最強のシナリオプランニング: 変化に対する感度と柔軟性を高める「未来の可視化」

著者 :
制作 : 梅澤高明 
  • 東洋経済新報社
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本棚登録 : 189
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492533369

作品紹介・あらすじ

企業の生き残りを図る上でも、長期の成長戦略を進める上でも、「環境の不確実性を理解し、将来起こり得る様々な変化に、柔軟に対応する構えを持つこと」が不可欠となっている。そのための有力な手法が、「シナリオプランニング」である。本書ではシナリオプランニングの手法とケースを紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 少し仕事でシナリオプランニング(シナプラ)について
    理解する必要性が出たので、ささーっと読んでみました。

    さすがコンサル会社の出している本というか、
    しっかりとしたフレームワークに沿って、
    シナプラの説明がされていて、かつ事例(ケース・スタディー)も豊富。
    この本を読めば、シナプラというものがどういうものなのか、
    しっかり理解できることと思います。

    ただし、この本も厳密に同じやり方で
    シナプラを使っているようではないみたいで、
    ローカルルールというか、ケース・スタディーによって、
    やり方が若干異なります。
    すなわち、シナプラといっても画一されたやり方がある訳ではなく、
    微妙に異なる色んな方法論があるってことが一番の気づきでした。
    あんまり頭を固くし過ぎずに、シナプラに取り組んだ方がいいってことですな。

  • 第一章、第二章、第三章、第十二章を読むことで、シナリオプランニングの全体像をつかむことができる。第四章~第九章は具体的な事例で、興味のある業界以外は読む必要ははいと思う。

    [STEP1] 環境分析
    ・マクロ環境/ペスト分析
    ・業界分析/Five Force
    ・内部環境分析/インフレンス・ダイヤグラム(各因子の関係性の整理)

    [STEP2] 重要因子の特定
    ・機会・脅威の分類

    [STEP3] 因子の評価、シナリオ定義
    ・影響度と不確実性による評価

    [STEP4] 戦略検討
    ・適応型/形成型/保留型

    ■影響度の定義
    ・これまでにない大規模の市場が誕生
    ・他業種の大市場を取り込む
    ・市場を支配する新たなルールが誕生
    ・既存ビジネスの前提条件が否定される
    ・需要・収益が業界として消失する

    ■不確実性の定義
    以下の条件にすべて該当する場合、不確実性は低い
    ・起こることがほぼ読める(既に因子実現の予兆が市場で三受れらる)
    ・仕上がりの姿が読める(技術・経済性・行政の動向などから考えて、最終型が想定できる)
    ・タイミングがある程度読める(技術導入のロードマップ、法改正のスケジュールなど、因子実現のスケジュールが定義されている)

    ■その他メモ
    ・シナリオプランニングは経営環境に関する未来のストーリー(仮説の連鎖)作成
    ・シナリオプランニングは予測の正確性に価値があるわけではない、未来を当てることよりも備えることが重要

  • いい本でした。
    不確実性を考慮した戦略策定に関してのフレームワークの話。
    戦略策定のみならず株式投資などにおいても非常に有効なフレームワークだと思う。

    外部環境分析→内部環境分析→情報整理して→戦略策定
    と基本的な戦略策定の流れと同じ。
    しかし不確実性を考慮したシナリオプランニングとして、
    内部環境分析で「インフルエンス・ダイアグラム」という分析を行い事業のKFSを中心とした因果関係を図式化する。
    そしてこのKFSに影響を与えうる可能性(因子)を機会と脅威の観点から整理する。
    さらにこれらの因子について、縦軸に「その可能性が実現した際のインパクトの大きさ」をとり、横軸には「その可能性の不確実性」をとりマトリクスで情報を整理する。両者は上、及び右にいくほど大きくなる。
    左上の第二象限は「ベースシナリオ」、右上の第一象限は「重要な検討対象因子」、左下の第三象限は「重要ではない因子」、右下の第四象限は「モニタリングすべき因子」として分類する。
    ベースシナリオを基本としながら、重要な対象因子にも対応出来るような戦略を考えるべきであり、この両者に対する戦略として「適応型戦略」「形成型戦略」「留保型戦略」の3つを挙げ、それぞれにマッチした戦略を取ることを勧めている。

  • やや古いが、シナリオプランニングのワークのイメージは結構ついたので、必要十分という感じ。

    よくもまあこんなに上手くまとめるなという感想は出る。各種リサーチ情報を受け、貴社においてはこうこうこうである、の部分。

  • 表紙がかっこいい
    内容は戦略系の本によくあるあるの内容で、こんな感じに進めていって、こんな感じのフレームワークを使うと良いよという内容。目新しい感は無い
    ただ、ケーススタディが非常に充実しているので、プロジェクトとかする時にチラ見するのはとっても良さそう。

  • さまざまな可能性を考慮しつつ未来を場合分けすること→シナリオプランニング

    業界のシナリオから、取るべき戦略を考える
    とてもスマートに見える資料も、泥臭い分析が必要なんだと感じた

  • 【目次】
    1.シナリオ思考の時代
    2.シナリオプランニングのフレームワーク
    3.シナリオプランニングの検討チーム
    4.世界の酒類・飲料業界の変化
    5.地銀の生き残り戦略
    6.インド小売市場の20年後の姿
    7.電力大競争の行く末
    8.エコカーの本命
    9.アップル・サムスンによるスマホ・タブレットの覇権争い
    10.アジアの経済・貿易ルール作りの主導権争い
    11.サキヨミマップで情報通信業界の制度変化を読み解く
    12.シナリオプランニング活用のポイント

  • 仮に○○が起こったらどうなるか?という仮説をつなげたものがシナリオ

    (クライアントにとって)重要な事項は何か?示唆は何か?PEST

    業界構造の変化は何か?5F

    インパクトが大きいものは?分岐点は?
    インパクトは?不確実性は?

    何が見えてない?に気づくことが第一歩、見えてないことを探す

    シナリオツリーとシナリオマトリクス
    分岐点となる重要因子→シナリオ(ツリー)
    決定的な要因の掛け算→シナリオ(マトリクス)

  • コンティンジェンシープランのような考え方で、
    将来の様々な外部環境の変化をシナリオとして捉え、
    それぞれに対する対応策を戦略として考えようとするもの。
    イメージが湧きやすく良著。

    <メモ>
    ・インフリューエンスダイアグラム 要素間の因果関係を図時するもの。ループ構造などを可視化でき、重要な要因特定に役立つ

    ・戦略の3類型 適応型、形成型、留保型
     外部環境に適用しようとするもの
     外部環境構造を有利にしようと大胆な施策を取るもの
     変化に対応できるよう最低限の投資は行っておこうとするもの

    ・デファクトスタンダート化したコアコンポーネントの存在。汎用プラットフォームを開発供給するプレーヤーの存在。汎用プラットフォームを用いて最終商品を供給するプレーヤーの発生と十分な規模性
    この三つが満たされると産業構造変革がもたらされる。

    ・幽体離脱して俯瞰してシナリオを考える。
    外の業界ならどう考えるか、買収先はどう考えるか、どうなったら会社が潰れるか、業界が危機に陥るか、未来から振り返ると何が分岐点となりそうか

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著者プロフィール

梅澤高明(ウメザワ タカアキ)
A.T. カーニー 日本代表 グローバル取締役会メンバー
東京大学法学部卒、マサチューセッツ工科大学スローンスクール卒(MBA)。日産自動車を経て、A.T. カーニー(ニューヨークオフィス)に入社。1999年に日本オフィスに異動。2007年に日本代表に就任、2012年にグローバル取締役会メンバーに選任。消費財、ハイテク、メディア、エネルギー、総合商社などを中心に、グループ経営・事業ポートフォリオ、成長戦略、シナリオプランニング、マーケティング、組織設計などの支援に従事。経済産業省「クール・ジャパン官民有識者会議」委員(2010年)、内閣府「税制調査会」特別委員(2013年)。著書に『ストレッチ・カンパニー』(翻訳, 東洋経済新報社)、『グループ経営戦略と管理』(共著, 企業研究会)がある。

「2013年 『最強のシナリオプランニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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