築地本願寺の経営学: ビジネスマン僧侶にまなぶ常識を超えるマーケティング

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492503225

作品紹介・あらすじ

400年の伝統ある築地本願寺でも
今、変わらなければ潰れます。

「カンブリア宮殿」で注目!
・コロナ禍でもオンライン法要で集客力向上
・予約殺到の30万円からの「合同墓」
・インスタ映えで大行列のカフェ

築地本願寺の「顧客創造」の3つのステップ
ステップ1 「開かれた寺」になり一般の人たちと「ご縁」をつくる
ステップ2 「人生のコンシェルジュ」になって「ご縁」をつなげる
ステップ2 「ご縁」がつながった人たちに門信徒になっていただく


「なぜ、そんなことをする必要があるのか?」

私の提案に、居並ぶ僧侶たちは
半ば唖然としていたに違いありません。

どんな企業も、時代の変化とともに変わらなければ生き残れません。
それは寺院にしても同じことです。
変わりゆく時代の中で仏教の教えという変わらない価値を伝えるには、
その方法や手段も時代に合わせて変化する必要があり、
さらには自らが変化することを恐れてはなりません。


元銀行マン僧侶が挑むビジネスモデル変革とリブランディングから
マネジメントの基本と「常識を超えるマーケティング」が学べる1冊です。

【主要目次】
 第1章 新たな時代に変わらない価値をつくる――築地本願寺のサバイバル戦略
 第2章 開かれたお寺の「顧客創造」――築地本願寺のリブランディング
 第3章 お寺は「人生のコンシェルジュ」――顧客とつながるマーケティング
 第4章 目標を共有できる仕組みをつくる――人材マネジメントとリーダーシップ
 第5章 なぜ働くのか、なぜ生きるのか――ビジネスマン僧侶のキャリアのつくり方、考え方
 終 章 なぜ「新たな時代」に仏教が必要なのか――死を恐れず、「一日一生」を生きる

感想・レビュー・書評

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  • 宗教法人も変化が必要か?
    →必要である。

    どんな組織においても時代に応じた変化は必要。立ち返るべき拠り所を定め、変えるべきところと変えるべきでないところを明確にし、周りを巻き込んで進める。他人の力も借りる。批判されても、決めたらブレずにやり切る。キャリアはご縁を引き寄せながら創るもの。だから私は感謝を忘れないようにしたい。

  • お寺は少子高齢化で、人との距離が離れ、より赤字の幅は大きくなる。営利を目的としないとはいえ拱手傍観ではすたれるばかり。そこへ銀行員や人事コンサルだった人が、社外役員を経て寺の経営に。組織を維持し、持続させるために考えるべきことを一つ一つ(提案だけでなく)実行していった軌跡であり、組織の運営や経営に主体的に関わる人にとっての、素晴らしい手引書である。

  • 銀行員、ヘッドハンター、僧侶、と一風変わったキャリアを歩んできた著者が、築地本願寺の改革に取り組む様子を著した異色のビジネス書。境内の中にあるカフェを訪問して、その変貌ぶりに興味を抱き手に取ってみた。
    旧態依然とした文化や価値観の中で、一歩ずつ改革を進める様子を臨場感たっぷりに描いていたが、最も興味深かったのは、死生観・生き方について述べた終章だった。

    印象に残ったのは以下の箇所。
    ◆生きる不安を消し去るためには、「生と死は表裏一体だ」という冷厳な事実を認めることです。そして生かされている今日を、しっかりと生きることです。(中略)私たちにわかっていて、私たちが影響を与えられるのは、「今日」だけ、「今」だけです。(P.212-213)

    ◆唯一確かなのは、今ここにある現実です。だからこそ、今ここにある現実の中で、自分はどう生きるかを考える。自分の今の役割を知り、どのようにその役割を果たせばいいのかを考える。役割を果たすために行動することに、最大限の力を注ぐ…。(P.213)

  • 400年の歴史を持つ築地本願寺が経営破綻するなんてこと無いだろう。とみな思うだろうが、会計処理が大福帳管理なら実態はわからない。

    プロダクトアウトではなく、マーケットインで望まれるものを望まれるタイミングで提供するためには顧客DBが必要。

    でもそもそもデータベース化されていない事に驚き。もちろん紙ベースのものはあったようですが。

    新たな取り組み、それも寺院らしくない、金儲けするのか?と揶揄されるのではと僧侶の方々も不安に思われるような事も、きちんと対話し理解を得て着々と進められている。

    更には若手僧侶の育成に向けてMBO。
    各地のお寺の後継ぎさんが学ぶために築地本願寺で働いているケースも多いとの事。いつかは戻るのだからという事でのんびりした意識の方も多いとか。
    築地本願寺だけではなく、自身の寺に戻ってからも同じような考えを持ち、人々に寄り添う寺が増えていくことにも繋がると思われます。

    新型コロナ感染症の拡大抑制の目処が立たない不安が広まる世の中において、精神的な支えを求める方々に寄り添い、縁をつなぐというお考えは素敵です。且つそれを永続的なものとする為にきちんと収支を合わせるべく取り組む事も考えられている。

    宗教法人と一般法人とのルールの違いがあるので不公平感を感じる部分も出てくるかも。そういった事についてもお互いの利権を主張し合うのではなく、最適な解を見つけるべく、対話していくしかないでしょう。

  • 築地本願寺に行って、謎にすごかったから購入。
    浄土真宗という伝統的なものについて、何を本質として捉え、どこを現代的に変えていくのか、その点は非常に面白い。
    後半は組織改革、チェンマネのことを平易に述べており、そっち側に興味がある時にサラッと読んでみるのもあり。

  • まあ 正攻法だよね 一日一生

  • お寺を宗教観まるごとリブランディング中なお話。
    寺が身近になる世界は今後求められているだろうから需要はある。
    単純に変わった建物を見にいったり宿泊したりしてみたい。

  • 18品目、1800円の朝食は前から気になっています!

  • お寺と経営という結び付けようもないタイトルに魅かれまsした。もとビジネスパーソンで、金融やコンサルをバリバリされていた人が、あるきっかけで浄土真宗と関わり結局僧侶になってしまい、僧侶になったらなったで、旧態依然というかイノベーションと最も遠い業界であるお寺の”経営改革”の体験記です。
    お寺がビジネスをするなんてけしからん!という反対もいまだにあるそうですが、そりゃそうでしょう。しかし、赤字垂れ流しで、いざとなったら寄付やらお布施やらで凌げばよいということを良しとせず、寺にしかできないサービスで、ご縁をつないでいく、という発想が常人ではないですね。改革手法は月並みで、それほど感銘を受けるところはないですが、同じ組織の中にこそ反対者がいるなかで、改革を進めていこうとしている点は、素直に拍手です。
    経営学という意味では物足りないが、おかれている環境を想像すると素直にすごいなと感心する本かと思います。

    もっともそうだな思ったのが以下の文。

    「再生のための改革者」に期待される一番の仕事は「今のままでいい」「今までのやり方いい」という内部の反対を押し切って、説得して何がなんでも改革をやり抜くことです。
    外部のいろいろな人達を説得して協力を取り付けることです。結果を出すためには、お客さんがついてこないと意味がありませんが、それ以前に組織を変えなければなりません。

  • まだ敷居は高く感じるが、
    なかてまは、さまざまな改革が行われている
    ようだ。

    お寺の世界に、ビジネスの理屈を持ち込んで
    改革を進める元銀行マン兼僧侶の方の本。

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著者プロフィール

安永雄彦(やすなが ゆうひこ)
京都 本願寺(西本願寺)執行長。
法名は雄玄(ゆうげん)。慶應義塾大学経済学部卒業、ケンブリッジ大学大学院博士課程修了(経営学専攻)。三和銀行(現三菱UFJ 銀行)、ラッセル・レイノルズ社、島本パートナーズの社長、会長を歴任。2015 年より築地本願寺宗務長に就任し、2022 年より現職。「開かれたお寺」を目指し、築地本願寺の経営管理全般を統括。就任後、5年で築地本願寺の来訪者を倍増させた実績を持つ。著書に『日本型プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)、『築地本願寺の経営学』(東洋経済新報社)などがある。

「2023年 『歎異抄 なぞり書き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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