ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492533482

感想・レビュー・書評

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  • 立場上、会議をファシリテートすることが多いのですが、
    この本に書いてある内容は、すごく腹落ちしました。
    とはいえ、実践出来ているかと言えば、また別の話。

    誰に参加してもらうべきか、議論する内容の組み立て方、
    どんな展開が行われるかといったシミュレーション、
    どれも重要な内容ではありますが、ファシリテーション
    だけを仕事にしているわけではないため、どうしても
    準備がおろそかになってしまいます。

    とはいえ、準備したほうがうまくいくのは事実なので、
    時間との兼ね合いで何から取り組めばよいのかと、
    優先順位を決めて準備して会議に臨んでいきたいと思います。

    この本の良いところは、準備以外の会議進行における、
    さばきの部分にも触れてくれているところかなと思います。

    【勉強になったこと】
    ・ファシリテーションの本質は、会議に参加している
     メンバーから意見を「引き出し、決めさせ、自ら動く
     ことを助ける」ことである。

    ・会議をする意義は、1人で決められない・考えきれない
     多くの物事を決めるために、前提の違うメンバーが
     集まって決定していくことである。
     また、決定した内容に対して腹落ちしてもらうため。

    ・合意形成のステップ
     場の目的の共有・合意→アクションの理由の共有・合意
     →アクションの選択・合意→実行プラン・コミットの
     確認・共有

    ・人は自分が十分に理解・納得・検討する時間を
     与えられずに判断を求められると強いストレスを感じる。

    ・多くの人は議論に参加する際、無意識に場の空気を探り、
     それに適応しようとする。
     そのため、会議の冒頭の空気は極めて重要。

    ・合意形成のステップを細分化することで、
     合意に向けた会議の構成を詳細に考えることが出来る。

    ・人は多くの場合、何らかの問題・課題に直面すると、
     どうしたらよいのかから考えてしまいがち。
     そうではなく、問題の本質を捉えるためにも、
     What→Where→Why→Howの順番で整理するとよい。

    ・因果関係が成立するのは以下の3つがそろったとき。
      相関関係がある
      時間的前後関係がある
      第三因子が存在していない
     全てを確認する時間はなかなか無いので、上位2つだけ
     でよいから確認するという姿勢を怠らないこと。

    ・本当は言いたいことがあるのに言えない人に対しては、
     発言を躊躇する原因を取り除くことが重要。
     場合によっては、個別にヒアリングするといったこと
     も効果的。

    ・ファシリテーターは議論している内容を完全に理解
     出来ない可能性も十分にあり得る。そんなときは、
     知ったかぶりをするのではなく、素直に確認する
     姿勢を見せることで、理解も深まり信頼も得られる。

    ・メンバーは話したいことを整理して参加しているわけ
     ではないため、話している内容が重要だったとしても、
     内容が理解しづらいこともある。
     そんなときは、何が足りないからわかりにくいのか、
     といった視点で傾聴し、聞いた内容を補足するような
     質問を投げかけるようにするとよい。

    ・メンバーの発言を引き出す方法
     ①発言に対する意欲を高める
      話しやすい、興味を持ちやすい論点から始める
      個人名で呼びかける
      立場・役割から発言を促す
     ②発言をしやすいような刺激を与える
      論点を具体的に絞る
      反対意見、別の意見を求める
      事例を紹介する
      制約となっている条件を除外する

    ・今、ここで議論すべきではない論点を見極めること。
     見極めのポイントは、今議論しても結論が出せない、
     そもそも議論すべき内容ではないの2つ。

    ・議論すべきではない論点が話されている場合は、
     議論を止める必要があるが、議論を遮られることで、
     人は以下のような不安・不満を感じてしまう。
      - 自分の意見が他人から否定された
      - 自分の意見や論点には価値がないと見なされた
      - 自分の意見を理解してもらえない
     そのため、無理に議論を止めるのではなく、
     話している本人に議論を止める必要性に気づいてもらう
     といったアプローチが大切。
     まずは共感し、その論点を話す前に話すことがある
     ことを提案するといったアプローチが有効。

    ・会議の最後は、決まったことはもちろんのこと、
     決まらなかった内容に対してもケアすること。
     決まらなかった内容については、何がないから決められ
     なかったのかを振り返り、それを解決するための
     アクションプランについて合意すること。

    ・本来は会議をコントロールしないほうが会議はうまく
     進むもの。自発的に話してもらう、まとめてもらう
     といったことを会議参加メンバー自ら出来るように
     仕向けることがファシリテーターの腕の見せどころ。
     ファシリテーターはメンバーのロールモデルであり、
     サポーターであることが最も大切。

  • [内容]
    タイトルどおり、教科書。
    世間一般にあふれるファシリテーションの本と比較すると、全体像が網羅されている。
    アイスブレイクや、付箋の使い方などのテクニックをメインには書かれていない。

    大別するとファシリ-テーションは『仕込み』『さばき』に分かれており、仕込みの段階ではどの点を抑えておくべきか?実際のさばきの段階では何をすべきか?が体系建てて記載されている。

    [感想・気付き]
    ・・・仕込みってここまでしないといけないのか。
    が率直な感想。
    アジェンダ送って、なんとなく想定して…くらいのものがこれまでのやり方。
    しかし実際は、相手はどんな人間で何を考えていて。
    また、何を話し合うべきで何は話し合わないべきか。こんな話が出てきたらどうするか?などの仕込みの部分はかなり重要。

    瞬発力で勝負出来る人間ならば、瞬発力に頼ればいいがそうでない凡人は仕込みをきっちりしなければいけないと実感。

    また冒頭に記載したとおり、全体像を把握するには最適といえる一方で『わかる』と『出来る』は異なるのも事実。
    教科書に書かれていることを出来るようになるためには、実際の現場での実践を重ねて時にはテクニックも学びつつ、型を自分なりの方法に落としこんでいくということが必要と感じました。

    [アクション]
    全体像シート、仕込みのシートを自作し実際の会議の場では使い続ける。

  • これは何度も読み返そう

    ・議論の出発点と到着点を示す
    ・参加者の発言の理由とその背景まで理解する
    ・議論すべき論点と議論になりそうな論点を分ける
    ・確認する論点と議論する論点を分ける
    ・議論の到着点と論点の関係は絶対に忘れない
    ・本当に聴きたいという姿勢(発言者に体を向ける、見る、うなづく、要約する、質問する)を示す
    ・発言者の論点、主張、根拠、発言の背景・意図、隠れた前提を構造的に意識して聴く



  • 「腹落ち」とは、「目的と理由」を深く理解し、「具体的なあるべき姿」を自ら描き、「ワクワク感や当事者意識」を持てるレベルまで納得すること。

    「腹落ち感」を作る上で肝になるのがリーダーのコミュニケーションのあり方。「腹落ち」させるためには、大きな方針や目的をメンバー自らがブレイクダウンし、自分の業務のレベルに落とし込み、自分の問題とさせる。そして実際の業務に照らして、何をどうするべきか、具体的な判断軸を自ら考えさせる。こうしたプロセスを踏むことで、メンバーが自分で自分を納得させることが必要。

    参加者の状況や意見の出方に臨機応変に対応するために「仕込み」が必要。「結論に向けて」ではなく、「その場で議論をする目的を達成するために、考え、議論すべきこと」を考え、そこに参加者の思考を誘導する。

    「仕込み」で行うのは、
    ・議論の「出発点」と「到達点」を明確にする
    ・参加者の状況を把握する
    ・議論すべき論点を広く洗い出し、絞り、深める

    ビジネスにおける合意形成には、「議論の場の目的共有」「アクションの理由の共有・合意」「アクションの選択と合意」「実行プラン・コミットの確認・共有」という4つのステップがある。議論の場において、4つのステップのどこから話を始め、どこを到達点とするのかをしっかり考えることが重要。そのためには参加者の状況を把握することが必要。

  • 買って都度読み返してよい本。わかりやすいし実用的。

  • 自分のバイブルとなる本。
    会議での進め方というより、もっと適用は広く論点整理の仕方が書いてあり、これを読めば、大体のディスカッションを構造化できるだろう。
    他の本を読むぐらいならこの本を熟読した方がファシリテータへの近道。

  • ファシリテーター関連本2冊目。グロービスの本。

    感想。超良書。自分の意見に近い内容が多かったせいかもしれないけど。ここまで体系立ててくれていると、日々の業務に軸を組み立てて頂けた感じ。

    備忘録。
    ・議論の仕込。あるべき議論を設計する。まずすべきは議論の出発点と到達点を明確にする。
    ・賛否の対象の分解。問題意識、問題箇所、原因、打ち手、それぞれが賛否の対象。
    ・立場の違いが価値判断の違いを生む。複数の価値判断の基準が存在しうることを認め、参加者に相対化して示す。その上で立場を超えて合意できるポイントに導く。
    ・意見が言いづらい立場の人からの意見を引き出す。例えば上司と来ている部下へ、「Aさん、B部長の意見により近い立場から付け加える点はないですか?」「実際に実行されるAさんからすると大丈夫ですか?」
    ・論点とは何か。
    ・ファシリテーターは、事前に参加者の数倍論点について考え、どんな論点があり得るのかを考えておく。様々な論点が相互にどのような関係にあるのかも。論点の地図を作り、様々な意見を即座に位置付けられる状態を、頭の中に作っておく。
    ・論点の種類を認識しておく。議論すべき論点と議論すべきでない論点、議論する必要はないが確認する論点、一旦置いておく論点。
    ・アウトプットとインプットの時点で物事を捉える。アウトプット:売上=単価×販売量とかの各結果。インプット:商品、店員、価格とか結果に影響を与えるもの。
    ・人間の思考の癖その1:決め打ち。新たな課題や問題に、過去の経験や知識から原因を決めつけ、先に対策を考えてしまうこと。こうなると、自分の考えに沿った情報しか見なくなる。
    ・人間の思考の癖その2:絨毯爆撃。決め打ちを避けるあまり、対象を絞り込まず、しらみつぶしに対策を打つこと。
    ・思考の癖を回避するべく、広げて絞るをうまく使い分ける。
    ・問題の構造を解析し、打ち手を考える。
    ・ファシリテーターは、発言者がなんの論点について、どういう意見を言ってるのかを読み取るべし。
    ・議論が参加者間で活性化してる時は見守るのが良作。常にファシリテーターが意見を展開しなくても良い。
    ・対立の背後にある認識と感情を扱う。人間は感情の生き物な為、感情に対する配慮を欠くと、まとまるはずの議論もまとまらない。
    ・場の空気に細心の注意を払う。

  • まさにタイトル通り、ファシリテーションを行うための教科書。
    しかし、読み物としても面白い。何しろファシリテーションはビジネスパーソンならば誰しも経験することであるが、多くの方は失敗した経験を持っているはず。
    そういった失敗によりそった上で、何をすべきか、を解説してくれているので、非常に親近感が湧く。
    ファシリテーションは本書にある通り準備が大事だが、同様に場数を踏むことも大事と考える。しかし、場数も踏めば踏むほど、失敗も多くなり、結果ファシリテーションから遠ざかってしまうひとが多いのではないか。
    本書では、何度となく『難しい』といったフレーズが出てくる。実際、ファシリテーションは簡単ではない。が、スキルの側面もあり、決して限られた人だけのものではないかと思わせてくれる。

  • ファシリテーションの教科書。
    クリティカルシンキングをベースに、非常に汎用性高く、ファシリの技術、考え方をわかりやすく、構造的に記した名著。

  • 個人的には、ファシリテーションとは「なまもの」であり、それを言語化することは難しいと思っている。その中では、よく言語化してあると思う。ただし、実際できるかどうかはその人のスキルの有無や経験値にもよるので、あくまで理論として押さえたり、自分のスキルをチェックするために読んだ方がよいと思う。

    1部の「仕込み」では、議論の骨格をつかみ、出発点と到達点を設定することから、参加者の状況把握、議論の予想(論点の洗い出し、絞ること、深めるポイント)をすることで議論が成立するための準備についてまとめている。

    2部の「さばき」では、実際の議論の実践で、発言を引き出して理解して、まとめること、それを方向付けて結論にもっていく手法、時には対立をマネジメントをして、腹落ち(感情のコントロール)までを扱っている。

    準備と実践に分けて書いてあるがケース・バイ・ケースのことも往々にしてあるので、そのあたりの判断もファシリテーターの能力によるとは思う。

著者プロフィール

グロービス
グロービス
1992年の設立来、「経営に関する『ヒト』『カネ』『チエ』の生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業を展開している。

グロービスには以下の事業がある。
●グロービス経営大学院
 ・日本語(東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン)
 ・英語(東京、オンライン)
●グロービス・マネジメント・スクール
●グロービス・コーポレート・エデュケーション
 (法人向け人材育成サービス/日本・上海・シンガポール・タイ)
●グロービス・キャピタル・パートナーズ(ベンチャーキャピタル事業)
●グロービス出版(出版/電子出版事業)
●GLOBIS知見録/GLOBIS Insights(オウンドメディア、スマホアプリ)

その他の事業: 
●一般社団法人G1(カンファレンス運営)
●一般財団法人KIBOW(震災復興支援活動、社会的インパクト投資)

「2017年 『MBA生産性をあげる100の基本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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