大前研一「新・資本論」―見えない経済大陸へ挑む

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492521229

作品紹介・あらすじ

英国エコノミスト誌で5人の「現代社会のグル」に選ばれた著者が描く"21世紀の新しい経済社会"。新時代に求められる「勝者の戦略」とは何か。

感想・レビュー・書評

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  • 20年前と今の本質はあんま変わってないんだね。。

  • 大前研一さんを知った1冊目。

  • サイバー経済・ボーダレス経済・マルチプル経済が必須な新大陸、アービトラージを目的としたプラットフォーム、レーガン・サッチャー・シュレーダーのケインズ否定による失業者の活用、、など20年前の著書ではあるが現代社会が直面する問題の示唆がいっっぱい。

  • 何年かに一度、世界の仕組みを理解させてくれる本に出合うことがある。
    本書もそのような一冊。

    本書が描かれたのは2000年であるが、すでにその当時、ICT革命がもたらした現在の金融と経済社会状況を見通していたわけである。
    大前研一が凡百の評論家ではなく、きわめて優れた社会経済の観察者・分析家であることを示した一冊。

  • 2001年の本なんだよなあ。

    ファクトベースで考えること、例えば世界中で雇用を増やしているところと減らしているところの政策や要因の違いを観察、記述することで本質的なことがわかってくる。

    プラットフォームが、既存の経済的観念を壊し、新しい大陸をもたらす。その通貨はドルかもしれないし、別のものかもしれない。そして、そのプラットフォームを決定するのは、消費者(顧客)である。

    今の利権を守るために自由経済にしないのは馬鹿らしいと思いつつ、それで生かせてもらっている部分も多分にあるんだろうなと感じる。

    とはいっても、自分が今後生きていくためには、人がお金を余分に払ってもいいと思ってもらえるように、しなくてはいけない。それが稼げる力なのだと感じる。

  • 筆者曰く、「見えない大陸が出現した」。この大陸とは、「我々が実感できる実経済」、「グローバル化した経済」、「サイバー経済」、「マルチプル経済(デリバティブに代表されるような金融工学が作り出した経済で、この世界では、1円の自己資本で1000円くらい動かせる)」の4つの経済が作り上げた世界である。この大陸にいつ上陸できるか、どうやったら上陸できるか、上陸したらどうなるかについて、言及(アマゾン、マイクロソフト、オラクル、グーグル等は、すでにこの大陸に上陸し、きわめて巨大な企業(市場価値が半端でなく高い)となった)。内容は面白いが、かなりヘビー級の本で疲れる。

  • 特にプラットフォームに興味があり読みました。

    ■誰もが使えるプラットフォームで、顧客に新たな価値を提供することが、ネットをベースとした経済世界での成功ポイント。

    ■キラーコンテンツがあれば自らプラットフォームを作ればよいし、そうでない場合はすでにあるプラットフォームにいかによじ登るれるかが、生き残りの分かれ目

    ■プラットフォーム確立の戦いに参加した時点で1つの共通点を持っている。それは自分たちの事業をそれまでの業界の常識から離れて再定義し、顧客に新たな能力を提供していることである。このことによって、こうしたプラットフォームは旧世界の競合企業に打ち勝ち、裏をかくことができるのである。

    ■もしプラットフォームを開発しようと思うのなら、たとえ自社のビジネスプロセス全体を再定義しなければならないとしても、顧客にこれまでは不可能だったことを可能とする仕組みが何かなくてはならないといったことに挑戦しなくてはならない。

    中田

  • 21世紀の経済活動の場として、20世紀以前に主流であった「実態経済」に加えて「サイバー経済」、「ボーダレス経済」、「マルチプル経済」が大きなウェイトを占める様になり、その3つの領域で価値を創造出来ない組織や個人は世の中の経済活動の潮流から取り残されていくと説いた本です。2001年に出版されたとは思えない程、今日の世相を言い当てており、改めて著者の慧眼に驚かされます。少し説明が冗長であり、かつ今では当たり前だと思えることも一部記載してますが、2016年現在の、そしてこれからの経済を理解する上で非常に有益な視点を提供してくれる(気がする)本です。

  • 日本の国際競争力とは何かを考える上で、大前 研一さんの世界視野で語られる主張はとても参考になります。

    日本が国際競争力をもつために実施するべきこととして、大前さんのオーガナイズ・スモール思想が前提になっています。
    ・道州連邦制
    日本の一つ一つの道州を1国家とみなす。その国家はクオリティ国家であるべき↓
    ・クオリティ国家
    経済規模は小さく、人口が300万人〜1000万人、1人当たりGDPが400万円以上で、世界の繁栄を取り込むのが非常にうまい

    ▼これから求められる人材
    ゴジラ企業をつくれる人=エコシステムをデザインできる人、プラットフォームをつくれる人

    ※ゴジラ企業の条件
    見えない大陸のもつ特徴を活用できる能力が備わっていることを証明すること。すでに発見されている新大陸の特徴を活用するのは最低限のことであり、自分たちが独占的収穫を上げられる領地を確保し、同時にそれを拡張できる能力を併せもっていると証明できる。

    今の時代は、プレイヤーが誰なのかを把握する力よりも、どういった力が、さまざまなプレイヤーを前進さえたり後退させたりするのかを理解することのほうが重要。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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