これは評価されること間違いないです( • ̀Д•́ )キッハ°リ✧
      お子さん自らがこの本を読んで何かを得て、まとめようとしたことが素晴らしいと思いました。親であるこっとんさんの影響ですよჱ̒⸝⸝•̀֊•́⸝⸝)
      そこに少しだけ私も便乗させていただいて^^;
      うるさいオバサンだなと思われること覚悟でレビュー投稿したので、とても嬉しいです。コメントをありがとうございました。
      2023/08/03
    • こっとんさん
      なおなおさんのおかげです!
      『読んでみればー?』とこれ見よがしにすすめてはみたものの、それを夏休みの自由研究に繋げるとは全く思いもよらなかっ...
      なおなおさんのおかげです!
      『読んでみればー?』とこれ見よがしにすすめてはみたものの、それを夏休みの自由研究に繋げるとは全く思いもよらなかった私‥‥
      ただ丸写しになる可能性も無きにしも非ずですがw
      まぁ、宿題が一つ片付いたと思うとちょっと安心です。
      なおなおさん、ありがとーう(๑>◡<๑)
      2023/08/03
  • 学校の読書の授業でノンフィクションを読むという課題が出ました。ノンフィクションといっても一門から八門までならなんでもいいそうです。なのでたまたま物語仕立てで読みやすそうなこの本を手に取りました。
     この本はある日、アンティークショップを覗いて素敵な地球儀を発見した大樹は店主であるカイゾクに1週間カイゾクの話を聞き、最後に質問に答えられたら地球儀をあげると言われます。妹の杏と一緒にカイゾクから世界のことを聞いていくという本です。今まで地理があまり好きじゃなかったけど興味が出てきました。地理の先生カイゾクだったらいいな。

  • 評判通り、すっごく良い本でした!長い間待って図書館で借りたのですが、手元に置いておきたいと思う本でした。さっそく購入しようかな~。そして、ぜひとも子供たちにも読んでもらいたい。「13歳から・・・」とあるように、やはり小学生高学年、中学生くらいでないと難しいかもしれませんが、必ず読んでもらいたいと思いました。

    この歳になってなんですが、あらためて世界の力関係などを平易な言葉でわかりやすく教えてもらったという気がします。グローバル化だとか多様性だとかが声高に叫ばれている今日、内にとどまってばかりではなく、外にも目を向けないと、と思ってはいたものの、そのことの本質が良く分かっていなかったことに、本書を読みながら気が付きました。本書で、そのことの本当の意義、大切さを深く理解できた気がします。

    本書は、たまたまアンテークショップの古い地球儀を見た兄妹がその店主に7回の講義を受けるという物語風に進んでいきます。私は最初、たったの7回!と思いましたが、この一回一回がとてもうまい具合に、狭く広く深く浅く、と世界を知れるようにできていて、本当にわかりやすかったです。「カイゾクさん」と呼ばれているこの店主の地政学講義、私も受けたいと強く思いました。

    特に印象に残った話をひとつだけあげるとするなら、5日目の講義「絶対に豊かにならない国々」です。「なぜアフリカにお金がないのか」というところから入るのですが、漠然と「人種差別」や「植民地だった過去」などを考えていた私は、あらためて自分の考えの浅さと、それ以前に、関心を持っていなかったのではないかという、カイゾクさんがいうところの「大国病」に気づきました。アフリカの問題から話はそれますが、日本は世界的視点でみると強い国、そして数少ない「加害者の国」であり、多くの「被害者の国」からどう見られているかという話もすごく勉強になりました。言われてみれば、「なんでそんなこと考えたこともなかったんだろう」と思いましたが、それこそ、日本にずっと住んで、外国との交流が少ない私にはさもありなんというところでした。これまで過去の日本の過ちをねちねち言ってくる韓国にあまりいい気がしていませんでしたが、少し考えが変わりました。「過去の過ち」は現在進行形の問題にもなっているんですね・・・
    で、話は5日目のアフリカの話題に戻りますが、アフリカが貧しい最大の理由は国外にお金が流出していること。そして、その背景にあるのは民族や部族が多く、植民地時代に無理やり引かれた国境線ではうまくまとまらないことなどがあるそう。これを読んでいるうちに、絶望的になりかけた私ですが、ちゃんと成功例がありました。シンガポールです。多民族国家として今豊かになっているシンガポールにはきちんと先を見据えた政策があったのですね。アフリカの国々にも希望があると思いました。

    このレビューではこのアフリカの章を取り上げましたが、どの話題も興味深く、よく考えるとすべてが地球規模の問題で、つながっていることがわかります。世界はひとつなので当然とういえば当然ですが。
    そして、この本の素晴らしいところは、「地政学」という視点から世界の問題を見て、自分で考えるということ以外でも素晴らしい言葉がたくさんちりばめてあったことです。
    「知識を増やすということは、だまされないように武装するということなんだ」
    「差別の反対語は、交流だとわしは思っている。君たちが言ったように、自分が差別してきた対象と交わって、友達を作って、知らないことを減らしていくことが、地道だが最も効果的に差別をなくす方法だ。」
    「好奇心と勇気を持って、自分と違うタイプの人と交流する。それによって、自分のかたよった考え方や、知らないことを減らしていく。自分と見た目や生まれ育ちが違う人たちへの興味を持ち、敬意を持つ。そして、人が似た者同士でかたまりにくくするような仕組みを作る。こういったことを地道に続けることができれば、たくさんの国で起こっている民族問題もすこしずつかいけつしていけるだろう。」
    などなど。ストレートでわかりやすいこういった言葉は、子どもでなくとも心に刺さります。
    学ぶこと、興味と敬意を持って知らないことを知ろうとすること、自分と違うタイプの人と交流すること。
    そうすれば、いつか差別や民族問題もなくなっていくのではないかと希望を持って読了しました。

    子どものための本と思わずに、大人も読んで欲しい。めちゃくちゃおススメです。

  • 地政学とは、国際政治を考察するにあたって、その地理的条件を重視する学問のことだそうだ。
    島国・日本にいるとどうしても鈍くなってしまうけど、「世界のしくみ」を理解するためには不可欠な視点なのだと思う。

    「13歳からの」とタイトルにあるとおり、地政学の入門書。もちろん地政学の知識がない大人にもおすすめ。

  • 2023年のベスト本です。
    アンティークショップの店主が地球儀を見ながら、高校一年生と中学一年生の兄妹に、解りやすく世界情勢とそれを取り巻く地政学について話してくれます。

    一.物も情報も海を通る。
    1.世界の貿易は、9割は船で運ぶ。地球の7割は海。海を支配するアメリカが世界の仕切り役になっている。このためアメリカのドルが世界中の貿易の大半で使われている。
    2.アメリカは自国通貨ドルで外国から物を買うことができるので、豊かになっている。
    3.世界のほとんどのデータは、海底ケーブルを経由しているため、海の支配は情報をおさえることにつながる。
    4.情報はたくさん集めても、分析して使えなければ、持っていないのに等しい。
    5.経済成長の度合いは人口と技術の伸びによって決まる。

    二.日本のそばにひそむ海底核ミサイル。
    1.核兵器は、①原子力潜水艦➁海中からミサイルを発射する能力③深くて安全な海、の3つをそろえてはじめて最強のアイテムになる。
    2.中国は③である南シナ海を支配し、アメリカと対等になることを目指している。
    3.遠くの国と仲良くして近くの国の脅威に対応する「遠交近攻」は地政学の王道である。
    4.日本がアメリカと同盟を組んで、中国に対する立場を強めようとするのも遠交近攻の一環である。

    三.大きな国の事情。
    1.ロシヤ、中国のように長い陸続きの国境は管理が難しく、領土を守るにも大きな困難が伴う。
    2.中国、ロシヤなど多くの大国の侵略的な行動には、自国を守ろうとする心理が強く働いている。
    3.少数民族を多く抱える大国は、独立や反政府の動きをいつも必死に抑え込もうとしている。
    4.選挙を行う利点は、暴力や流血なしに政権を変えられることにある。
    5.戦争に勝ったカリスマでなければ、選挙なしにリーダーであり続けるのは難しい。

    四.国はどう生き延び、消えていくか。
    1.小国は遠交近攻で近くの大国に圧倒されないように、必死にバランスをとっている。
    2.伝統ある王家には、国民を一つにまとめて協力し合えるようにする力がある。
    3.多くの国では、王様と政治家は、多忙な国の代表としての仕事をワークシェアしている。
    4.通常、国が分裂すると一般市民の生活は苦しくなる。

    五.絶対に豊かにならない国々。
    1.アフリカが貧しい最大の原因は、お金が欧米などに大量に流れているためである。
    2.アフリカの政治家が国民のお金を着服するのは、国境となった境界線が無理やり引かれたことも背景にある。
    3.民族や部族の争いが多い国では、選挙は行っても国内は安定せず、発展しにくい。
    4.多民族国家でもシンガポールのように、同じ国民としての意識を高めて豊かになった例もある。

    六.地形で決まる運不運。
    1.アメリカが超大国になったのは、地理的条件に恵まれていたことが大きい。
    2.大国は他の国に目を向きにくいく、無知からテロや戦争を引き起こしてしまうことがある。
    3.朝鮮半島のように大国に囲まれた土地は、争いに巻き込まれやすく、独立を保つのが難しい。
    4.日本が敗戦を天災のようにとらえたのは、復興のための知恵だったが、マイナスの面もあった。
    5.黒人差別などの社会問題が残る限り、関連するネガティブな歴史は蒸し返される。

    七.宇宙からみた地球儀。
    1.内向きな中国は外国との付き合いに慣れていないため、世界中でトラブルを起こしている。
    2.無料で得られるネット上の情報には嘘が多く、信頼性を確認するのは難しい。
    3.地球温暖化を天然資源の開発を助けるとしてポジティブにとらえる国もある。
    4.歴史上、強い大国は自らが中心であるという世界観を他国に受け入れさせてきた。

    【読後】
    知らないことや、あやふやであったことが、知ることができてよかったです。「日本が敗戦を天災のようにとらえたのは、復興のための知恵だった」というのは、え~~~そうなのと、驚いています。この本には、敗戦について触れていますが、現在もアメリカに占領されている現実を書いていませんし。中国についての記述が多いですが、台湾という記述がないです。私が感じている中国に対するより、好意的に書いてます。

    そして、核兵器の項目では、核ミサイルの所在を隠す、ひとめに付かない深海から発射する、そのために深くて安全な海が必要となる。ロシアは、オホーツク海。中国は、黄海が浅いために、深い南シナ海を必要としている。

    なお、アメリカと中国が仲が悪いと、日本の存在感があるが。仲が良いと、中国に沖縄を奪われてもアメリカはなにもしないと感じた。国際法は、大国の都合で決まるので、法は有っても罰則はない。いい例がウクライナである。ロシアがクリミア半島を占領しても、アメリカはロシヤに毅然とした態度を示さなかった。中国が、南シナ海、台湾。そして、尖閣諸島だけでなく沖縄を狙っていると感じます。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    13歳からの地政学 カイゾクとの地球儀航海《単行本》
    2022.03発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2023.02.18~19読了。★★★★★
    図書館から借りてくる2023.02.12
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 「地政学」って何?
    私が大学生だった遥か昔にはそういう専攻を聞いたことがなかった。いや、知らなかっただけかも。

    地政学とは「国家の政策や特性を地理的要素から研究する学問」だそうだ。特に地理的な位置関係が国家間の緊張や対立を招く「地政学リスク」は紛争の分析に利用されている、とのこと。

    うーむ難しそう。。。
    でも大丈夫!この本は中高生向けに書かれているので「地政学」の入門としてわかりやすい。
    中国が南シナ海の覇権拡大にこだわる理由、アフリカの貧困が長く続く実情など、知ることができた。

    ただ、この本が出版されて1年数ヶ月が経っており、世界情勢はその間にもだいぶ変化していること(ロシアのウクライナ侵攻など)、中国に関してはかなり偏った著者の見方が気になった点など、読む側も色々な角度からの視点を持ち続ける必要があるな、と感じました。

  • 今までなんとなく知っていたことを、この歳になってこんなに深く分かりやすく教えてもらえて有り難い、と思える作品だった。
    地政学という言葉すらも初めて知った。文字通り、地理学+政治学の内容で、地球儀でそれぞれの国の場所を確認しながら、国同士の関係性や問題点などを考えていくことが面白かった。

    高校一年生の大樹と中学一年生の杏、二人の兄妹の夏休み7日間のレッスンはとても貴重なもので、若い頃にこのような機会に恵まれたことは本当に羨ましい。
    二人の師匠ともいうべきアンティークショップの店主・通称"カイゾク"から、最後に出された問題と、それに対する二人それぞれの回答には唸るばかり。

    「知識で武装する」
    「今の当たり前は未来の当たり前ではない」
    「差別の反対語は、交流」
    「先のことはわかっているよりも、わかっていないほうが面白いこともある」
    「タダで得られる情報の多くには、落ちている食べ物を拾って食べた時と同じようなリスクがある」
    印象に残る文章もたくさん。

    「日本は大国だ。強者の側だ。外国とのことで疑問に思うことがあれば、一度立ち止まって別の立場に立ってものを考えることを、忘れないでほしい」
    作者から若者へのメッセージが強く印象に残った。

  • 地政学という馴染みのない分野だったが、
    大人が読んでもとても勉強になった。
    地球のこと、国同士の歴史のこと、
    地形から見る力関係、
    国と国の取引や情報操作などなど。

    地球上で人類が生きていく上で知っておきたいことが、とても分かり易く、各章毎に説明されている。

    学校の授業でこんな学びが受けられれば素晴らしい。
    ただ、実際は日本も大国病の側面もあるから難しいだろう。歴史の授業を振り返っても、自ずと納得してしまう。

    けれど、小学生くらいからこういった本を読んで、知識を広げることが出来れば、物事を多角的に考える力がより一層深まり、世界のことに目を広げられる人間になっていけるだろう。勿論、大人になっても新しい知識を取り入れることで、幾らでも考え方を改めることが出来るのだと、再発見させてもらえた。

    平易で誰にでも伝わり易い文体に、ストーリー性をつけているので飽きずに楽しめる一冊だった。


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著者プロフィール

田中 孝幸(タナカ タカユキ)
国際政治記者
国際政治記者。大学時代にボスニア内戦を現地で研究。新聞記者として政治部、経済部、国際部、モスクワ特派員など20年以上のキャリアを積み、世界40カ国以上で政治経済から文化に至るまで取材した。大のネコ好きで、コロナ禍の最中に生まれた長女との公園通いが日課。40代で泳げるようになった。


「2022年 『13歳からの地政学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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