LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

  • 東洋経済新報社
3.87
  • (274)
  • (383)
  • (242)
  • (50)
  • (18)
本棚登録 : 4455
レビュー : 472
  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492533871

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 本書は、今を生きる全ての人、特に年齢50歳以下の人にはぜひ読んでもらいたい本だ。

    先日、政府が「夫婦で老後は2,000万円が貯蓄として必要」と発表したことで大騒ぎになったが、こんなことはちょっと考えれば小学生でも分かることだ。そのことを野党が追及するのも的外れだし、与党も年金制度は破綻しないなどと言うのも全く逃げとしか言いようがない。

    ごくごく単純に考えて年金を積み立てる期間が20歳から60歳の40年間だとして、その後60歳から100歳まで生きるとしたら、その期間は同じく40年間。つまり、単純に自分達の払ってきた年金分しか受け取る資格がない訳だ。

    自分としては60歳からまったく40年間働かずに自分が積み立てた年金だけで暮らしていけるほどの金額を積み立てているとは到底思えない。だからと言って、その分、子供や孫の世代に自分を養って欲しいとも思わないので、自分で働けるうちにその分のお金を貯蓄しておくか、60歳以降も働く必要があるということは自明の理なのだ。
    なぜ、そんな単純なことを大騒ぎするのだろうか。

    年金制度ができた時に、将来、人々の多くが100歳まで生きるなどとはまったく考えられなかったし、若い人の人口が減少していくということも想定していない。
    今になってその仕組みを作った官僚や当時の政治家を非難しても何の意味もないし、現在の政府も「年金制度が設立当時とは全く想定が違っているので再考します。このままでは国全体が破産してしまうので、国民の皆様ご協力お願いします」と素直に言えばよいのだ。

    この本は、年金だけで生きていくことは不可能なので、その分若い時から将来の人生設計をして対応策をしておけということが分かりやすく書いてある。
    もちろん、世界中でこれだけベストセラーになっている本なのだから、ただ「貯蓄に努めましょう」などという、どこぞのファイナンシャルプランナーが小遣い稼ぎの為に書いたような本とはレベルが違う。
    「これからの未来を生き抜く為には、人々の意識を改革していく必要性がある」と説いているのが本書なのである。

    今、50代後半の人ならば、今までどおりに働き、何とか死ぬまで苦労せずに人生を全うできるかもしれない。
    しかし、僕らのように今40代以下の人間が生きていく未来の社会は誰も経験してこなかった社会が訪れる。もう100歳まで生きるのは当たり前となり、どうやって100歳まで生きていくかと言うことが本書で述べられていることなのである。

    もう、年金には頼ることはできない。子供や孫の世代にも頼れない。

    なら、頼ることができるのは、自らの身体と知力だけなのである。
    厳しいことを言えば、今、40代以下の世代の人々は

    60歳で仕事を辞め、その後、死ぬまで悠々自適の生活をすることなどあり得ない
    もう忘れるのだ。
    そんな世界はやってこない。
    働けるだけ働くのだ。70歳だろうが、80歳だろうが。

    この本が説いているのは、どうやったら70歳、80歳まで快適に働けるかということである。
    僕がこの本を読んで、まったくこの本の内容を知らない人に分かりやすく説明してくれと言われたら、僕の理解した範囲、とりあえず以下の例を示すのが一番分かりやすいかなと思うので記載してみる。

    例えば、いま45歳の会社員が定年の60歳まで、現在の職場で毎日残業をし、死ぬ思いをしてあと15年働いたとして、年収約600万円なら15年働けば約9,000万円だ。ここで仕事を引退したらこの約9,000万円から15年間の生活費を引いて、その残った金額で引退後の40年を生きながらえなければならない。
    生活費を1年200万円にしたとして、15年で使う金額は3,000万円。9,000万円から3,000万円を引いた6,000万円で残り40年を暮らしていけるかということだ。つまり、1年約150万円で暮らせるならばそれは可能だ。
    分かりやすく数式にすれば
      600万円×15年=9,000万円
      9,000万円-200万×15年=6,000万円
      6,000万円÷40年=150万円
    ということになる。

    一方、年収400万円だが比較的身体的にも楽で時間的にも余裕のある仕事で定年が70歳の企業に45歳の時に転職したとしたらどうだろう。
    70歳まで25年間働けば1億円を稼ぐ計算になる。先ほどと同じように1年の生活費を200万円にすると、25年で使う金額は5,000万円となり、1億円から5,000万円を引いた5,000万円を残り引退後の30年間で使えるということになる、そうすると1年間で約166万円まで使えるということになる。
    同じく数式にすれば
      400万円×25年=1億円
      1億円-200万×25年=5,000万円
      5,000万円÷30年≒約166万円
    となる。

    身体や精神的負担、時間の自由度、引退後の生活など総合的に判断すると、どちらが自分にとって良い選択だろうか。
    つまり、この本に書いてあるのはこういうことなのだ。

    前者の例で言えば60歳で定年退職した後、再雇用や再就職をするというオプションもあるし、後者の例でも70歳の定年を75歳に延長することも可能かもしれない。
    もし働くことの可能なパートナーがいれば世帯収入は変わってくるし、子供やマイホームを持っていればまた違った計算が必要だろう。

    もう、自分の身や自分の家族は自分で守るしかないのである。

    70歳、80歳まで働くためにはどうすれば良いのか。
    もちろん健康であることは第一の条件だ。
    それから、働くことに必要なスキルや知識をその都度習得することも必要だろう。
    そして自分が好きな仕事、自分がやりたい仕事をその時に見つけるためにはどうすればよいのかを常に考えておく。

    こういったことを今から一人ひとりが考えていけば、その時に大騒ぎすることは全くないのである。
    本書は、こういったことを非常に分かりやすい例を引いて論じられている。
    さすが世界中でベストセラーになる本である、以前から漠然とは分かっていたが、ここまではっきりと記されると、もはや自ら生きる世界が既に変わってしまっているのだときっちりと認識させてくれる良書である。

  • 長生きするからそれに合わせた人生を考える本
    まあ寿命は長くなるよね。年金も無理そうだから長く働く必要がある。
    マルチステージと言いつつ働くところを複数にして長く働くというだけでは。
    平凡な3ステージが崩れるのはわかるが、それの回避法ががハイレベルすぎでは。フェアなレベルの比較になっていない。
    本の内容に感動するというよりは考えさせられる本

  • 100歳まで生きる人が、人生の半分を占めるようになる。

    伴って、マルチでポートフォリオな生き方・働き方が増えて くる。資産の価値観が有形から無形に変化する。

    この時代変化のなかで、どんな生き方を選択しましょうか。 非常に示唆に富んだ本でした。

  • 人生は80年だと思っていたが、それは大きな間違いで僕たちの世代は人生を100年として考えなければいけなくなっている。
    前世代(人生が80年)の人たちは人生を、教育→労働→老後の3つのステージに分けて生きていくことができたが、僕らの世代はそう単純ではない時代に突入する。
    なんせ100年生きるということは65歳からの定年後の人生にあと35年もあるからだ。

    今の60歳は昔の60歳より若々しくあるからきっと僕らが迎える80歳は今の60歳とあまり変わらないかもしれない。(だって老人に見える波平さんは52歳なんです。)

    そうなったときに、僕らが80歳になったときに残りの20年の人生を豊かに過ごすにはお金も必要だし、稼ぐためには労働することも必要になる。

    この本は3ステージで構成されていた人生を再定義する形で生き方のある意味テンプレートを示してくれる本だと思う。

    生涯を通じて探検と旅を続け新しい経験を追求するエクスプローラー型、起業ではなく次々とプロジェクトに携わり専門知識をつけ学習していくインディペンデント・プロデューサー、様々な活動に同時並行で取り組むポートフォリオ・ワーカー。
    十分な有形資産と無形資産を得るために大きく3つの働き方を組み合わせて人生を過ごしていく。

    終身雇用が崩れることになる未来に向けて漠然と考えていたことが文章化された本だと思った。

  • テクノロジーの進歩によって消滅しない職は2つ。
    人間が絶対優位又は人間が比較優位をもっている仕事。

  • あと48年、途中でサヨナラするかもしれないけど、勉強しながら、好きなことでお金を稼いで生きていくということだ。

  • 長くなる人生と大きく変化する未来を、不快で残酷で長い(Tホッブズ)人生にしないように、今のうちから変化を予期し戦略を立て積極的に行動しよう、という。

    ていうかまず現在の個人的に有形資産のなさが大問題よ、未来のこと言ってる場合じゃない気が(笑)。ま、あと無形資産の、スキル・知識・仲間・評判といったとこもアップデートしていかんとな。あとセルフ・コントロール!

  • 人生100年時代というキーワードが本屋に並び始めたので読んでみました。100年生きるとした時の働き方や老後の過ごし方、貯金はいくら必要かなどが具体的なシナリオが書かれてあり、若い時期をどう過ごすかで将来がどういったライフモデルになるのかをイメージすることが少しできました。正直、何十年後の将来の話と言われても想像できないため、不安はつきものではですが、自分らしく生きることが後悔しない人生の戦略だと感じました。また、将来に対する不安を解消するために、スキルや健康、人脈などの無形資産に自己投資していくことで、前向きに楽観的に生きていこうと思いました。

  • *変化に対応する覚悟と準備をしなければならない
    ということを教えてくれる本でした。


    平均寿命は延び続けていて、
    これからは100歳まで生きるのが当たり前になる時代が来ます。

    そうなれば、70代や80代まで働く必要が出てきます。

    今まではみんなが「教育→仕事→引退」という3つのステージで生きてきて何の問題もなかったけど、
    これからはそうはいかない。

    これからは柔軟な考えを持って、マルチに生きる力が求められるようになります。

    そのためには、「有形の資産」と「無形の資産」どちらについても真剣に考え、築いていかなければなりません。

    有形の資産とは、お金のこと。
    無形の資産とは、スキルや知識、健康、パートナーとの良好な関係、自分についての知識、多様性に富んだネットワークを持つことなど。

    100年時代では、特に無形の資産の形成に力を入れることが大切になります。
    そのため、時間の使い方も見直す必要があります。
    具体的には、「レクリエーション(娯楽)」から「リ・クリエーション(再創造)」の時間へとシフトさせていくこと。

    100年生きられることを「恩恵」とするために、
    覚悟と準備をして生きていくことが求められます。




    …「レクリエーションからリ・クリエーションへ」というフレーズが好きです!笑
    長く生きることについてあんまり希望が持てなかったけど、100年生きるつもりで、いろんなことに挑戦していきたいなって思いました。
    無形の資産の形成という面では、わたしは人脈がないのが課題です。涙
    まずは積極的に外に出よう!と思いました!笑
    また、有形の資産についても、お金に関して無知すぎるので、基本的なことからこれから学んでいきたいと思います!

    最後まで読んでくださり、ありがとうございました(^^)

  • 嫌でも高齢化が進む中で今後医療の発達等もあり
    今よりもさらに寿命が延びるのであろう、その時自分はどの立ち位置にいて
    どうゆう人生を全うするのかというのを考えさせられた本。
    嫌でも高齢化って書いたけど、長生きしたいしたくないの個人的な話はさておき
    健康寿命(大病や突然死などで亡くならない限りは)が飛躍的に伸びているわけだし、現在進行形で。
    どのくらい貯金をして、貯金で不足なら何歳まで働くのかとか
    お金だけあれば幸せなのかとか仕事に没頭して今生きている人たちは
    辞めた時一体何をするのかとか、そもそも健康で生きれるのかとか
    そういった内容をギュッと凝縮してある。
    見て見ないふりをして今生きているけど実際問題自分が爺さん婆さんになったとき
    何の保証もないよなぁというのを突き付けられた感じ。
    もちろん何歳まで生きれるのかどうかなんてわからないんだけど
    準備は遅かれ早かれ必要だなっていうのも思った。

著者プロフィール

リンダ・グラットン
ロンドン・ビジネススクール教授
ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威。

2年に1度発表される世界で最も権威ある経営思想家ランキング「Thinkers50」では2003年以降、毎回ランキング入りを果たしている。2013年のランキングでは、「イノベーションのジレンマ」のクリステンセン、「ブルー・オーシャン戦略」のチャン・キム&レネ・モボルニュ、「リバース・イノベーション」のゴビンダラジャン、競争戦略論の大家マイケル・ポーターらに次いで14位にランクインした。

組織のイノベーションを促進する「Hot Spots Movement」の創始者であり、85を超える企業と500人のエグゼクティブが参加する「働き方の未来コンソーシアム」を率いる。

邦訳された『ワーク・シフト』(2013年ビジネス書大賞受賞)、『未来企業』のほか、Living Strategy, Hot Spots, Glowなどの著作があり、20を超える言語に翻訳されている。

「2018年 『まんがでわかる LIFE SHIFT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)のその他の作品

リンダ・グラットンの作品

ツイートする