事実に基づいた経営―なぜ「当たり前」ができないのか?

  • 東洋経済新報社
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492532508

作品紹介・あらすじ

ワークライフバランス、成果主義、戦略主義、組織変革、リーダーシップ…もうビジネス書やコンサルタントによる「成功の秘訣」や「通説」に惑わされるな!100年に1度の危機に立ち戻るべき経営の基本。

感想・レビュー・書評

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  • 経営者や管理者とりわけHRは、新しいことをぶち上げる前に、これ読んで我が身を振り返ると良いと思う。分かっているができないし、中途半端にいいとこ取りするのがいかん。

    とりわけインセンティブ設計をするHRの人はここにでてくる要素は考慮しているかをチェックした方がいい。

  • 根拠のあるデータやロジックに基づいた経営を、という主張かなあと思ったが違いました。本著の主題は経営における「中庸」の大切さだと思います。全部わかっているという過信と、何も知らないという臆病の中間(知恵の態度)持ちながら、謙虚に学び続ける姿勢が大事。
    特に面白かったのは、p203からの戦力の話、p246からの変革の話。


    ◯事実に基づいていない経営
    ・業績改善の本質ではなく表面的な部分を真似する
    ・ストックオプションは短期的業績を優先するようになる(業績でなく市場の期待をあげるよインセンティブ)

    ◯実践のためには
    ・人は真実を聞きたくないことを理解した上で意識的に反対の立場を取ること。
    ・成功した会社だけを見てはならない。失敗原因も重要。
    ・小さく実験をしながら効果を測定
    ・知恵のある人の姿勢(知っていることを知っていると思い込む慢心と知っていることを知らないと感じてしまう臆病の中間

    ◯仕事とプライベートは違うのか?
    ・会社は最初社員から如何に搾取するか、コントロールするか、を考えていた
    ・厚生資本主義: 社員の幸福まで会社が責任を持つ(生活を依存)
    ・労組の反発、プライベートの分離と労働時間の制限
    ・プライベートな人間関係を尊重すふことは、社員の忠誠心や愛着を高めるだけでなく、販売対象やタダ働き要員になる。
    ・社員がどうあるべきかよりも、どうしたら社員の力を生かせるか。創造性は個人が自らが何を知っていて、どんな人間ですどう感じるかを素直に言うことから生まれる。

    ◯良い業績の会社には優秀な人材?
    ・人以上に重要なのはシステム(全米最悪の工場をトヨタ方式で再生、同じ事故を繰り返したNASAの官僚的組織)
    ・才能は誰にでもあり、それを活かせる場が大事
    ・知性より大事なのは知恵
    ・割合で評価するような仕組みは害悪、できるだけ多くの人を評価して不公平を減らすことが大事、それでも組織にフィットせず問題を起こす人には去ってもらう。

    ◯金銭インセンティブが業績を上げる?
    ・一般的な金銭インセンティブの効果
    1. 努力の動機付け(成果主義)、これは努力量が成果に比例する(外部要因がない)前提である。
    2. 組織が何に価値を置くかを示すこと
    3. 正しい人材を引きつける。年功序列、成果型
    ・何が大事か知らせることが行動を促す肝で金銭的インセンティブではない。組織には複数の目標があることが多いので、必ず無理が生じる。
    ・給料で選んで入ってくる人は、さらに高給の話があれば辞める、そして不正を働くインセンティブが働きやすい。
    ・プラスに考えたい人間の本能から、自分は平均以上だと思う。そのため上司のフィードバックに対する良い悪いの問題は必ず起こる。
    ・報酬は大きなメッセージを出す、その差がもたらす人間関係の悪化は無視できない。業績は個人の力ではなくみんなで協力した結果であるというシグナルを送ることで、多様な意見、想像的アイデア、努力を引き出している会社もあるら(アマゾン、SW航空シスコ)

    ◯戦略が全て?
    ・ 戦略経営とは、環境変化の中で合理的な分析に基づいて企業の戦略的方向性を考えること。
    ・戦略論の前提は、ある企業は別の企業より上手くやれるら時間金銭注意という資源は有限。
    ・どの事業を選択し、どう競争するかを考える(コストベースor付加価値ベース)

    ・戦略がどのくらい貢献しているのか実際よくわからない。インテルのマイクロプロセッサーへの注力は成功事例として名高いが、技術ベースがあった上で、IBMが自社PCのプロセッサーの外注をしてきたのがきっかけであり、自社の戦略では無かった。
    ・重要なのは真似できないこと。何をするか(戦力の決定)ではなく実行力。
    ・プランニングに費やされる資源と、トップが戦略ばかりに目が行き、オペレーションが無視されるコストが大きい。分析して答えが出やすいものばかりに注意が行き、根本的な問題の解決に手が回らない。
    ・ビジネスモデルの変更を考える前に、そもそもそれが実行さへてるのか見るべき。
    ・シンプルに考えよう。大事なのは顧客と従業員の声。
    ・戦略的アプローチの中では、やりながら学ぶ、ということが採用されない。優先順位が明らかになる前に決断し、間違ったら後から直すしかない。

    ◯change or die?
    ・変革は非常に難しいしほとんど上手くいかない、しかししなければいずれ滅んでしまう。
    ・変革に時間がかかるというのは、緊急では無いというメッセージを出しているようなもの。
    ・変革が起こる条件、リーダーが揃えるべき要素
    1. 現状への不満(危機感)
    2. 方向性がはっきりしている
    3. 成功への自社(過信)、自分とチームを心から支持しつつ、自分が全てを知っている、正しいと思わないこと。
    4. 混乱や不安に耐える必要があることへの理解。

    ◯リーダーは組織を掌握してる?
    ・我々は、業績の良い会社には良い経営者が悪い会社には悪い経営者がいると思いがち。
    ・最高のグループは最高の個人よりも常に上。
    ・良いリーダーがすべきこと
    1. 実際のインパクトは限られているが、誰もがリーダーは重要だと考えている。自信を持って行動するふりをしながら、未来について語り、一方で組織の現実と自分の限界を認識する。
    2. 自分のことを良く思いたい傾向は皆と変わらずあり、取り巻きにより助長されるので、とんでもないことをやりがち。知恵の姿勢と謙虚さを忘れない。
    3. 組織のコントロールし過ぎはよくない。どのように、いつコントロールを手放しら他の人にやらせるかを学ぶ。最高のリーダーシップは時にリードしないこと。
    4. リーダーの最高の仕事は、組織の仕組み、チーム、企業文化を設計し、他の人が成功する土台を作ること。
    ・優れたリーダーは、weを主語として使い、必要以上に手柄を他人に譲る。
    ・リーダーは自分が何をすべきか、よりも自分がいることによるマイナスを意識する。時に優れた選手に、何も言わずやらせることが、アドバイスをしたり激励するのと同じくらい重要。
    ・基本的なルールは、自分より部下の方が仕事をよく知っている時は、学びたい時以外一歩下がる。グループが創造的な仕事をしてる時は、偉い人がつきまとったり、フィードバックをすると創造性が下がる。

  • ここでも出てきた。
    無知を知ること

  • Hard facts, Dangerous Half-Truths, and Total Nonsense
    Profiting from Evidence-Based Management ― http://www.toyokeizai.net/shop/books/detail/BI/005ff98209a830cd76a733d7c834b4d2/

  • 企業は「半分だけ正しい」常識に左右される。だからこそ事実に基づいた経営が必要である。
    アイディアや手法を試す前にするべき質問、大きな企業改革を行う前に自問すべきことの質問集がためになる。
    ウェルズファーゴ銀行 コバセヴィッチ 戦略のコンセプトは眠っていてもいえるぐらいに成って欲しい。「アウトローカル、アウトナショナル」。
    リーダーは一歩下がり部下に実践させることも重要である。また自らの限界を知っている。
    行動に移す上で、「失敗したらどうなるか」という質問を投げかける。

  • ビジネスにおける通説に疑問を向け、反例を挙げて否定する。それら通説に惑わされずに、事実に基づいた経営をするよう推奨するものである。対処法として原則を最後に挙げているが、基本的には基礎の徹底である。

    コンセプトは非常に良いと思う。「新しいことなどないに等しい」「人材の能力は変動する」などの視角も基本に忠実でよい。
    ただ、反例のチョイスは恣意的で部分的であり、ビジネスにおける通説がどういう時に事実で、どういう時に事実でないのか、という部分はあまり見えてこない。「BPRは多くの場合失敗する」と言われ軽く事例を挙げられても、成功事例と失敗事例のコンテクストの差は分からない。
    その意味では、基本的なアイディアは提供するが、実用的な本ではないように思える。

    それに、「半分だけ正しい事実」に疑問を向けるという体をとっているが、そのような通説を盲信している人がそれほどいるとも思えない。そのようなケースももちろんあるだろうが、多くのケースは盲信しているから失敗するのではなく、自分たちは大丈夫(成功ケースとなる)と思いながら皆失敗するのではないか。
    目を向けるべきギャップが少しずれているように感じる。
    通説に疑問を持ったからと言って、「事実に基づいた経営」ができるとは限らない。その間の距離はまだまだ遠い。経営上の判断が主観とコンテクストに依存する以上、事実を正しく認識するのは簡単ではない。
    原著は確認していないが、もしかすると訳に問題があるのかもしれない。

    参考文献は充実していて非常に好感が持てるが、論の進め方が雑に見える。言いたいことを言うために引用する、という感じがする。
    事実でないことが事実とされてしまう、そのメカニズムにクローズアップしてくれたらもっとよかった。

  • 新聞記事や学術研究結果をもとに、巷にあふれる経営に関する定説を真っ向から反論。参考文献リストが豊富で◎。

  • 内容どうこうではなく、タイトルがすべて。ちゃんとファクトに基づいたビジネスがしたい

  • 「金に釣られて入社する奴らは金に釣られて辞める」(某CEO)
    「仕事にプライベートを持ち込むことで実は効率が上がる。」


    【2009年4月11日】

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