戦略サファリ: 戦略マネジメント・ガイドブック (BEST SOLUTION)
- 東洋経済新報社 (1999年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492530641
作品紹介・あらすじ
本書は、戦略マネジメントを10のスクール(学派)に分類し、戦略マネジメント全体を過去から現在にいたるまで体系的に捉え、かつ現代に通じるメッセージを、さまざまなスクールの中で主張している。
感想・レビュー・書評
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最初に、「群盲象を評す」がでてきます。
これは、数名の盲者が、象をなでるのですが、個々にいっていることは間違っていないのに、全体としては間違っているというもので、本書のいいたいことはそこにあります。個別の戦略を俯瞰した全体戦略、20世紀の集大成した戦略を立案するのが結論です。
1 サファリ・ツアーのねらいと構成
2 デザイン・スクール
3 プラニング・スクール
4 ポジショニング・スクール
5 アントレプレナー・スクール
6 コグニティブ・スクール
7 ラーニング・スクール
8 パワー・スクール
9 カルチャースクール
10 エンバイロメント・スクール
11 コンフィグレーション・スクール
12 新たなるパースペクティブ
要は、10人の学派(=盲者)が唱える戦略を、総合して新しい戦略を俯瞰(パースペクティブ)しようという内容です。それぞれの盲者を動物に見立てて、サファリといっています。総合するものが象だからでしょうか。ちょっとした遊び心?
12章の総合については、ちょっと物足りなかった感がありました。8つの問題を提起しているが、この章で総合される戦略も、象ではなく、真の象は読者の心の目の中に存在すると突き放す。
「パースペクティブ」も、俯瞰、全体像、大局観、等の意ですが、日本語になくちょっとしっくりこなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
経営戦略といっても様々な学派がありますが、本書はそれらを以下の10スクールに分類し、解説した書籍となります。
・デザイン・スクール:コンセプト構想プロセスとしての戦略形成
・プランニング・スクール:形式的策定プロセスとしての戦略形成
・ポジショニング・スクール:分析プロセスとしての戦略形成
・アントレプレナー・スクール:ビジョン創造プロセスとしての戦略形成
・コグニティブ・スクール:認知プロセスとしての戦略形成
・ラーニング・スクール:創発的学習プロセスとしての戦略形成
・パワー・スクール:交渉プロセスとしての戦略形成
・カルチャー・スクール:集合的プロセスとしての戦略形成
・エンバイロメント・スクール:環境への反応プロセスとしての戦略形成
・コンフィギュレーション・スクール:変革プロセスとしての戦略形成 -
翻訳へただし、そもそも内容が難解だし、面白く無い。通読放棄した
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戦略の立て方、進め方を10種類の学派に分けて解説。難解且つ非実践的でヘビー級な本。ただし、SWOT分析などで我田引水的な屁理屈を振り回す企画系の官僚どもに対抗するためのロジックは満載なので、処世術としては読む必要あるかも。
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二〇〇九年度版。古本で購入。
しまった・・二〇一二年度に改訂されていたか。
まぁ、いいか。 -
戦略的思考とは「前を見る・後ろを見る・上から見る・下を見る・横を見る・見越す・全体を通して見る」こと。戦略的思考によって、他の人が見過ごすような貴重な宝石を探し出す。
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既存の経営戦略論の網羅性という意味において、本書に匹敵するものはないだろう。ポーター、バーニー、コッター、プラハラッド、野中郁次郎など、様々な学者による戦略論を10の学派にカテゴライズし、その概要と批評をまとめている。戦略論の全体像を鳥瞰し、これまで自分が学んだり携わったりしてきた戦略の考え方の相対的な位置関係が掴める点で非常に意義深い。
もちろん、膨大な文献を参照しているので、「広く薄く」にならざるを得ないし、カテゴライズの仕方や批評にはミンツバーグ自身のバイアスがかかっていることも間違いない。
ただ、著者の目的は、多くの戦略論の長所と短所を掴んだ上で、偏ることなく最適な戦略を選べるようにすることであり、本書の白眉はその長所と短所を議論するにあたって、戦略論に常につきまとうジレンマ(例えばトップダウンvsボトムアップ、主観論vs客観論、計画vs創発など)を論点として提示した点にある。
「型」を学んで「実践」に活かすというプロセスから考えると、本書は「型」に関する究極の目次、といえるかもしれない。 -
[ 内容 ]
本書は、戦略マネジメントを10のスクール(学派)に分類し、戦略マネジメント全体を過去から現在にいたるまで体系的に捉え、かつ現代に通じるメッセージを、さまざまなスクールの中で主張している。
[ 目次 ]
1 サファリ・ツアーのねらいと構成
2 デザイン・スクール―コンセプト構想プロセスとしての戦略形成
3 プランニング・スクール―形式的策定プロセスとしての戦略形成
4 ポジショニング・スクール―分析プロセスとしての戦略形成
5 アントレプレナー・スクール―ビジョン創造プロセスとしての戦略形成
6 コグニティブ・スクール―認知プロセスとしての戦略形成
7 ラーニング・スクール―創発的学習プロセスとしての戦略形成
8 パワー・スクール―交渉プロセスとしての戦略形成
9 カルチャー・スクール―集合的プロセスとしての戦略形成
10 エンバイロメント・スクール―環境への反応プロセスとしての戦略形成
11 コンフィギュレーション・スクール―変革プロセスとしての戦略形成
12 新たなるパースペクティブ
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
ミンツバーグが中心になって経営戦略論を10のグループにまとめ書かれた本。
比喩が多い(恐らく書かれている7割以上が本論から外れている)ので、読んでいて非常に難解。お薦めはしない。
あくまでも大学・大学院で研究に利用する、学問としての戦略論研究のための本。 -
「戦略は優れた実践を導く。そして、実践から優れた戦略が形成される。」
経営における戦略マネジメントで、実践に基づく創発的戦略と組織学習を強調する。そして、戦略マネジメントに対する見解を10の獣と見たてそれらをそれぞれ別のものと見つつ、一つの獣として統合することの重要性を説いている。
世界最高の経営思想家と名高いヘンリー・ミンツバーグ著。