P&Gウェイ: 世界最大の消費財メーカーP&Gのブランディングの軌跡

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492540107

作品紹介・あらすじ

1837年創業、ローソクと石鹸の小工場から180カ国・46億人に届くグローバルカンパニーに至るまで――

南北戦争のとき、夜を照らすために連邦軍が使ったローソク。洗濯の苦労から開放した合成洗剤。忙しい両親の助けとなった使い捨てオムツ。これらのすべての画期的な製品の源はすべて同じ会社、消費財において「世界の巨人」であるプロクター&ギャンブル社(P&G)である。本書は、2世紀ほど前から今日、世界中至るところで生活改善のためのトップブランドを次々と生み出すような世界的企業になるまでの歴史を描いたものである。P&Gの社内文書の閲覧に加え、経営陣や従業員との独占インタビューが許可されて、明かされた唯一の公式記録。一社の経営史でありながら、経営学・マーケティングの教科書的な企業の事例として読んでおきたい一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 現在多くのブランドが実践している手法を早くから実践していたことがわかる、壮大な歴史本。
    ただ今回、P&Gマフィアと呼ばれるマーケターの活躍要因を探りたいと思って読んだのだが、意識根本はわかるかもしれないが、手口を知るためには他の本を探す必要があると感じた。

  • 東2法経図・6F指定:576A/D99p/Arakawa

  • 【1つ1つ変化し続けることが進化】
    P&Gの成功の鍵を経営戦略目線で知ることができる本だ。先行者利益をいかに得るか、という観点で見ると特に面白い。M&Aや組織変革などの話も出てくる。

    ロウソクを売っていたP&Gは、石鹸や洗濯用洗剤のタイドを通じ、ブランド戦略を磨いた。その手法はブランドマネジメントと呼ばれ、再現可能性を高めるような仕組みとなり、数多の試行の結果であることが垣間見える。

    P&Gのマーケティング部門出身者が他企業に移って大活躍していることもあって読み始めた。マクドナルド再生の立役者足立光さん、スマニューを拡大した西口一希さんなど、マーケティングの最前線で勝っている人はP&Gなのだ。

  • P&Gの成り立ちから、その発展がよくわかる。成功例ばかりではなく、失敗例、競合にシェアを奪われる話しなど、P&Gの200年近い歴史が大いに興味深い。

    特に、日本市場での花王、ライオン、サンスターとの競合や、台湾でのパンテーン展開などが印象に残る。

  • 組織改革に関する記載を抜粋する。

    P&Gにおいて、経営理念や行動規範が浸透しているのは何故か、またそれがOJTにより浸透しているのはどういうやり方なのか、そういうことが知りたかったが、
    この本は、P&Gの歴史とブランディング戦略なので知りたいことは書いていなかった。

    ◯1987年・スメールとペッパー社長
    ・取引先や顧客により近い実務レベルで意思決定をするように改革、より数多くの製品を売る→より大きい利益を生む

    ・経営トップの意思決定の簡素化のため、経営委員会が廃止。執行委員会に変わり、緊急性の高い戦略課題と事業課題を中心に検討を行う組織となった。部門への権限委譲。

    ・簡潔な企業理念の作成→全世界の従業員をまとめ、事業運営の方針を定めるため、明文化する必要があった。
    「私たちは、現在そして未来の、世界の消費者の生活を向上させる、優れた品質と価値を持つP&Gブランドの製品とサービスを提供します。その結果、消費者は私達にトップクラスの売上と利益、価値の創造をもたらし、ひいては社員、株主、そして、私たちがそこに住んて働いている地域社会も繁栄することを可能にします。」

    ◯1992年頃、アーツト
    (業務プロセス改革(BPR)、SGEプログラム導入)

    ・価値観や文化の明確化
    P&Gカレッジを創設。GEのクロントンビルをモデル。マネージャー向けの教育を実施。

    ◯1990年台中盤頃、ダークヤーガー社長、ペッパーCEO
    OGSMと呼ばれる、目的、ゴール、戦略および評価指標をまとめた一枚のシンプルな計画表を活用した事業管理を推進。年一回見直し。

    ◯1990年代後半 ペッパー&ヤーガー
    ・スロースピード、リスクを避ける企業文化→挑戦し、新しい知恵と学習の共有に重きを置き、明確なビジョンを示すリーダーシップが奨励される文化への変革
    リーダーシップ評価、トレーニングプログラム、役員報酬や評価基準を全て見直した
    (詳細はP&G organization 2005 overview しかし有料のケースがヒット)

    ・役員委員会(30名)→廃止→グローバルリーダーシップ評議会(12名、CXO、事業部長、財務、R&D、人事のトップ)全体的な戦略的方向性の定時、価値観や行動原則が実行されているかの確認
    ペッパーは引退し、ヤーガーをCEOに任命。

    ◯1999年 ラフリー
    ・しかし、性急な改革(マトリックス組織への変更:7つの製品部門と8つの地域)と、目標が高すぎたことにより業績、株価共に低迷、ヤーガーは退陣、ペッパー復帰、ラフリーにバトンタッチ。

    ・現状把握、スピード原則、マトリックス組織の部門数を削減、選択と集中、により、オーガニゼーション2005を修正。これにより2000年代頭に復活。

    https://www.amazon.co.jp/dp/4492540105/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1504353879&sr=8-1&keywords=P%26G%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4

  • 約10年前に出版されたRising tideの日本語訳。原本はP&Gの社史様が強かったが、日本語版はだいぶ経営論的解説が挟み込んであり、全くの別本に仕上がっている。学ぶことも多かったが、一方で、原本から削除されてしまった内容も多く、訳者の意志が入りすぎの感もうかがえる。他の訳本もどこまで忠実に訳されているのか疑心暗鬼にさせられる本でもあった。

  • 十分大ボリュームだが、6章分を割愛しているとのこと。

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著者プロフィール

デーヴィス・ダイアー
ウィンスロップ・グループ共同創設者兼理事
マサチューセッツ州ケンブリッジに本部を置き、歴史・記録文書の保管サービスを提供したコンサルティング企業であるウィンスロップ・グループの共同創設者兼理事。『ハーバード・ビジネス・レビュー』の元アソシエイトエディターであり、企業戦略について広くコンサルティングを行っている。共著書に、Changing Fortunes: Remaking the Industrial Corporation(共著、Wiley)、The Generations of Corning: The Life and Times of a Global Corporation(Oxford University Press)、Performance Without Compromise: How Emerson Consistently Achieves Winning Results(Harvard Business Review Press)などがある。

「2013年 『P&Gウェイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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