現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492531716

作品紹介・あらすじ

トヨタ、花王、アスクル、ドン・キホーテ、「強い企業」は皆「強い現場」を持つ企業だった!早稲田大学ビジネススクールの人気講座「現場学」の授業内容をもとに体系化。

感想・レビュー・書評

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    ○強い企業の条件
    ・企業活動の実態に目を向けること。強い企業は、競争戦略、オペレーション、リーダーシップの三要素の品質を高める努力を続けている企業。
    ・競争戦略は身の丈にあったものであるべき
    ・正しい戦略を正しくやりきることが、経営
    ○現場力とは何か
    ・戦略を軌道修正しながら遂行する組織能力で、現場で起きる問題を能動的に発見し、解決する。=現場力
    ・すべての業種、すべての機能に現場力は存在する。その優劣が競争力を左右する
    ・組織機能として現場力を磨かなければならない。
    ・現場力は、品質、コスト、スピード、持続性の四つの物差しで測れる。
    ○エクセレンス
    ・現場力が競争上の優位性にまで高められていることをオペレーショナル・エクセレンスと呼び、持続力の長い優位性を企業にもたらす。
    ・?業務効率性の実現によるコスト優位性?現場主導による顧客価値創造、これら二つで卓越した現場力を手に入れろ
    ○現場
    ・経営には現場を鍛える責任がある。経営と現場が一体となり、組織学習を繰り返すことで強い現場が作られる。
    ○競争戦略と現場力
    ・戦略と実行は一体で考えないといけない
    ・頭でっかちに戦略ありきではいけない。答えは現場。

    ○強い現場の条件
    ・手法やツールだけに頼ってはいけない。企業哲学のレベルまで現場力を昇華させないといけない。
    ・タコツボ化した組織は、意識的にツボを割る努力が必要。異質のぶつかり合い、健全な対立こそが、現場力を高める起爆剤。
    ・現場の意思、責任感が現場力の推進力。失敗する権利を委譲しよう。
    ・PDCAサイクルを回し続ける。5回のWhyで、問題の源流までさかのぼり、真因を特定すること。
    ・プロセス、問題点、結果、知恵の四つが見えることで、現場の進化が生まれる
    ・ぶら下がる人間をなくし、主体性を持たせるには、小さなチームを数多く作ってたくさんの神輿を担がせるのが最も有効。小さなチームに責任と自由度を与える。主体性と責任感を持ったチームを作る
    ・経営の意思で継続し続けること

    ○強い現場をどうつくるか
    ・未来に標準を合わせ、現状を前向きに否定する。
    ・個の仕事、チームの仕事、部門をまたがる仕事の順で否定していく。
     (廃止?内容の変更?やり方の変更?)
    ・インフォーマルなコミュニケーションを重視せよ。組織の枠を超えた交流により、業務連鎖に血が通う。
    ・改善とは自主的に業務の在り方を考え、課題を発見し、解決を導き出す活動。
     自分の業務、前後の工程を視野に入れた業務、組織・会社全体への効果を上げる業務
    ・改革は5~10年単位で行うビジネスの仕組みの構造的変革
     改善と改革は共存
    ・20%の人間に改善魂を植え付ける。現場力という組織能力が生まれる


    明日から、自分の仕事に直結して、自らの課題解決に生かすべく、何度か読み返す。"

  • 遠藤功 現場力を鍛える を読みました。

    「強い現場」の7つの条件として
    (1)企業哲学としての「現場力」
    (2)脱・事なかれ主義
    (3)主権在現
    (4)自律的サイクルを埋め込む
    (5)見える仕組み
    (6)オルガナイズ・スモール
    (7)継続する力
    をあげています。

    そして、経営者の役割として、
    (1)信頼する、任せる
    (2)監督する、鍛える
    (3)手本を見せる
    をあげています。

    一通り読んでみると、弊社の階層別研修でのメッセージと大きく変わらないと思いました。つまりのところ、弊社では、このような現場力を強く求めているということでしょう。

    また、この本の中では、オペレーショナル・エクセレンスの追求として、競走上の優位性としての現場力をあげています。これは、昨年読んだ「ストーリーとしての競争戦略」のOC(組織能力)につながることかと思います。OCを持続的な競争優位の源泉とするOC戦略のことかなっと。またビジョナリカンパニー2ででてくる「弾み車」をまわし続けることも同様かと思います。
    現場力を鍛えることは、つまりのところ、このような他社にはまねしにくい競争的優位を作り上げることにつながると思います。そういった意味では、本書は、この競争的優位、永続的発展企業への条件を作り上げるための手段が記載されていることになります。
    しかし、それを実際に実行し、作り上げるのは難しいのですよね。

    まずは、現地、現物、現実から始めますか

  • 会社の工場長に進められて読んだ本です。労働災害が多くなってきた時に現場力が落ちてきていると、工場長から伝えられ、現場力ってなんだ?から興味を持ちました。現場力とは組織の中にある主体性をもった問題解決能力と理解しました。内容が経営者は勿論ですが現場作業者にも勉強になることが多く、現場作業員に希望が持てるモノでした。

  • 日系大企業の方には刺さりそう。
    遠藤さんの本は泥臭さが溢れていて、いいね。

    一方で現場力でトレードオフを超越、ということも書かれており、ここはポーターの競争戦略理論と相反する点と感じた。そこもある意味日本的ではある。(ポーターはトレードオフを容認する立場と理解)

    【メモ】
    ・経営品質の3要素
    ①競争戦略の品質
    ②オペレーションの品質
    ③リーダーシップの品質

    ・企業のオペレーションには、戦略を軌道修正しながら遂行する「組織能力」が内包されている。現場で起きる様々な問題点を能動的に発見し、解決する。その力こそが「現場力」である。

    ・現場力を測る4つのものさし
    ①品質
    ②スピード
    ③コスト
    ④持続性

    ・現場が主体性を取り戻すトリガーとなるのは、5%の各人材である。愚直さ、粘り強さを重視して、登用、育成せよ。

    ・強い現場をつくる7つの条件
    ①企業哲学としての「現場力」
    ②脱・事なかれ主義
    ③主権在現
    ④自律的サイクル
    ⑤見える仕組み
    ⑥オルガナイズ・スモール
    ⑦継続する力

    【7つ道具】
    業務連鎖


    組織
    業績評価
    情報技術
    基本哲学

    ・経営者の役割
    ①信頼する、任せる
    ②監督する、鍛える
    ③手本を見せる

  • よくまとめられていると思う。
    「現場力」ってよく聞くけど、著者が言っているとおり、ほとんどが経営者、首長が現場に顔出している程度で本質とは違う。どこかの総理や大臣のようにセレモニーになっているとすれば、その時点で考え直さなければならない。現場感のある指摘をどんどん出せるようでなければ意味がない。

    ・戦略とは初戦仮説に過ぎず、実行、検証、軌道修正することが大事。
    ・自主性が大事で、細かいことまであれこれ指図する人間は必要ないです。制約になるのはその人、本人の能力だけ。

  • 見える化を読んだ流れでこの本もポチって読んでみた。安定の分かりやすさ、ワンセットで読むといいと思うが見える化の方がオススメ
    あと、トヨタばかり褒めすぎて回し者か?って感は否めず…実際、そういうところに強みのある会社なのだろうけども

  • 基本的な内容だからこそ継続が難しいのかもしれない。適切な権限移譲と距離感を維持した力強い企業には高い現場力を維持し続けることができているのだと感じました。

  • タイトルは現場向きのビジネス書のように感じられるが、現場の目線から経営を捉えようとする経営本という印象。現場力を鍛えるために現場で何をするべきかという点では、参考になることは少なかった。

  • #2516-278

  • 2000年初頭に現場力という言葉を流行らせた本。良いことは書いてあるけど、現場力の定義が曖昧なので、「どこもかしこも現場」ということで、何が大事なのかぼやけてしまっているのが残念。

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著者プロフィール

遠藤 功(エンドウ イサオ)
株式会社シナ・コーポレーション代表取締役
早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て、現職。2006年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。2020年6月末にローランド・ベルガー会長を退任。同年7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動している。多くの企業で社外取締役、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。
株式会社良品計画社外取締役。SOMPOホールディングス株式会社社外取締役。株式会社ネクステージ社外取締役。株式会社ドリーム・アーツ社外取締役。株式会社マザーハウス社外取締役。
15万部を超えるロングセラーである『現場力を鍛える』『見える化』(いずれも東洋経済新報社)をはじめ、『現場論』『生きている会社 死んでいる会社』(いずれも東洋経済新報社)『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)『ガリガリ君の秘密』(日経ビジネス人文庫)など、ベストセラー書籍多数。

「2022年 『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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