ねばちっこい経営 粘り強い「人と組織」をつくる技術

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492532249

作品紹介・あらすじ

『現場力を鍛える』『見える化』に続く3部作完結編。続ける力、粘る力こそ最も重要な企業の独自能力だ。

感想・レビュー・書評

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  • 3

  • 凡事徹底。
    当たり前のことを当たり前にし続けることこそが会社の強みである。

    元BCGであり、現場力、見える化などを提唱された遠藤氏の3部作完結編。

    他のBCGの著者とは違う精神論な内容ですがそれを
    組織にどうやって浸透されるかを体系的にまとめてはるし、
    浸透→繁栄の企業の事例を多く紹介しているので
    さすが遠藤先生の著書であり、名著かと思います。

    経営は、常と変のバランス。変化対応する一方で
    変えてはいけないことを明確にして、徹底する事で成り立つ。
    常なくして、変はなし。

    ■シャープから学ぶ
    誠意は人の道なり、全ての仕事にまごころを
    和は力なり、共に信じて結束を
    礼儀は美なり、互いに感謝と尊敬を
    創意は進歩なり、常に工夫と改善を
    勇気は生き甲斐の源なり、進んで取り組め困難に

    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1626078079&owner_id=57016

    --以下、ネタバレ--
    人が変わっても、世代をまたがっても何とかモノにしよう
    とする執着心とこだわり。それが花王やトヨタにはあり、
    そのような執着心、粘着力からもたらされる時間軸のが
    他の企業との歴然とした差。

    事業の選択と集中を徹底し、自社のコアコンピタンスを
    見極め、それらを磨く為にリソースを集中投下する。
    捨てる、見切るものを明確にし、フォーカスを徹底しなければ
    独自の価値、優位性の構築は不可能。
    上記は、先進企業なら当たり前のこと。
    これに加え、筆者は、実行力が重要であり。
    その力に必要なのが、継続力、粘る力であると提唱

    継続力、粘る力がOSであり、企業経営を支える根源的な独自能力。
    その上にコアコンピタンスがあり
    それらを土台として、業績が出来上がる。

    ・仮説検証型経営、毎週創業の理念を持つセブンイレブンは、
    毎週のサイクルで実践する。ユーザが変化する限り、マンネリなどない。
    ★★小さな改善も10年続ければ、イノベーションとなる。

    ・ちょっとやってみて、無理なら、他を当たる
    →経営資源の集中投下が不可能となり、退路を断つコミットメントも出来ない。
    ・粘りが無いのは、あくまで自責。

    ★トヨタ=トヨタバリュー
    トヨタの価値は、相反することでも、同時に高次元で調和させ克服する。
    →二律背反を克服する事がトヨタの本質的な価値。
    →この価値を達成するという高い目標が粘度を生んでいる。

    ■企業の価値
    ・顧客から見て、選択肢が多数存在する想定価値
    ・他に選択肢がない絶対価値
    →日本の98%の法人は、この相対価値で競争。
    →相対価値は、ちょっとした安さなど、ちょっとした違いが
    決定的な差別化となる。
    そのちょっとした違いを作り上げるのが、現場であり
    現場の創意工夫や頑張りこそが、生み出す源泉。

    相対的価値がフィールドとなっている企業は、現場力の有無こそが競争力を規定。
    花王の後藤会長
    「当たり前のことが当たり前に出来るかどうかで勝負している。
    奇策も秘策もない。基本が出来ているかどうかだけ。それで差がつく。」
    →相対価値のチャンピオンであるということを
    トヨタは、常日頃から現場の最前線の腹に落として理解させている。

    ★イノベーションは、なかなか生み出されるものではない。
    イノベーションやブレークスルーに期待するのではなく
    地に足の着いた地道な改善や改良の重要性を認識すべきだ

    継続力や粘着力の根底には、続けようとする意思と覚悟がいる。
    それがあれば、知恵や工夫により、改善・改良が進み、進化がおきる。
    進化こそ、継続の本質。

    ■兎は、亀に負けたのではなく、勝手にこけた。
    →勝者が敗者を打ち破ったというよりは、敗者が勝手にこけたという例も少なくない。
    ★ビジネスの場でも同じ。他社との競争を考える前に、
    自分がやるべきことをやっているかどうかを
    徹底して問い直し、自分でこけることを防ぐ

    ★現場にリスペクトを。
    リスペクトを感じた現場には、プライドが生まれる。
    自分達で考えて動き、解決するエネルギーも生まれる
    この往来度が改善を生む。

    ■現場の生み出す価値の一つにコスト削減がある。
    →品質、スピード、安全など多様な価値を生み出す
    バリューセンターである。コスト=現場の考えは、
    リスペクトは生まれず、プライドもうまれない。
    「現場こそ、価値を生み出す最前線」

    ■改善活動の習慣化=行動の無意識化
    →やらないと気持ちが悪い
    →意識的な活動を意思と不断の努力で継続する事によって
    無意識化される

    ■J&J
    ステイクホルダーのプライオリティー
    ①ユーザ(医師、患者など)、②社員、③社会、④株主

    ■教育とは、心と技の鍛錬。
    物事に敏感に気づきを促す心の鍛錬がまず最初。

    ■キャノン「三自の精神」
    ・自発、自治、自覚
    言われた事ではなく、主体的に行動する。

  • 「現場力を鍛える」「見える化」に続く3部作完結編。

    継続は力なりとはよく言いますが、その継続をどうすると出来るのか?それが続ける力、粘る力として語られています。
    ねばっちこい経営といった題名もキャッチーで面白い。

    本作でも事例をふんだんに盛り込んで、解説しています。
    改善活動がうまくいかない理由として、改善を推進する現場に対する経営からのリスペクトが弱いとぶった切り!
    改善には現場に対する「リスペクト」、そこから生まれる現場の「プライド」、それが「改善」につながるという構造です。

    粘着力が企業の競争力の根源として、4つの粘着力を定義しています。
    行動、思考、伝達、意思
    の粘着力です。
    そういった粘着力を高めるために組織としてのポイントと個人としてのポイントをそれぞれ上げられています。
    組織の粘着力を高める8つのポイント
    1.時間時を長く取り宣言する
    2.人が変わっても、基本的なプログラムは変えない
    3、あれもこれもやらないで絞り込む
    4.経営と現場が一体となって取り組む
    5、カリスマをつくらない
    6、プロセスをほめる
    7、面の教育を徹底させる
    8、コーディネーター機能を充実させる

    そして、個人の粘着力を高める10個のポイントが解説されています。
    1、夢や思いを大切にする
    2、具体的な目標を設定する
    3、目標に日付や期限を入れる
    4、一定期間、集中して取り組む
    5、弛緩をはさむ
    6、遊び感覚を入れる
    7、正常実感を得る
    8、記録を残す
    9、他人と比較しない
    10、ポジティブに考える

    本書で、ちょっと面白いところが組織の粘着力を生むために、納豆と比較していくこと。納豆の作成プロセスに対応して、粘る組織のプロセスを解説しています。
    キーワードは浸潤、感染、熟成
    とりわけ、感染では「納豆菌人材」の育成をポイントにあげています。
    これまたキャッチーなキーワードです。

    これまた、1時間ちょいぐらいで読むことが出来ます。

  • 当たり前のことを当たり前に継続することの大切さを繰り返し繰り返し説明した本。多くの会社が立ち上がりだけ盛り上がって継続しないプロジェクトや派遣社員の増加で、継続力が失われている。現場が当たり前のことを当たり前に継続できるように、インセンティブをどう設計するかは難しい課題だが、やりがいがあると思う。

    毎日持続させることが強烈なエネルギーとなる。細かい積み重ねを侮ってはいけない。やり続けることを習慣にしてしまうと、今度はそれを止めることの方が苦痛になる p.131

  • ねばちっこい現場をもつ企業が強い…当然といえば当然。それらを支える当事者意識や愛着といった企業風土を耕すことができれば、きっとうまく回るのだと思います。具体的には「クリエイティブ・ルーチン」をまわして「黄金のかめ」を目指せ、というシンプルなメッセージ。

  • 「現場力を鍛える」「見える化」の続編。この2冊に加えこの「ねばちっこい経営」で一気に遠藤功さんのファンになってしまいました。

    外資系コンサルのトップには珍しいメーカー出身の著者は現場力をとても大切にしています。
    この本ではその鍛えた現場を活かす粘り強さについて書かれています。
    といっても、他の多くの経営本と一緒でやはり大事なのはビジョンなんだと思いました。

  • 消費者にとっての「相対価値」と「絶対価値」を考慮する。

    絶対価値ならば国が補助をしてでも保つことができるが,競合他社がいるような相対価値となってくるものには”粘着力”が必要である。

    ねばっちっこいは冒頭では「やめずに継続すること」と取れるが,自分は題名から消費者に対する粘着力を強化する方法だと思っていた。

    基本的には根性論が多く,また複数の企業に対して内容を述べることに注力しているもののあまり全体として体系だってなくまとまりがない。

    ただし多くの事例に触れることはのちのち参考になりそうなので読める
    なら読んでおいて損はないかも。

    と思ったけど最後に納豆のメタファーを使って粘り強くなるにはを語るとかいらない…。

  • もう2年も前に購入した本ですが、やっとまともに読むことができました。
    しかし、読んでみて「しまった、もっと早く読むべきだった」と感じています。
    この本の趣旨は、企業が同業他社との差別化をはかるには、とにかく粘り強く諦めずに、自分たちの決めた方針を貫き通すことの重要性を説いています。
    トヨタ自動車、花王、リッツカールトンなどの優良企業といわれる会社も、またイチローなどの極めて卓越した記録を残した人には「粘り強く、できるまでやり続ける」といった共通のポイントがあると書いています。

    また、特に組織の場合、組織の大志(組織として目指す目標)と組織を構成する個々の目標が共有化されている事が大切であり、しかも粘り強く、そして組織として結集することで、優良な経営へと繋がっていくようです。

    この本は、粘り強く「継続するいこと」の大切さを説きながら、実践できる組織つくり、人作りのヒントが書かれています。そう言う意味では、もっと早く読みたかった・・・反省しきりです。

    また、僕の反省は、「あれをやりましょう」「これをやりましょう」と言って始めたものの、途中で終わってしまった事もありました。とにかく、経営の基本方針として決めたこと、今続けている改善活動などは徹底して、やり続けて行こうと意思を強く持ちました。

    文中に頻繁に出てくる、花王さんやトヨタ自動車さんへも何度かお邪魔したことがありますが、これら企業のポイントは小さな改善活動を常に続けていることが常に伺えます。
    外から見て、自分たち会社が「ねばちっこく」自社が決めた改善活動を進めていると感じてもらえるような会社を作りたいと思います。

  • 「強い企業」と「並の企業」を分けるのは、やっている「こと」自体にはない。ひとつの「こと」をやり続ける「時間軸」にこそ、競争力の格差を生み出す要因があるのです。(Amazon.co.jp)

    「ねばちっこい」とは茨城弁だそうだ。さすが納豆の本場だけに、粘着力がズバ抜けてありそう。(笑)本著は、企業文化としては当り前の「ねばちっこさ」こそが強い企業に育てていく原動力と説く。組織変革・業務改革・生産効率化など、体裁のみ取り繕った手法では全く意味が無い。長く続けてこそ意味がある。当り前すぎて、貧相な内容になるのかと思ったが、そんなことはなく、継続することの大切さを再認識させてくれた。日本を代表する企業、トヨタ、デンソー、キャノン、セブンイレブンといった事例集を巧みに取り入れ、強い企業への醸成手法を示してくれた。

    全社を挙げてプロジェクトに取組む一番のネックは、事業部間の横断や、経営者・責任者の交代などで、プロジェクトが停滞もしくは廃止されることだ。これを否とする経営方針がないと、中途半端に終わる可能性がかなり高い。トヨタウェイ・花王ウェイ・デンソースピリットなどの行動指針は、たゆまぬ継続や努力を評価して独自の価値観を全社員でねばちっこく共有させている。大企業の事例なので、経営バランスが取れているから可能なのだと言ってしまいそうだが、中小企業も参考にできる部分はあるし、参考にしなければ企業成長などできない。

    また、組織論だけに収まらず個人にもねばちっこさは必須だと教えてくれる。確かに退職や離婚など早々に逃げたり諦める傾向が現代社会には強いが、もうひと分張りすることで得られる経験や忍耐力が成長を更に促してくれる。社会人として、一個人として、自己成長を感じられない方はぜひ読んでみたらいいと思う。

  • 精神論的な「粘り強く、地道にこつこつ」えお提唱する本書。
    簡単に出来るようで出来ないからこそ、今一度再認識して、
    仕事に反映すべきなのかもしれないですね。

    改めて気づかせてくれる本でした。

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著者プロフィール

遠藤 功(エンドウ イサオ)
株式会社シナ・コーポレーション代表取締役
早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て、現職。2006年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。2020年6月末にローランド・ベルガー会長を退任。同年7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動している。多くの企業で社外取締役、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。
株式会社良品計画社外取締役。SOMPOホールディングス株式会社社外取締役。株式会社ネクステージ社外取締役。株式会社ドリーム・アーツ社外取締役。株式会社マザーハウス社外取締役。
15万部を超えるロングセラーである『現場力を鍛える』『見える化』(いずれも東洋経済新報社)をはじめ、『現場論』『生きている会社 死んでいる会社』(いずれも東洋経済新報社)『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)『ガリガリ君の秘密』(日経ビジネス人文庫)など、ベストセラー書籍多数。

「2022年 『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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