仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

著者 :
  • 東洋経済新報社
3.80
  • (409)
  • (719)
  • (584)
  • (68)
  • (18)
本棚登録 : 7187
感想 : 603
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492555552

作品紹介・あらすじ

仮説から始めれば作業量は激減する。BCGコンサルタントが3倍速で仕事を進められる秘訣。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  「問題を解決する際はその原因を調査するのではなく、仮の答えを設けそこから原因を調査すべきだ。」

    上記が仮説思考を持つということであり、本書の結論です。

     例えば「新商品が売れない」という問題を解決するためには原因を調査して調査した大量の情報からそれっぽい原因を探すのではなく、「新商品が売れないのは、価格が高すぎるからだ!!」と最初に決めつけてから自分の答えが合ってるかの調査するというものです。その後の調査で、他社の新製品の方が高いのにそっちは売れているという事実が発覚したなら、自分の仮説は間違ってたので、別の仮説を立てる。「新製品が売れないのは、市場へのPRが足りていないからだ!!」そして調査、、、といった具合です。
     仮説思考の利点は何よりスピーディーに仕事が進む点です。他の人が情報収集をせかせかやっている時間で、答えを設けどうやら自分の仮説は正しそうだと思ったら、それを証明する根拠を少し揃えれば良いだけです。

     昔、中学の数学テストで証明問題がありましたがテスト文に「〇〇が正しいか証明せよ、正しくないなら正しい数値を解答せよ」という問題がありました。これってわざわざ正しい数値答えろって書いてるからにはきっと間違ってんだろうなと思って解いたことを覚えています。このやり方だとすごく問題が解きやすかったと覚えています。だって他の人が正しいかどうかを考えている間に私は正しい数値を計算してたんですから。


    普通の問題解決フローは以下のとおりだと思います。
    ①情報収集
    ②情報を組み立てる
    ③結論を出す
    ④結論が合ってるか確認する
    ⑤④が間違ってたら①からやり直し

    ④まで頑張って出した結論が間違ってたら①からやり直しです。それぞれのステップに1日づつかけたとした場合4日のロスです。


    これを仮説思考にすると。
    ①結論を出す
    ②結論が合ってるか確認する
    ③①が間違ってたら①からやり直し
    ④情報収集(①の段階で構造はできてるから情報の組み立ては済んでます。)

    ②の仮説が間違ってたとしても①に戻されるだけです。④は最後に1回やればすみます。
    実際はこんなにうまく行くことは少ないでしょうけど、仮説思考をうまく使いこなせたらこの上ない武器になるはずです。

     本書は内容が濃く、感想というより自分の中の要約メモみたいな形になってしまいました(汗)

     総評として本書は内容も単純ではなく、実際の現場で活用するのも難しいですが、活用できれば最高のスキルになるであろう仮説思考を学べます。ぜひレベルアップしたいビジネスパーソンに読んでいただきたいです。

  • 自分の作業レベルの一段ないし二段くらい上から全体像を見て、幹を描き、見通しを立てて進めること。未だに、つい自分の担当領域を狭く深くしたくなり手元だけにライトを当てたくなりがちなので、精進しなければ。

    本書の内容の大半は、20代の頃、今より更にだいぶ浅はかだった頃の私に、当時いた経営企画部の先輩から教えてもらった姿勢。読みながら懐かしくなった。
    生意気だった私に根気強く(多分だいぶ呆れながらだったとは思うけれど…)付き合って頂いて、有難いことだったな。今度会った時にはちゃんと感謝を伝えないと…。

  • 名著。仮説を立ててから分析、実行に移るべきということが繰り返し書かれている。

  • メモ
    ・大切な3つの能力
    人生に必要な3つの能力は、先見性と決断力と実行力だ。人生を良くする行動のためには、決断力が必要。決断にはタイムリミットがある為、仮説思考で意思決定スピードを上げる。

    ・情報過多と意思決定スピード
    情報過多は意思決定を遅らせる。
    なぜなら、集めた情報の量に比例して、新たな懸念点が見つかるからだ。その為、懸念点に対する情報取集が必要になる。
    その結果、情報量が多いほど、意思決定が遅くなるのだ。

    ・良いディスカッション
    良いディスカッションには「仮説を立てて臨むこと」が必須。
    仮説を別の視点を持った他人にぶつける事で、新たな仮説が生まれる。

    ・仮説思考vs網羅思考
    仮説思考は網羅思考より、効率的。
    何故なら、網羅的分析は時間がかかる上、100パーセントの正解は出せないからだ。
    少ない情報でも、実際に仮説を持って行動し、改善を続ける事で、より良いアウトプットができる。


  • ・手に取った経緯
    以前から目をつけていたが、上司との仕事が失敗したときに「今回は仮説を持たずに進めてしまったのが失敗の原因だった」と振り返っていてハッとして購入。

    ・本書の要旨(及び自分との相性)
    自分が、何でも事細かに把握しようとする「網羅思考」の持ち主である、ということを周囲から指摘されていたのだが、改善の決定打を見出せずにいた。網羅思考とはつまり、解決したい問題に対してあり得る原因を細かに洗い出し、その一つ一つの優先度と解決策を検討して進めていくような考え方だ。これは問題解決においてある種理想的だが時間がかかる。
    本書では、いかにその思考がビジネス上効率の面で好ましくないか、ではどのように考えれば素早く仕事を進められるのか(=仮説思考)を説明している。自分の悩みにピッタリな本と感じた。

    • hiba_fun さん
      swagくんは物事をありのままに見るのを大切にしているような気がする。
      だからこそ本書が響いたのかなと思いやした!

      相談すると仮説を持たず...
      swagくんは物事をありのままに見るのを大切にしているような気がする。
      だからこそ本書が響いたのかなと思いやした!

      相談すると仮説を持たずにありのまま受け止めてくれるのが嬉しかったわ!
      なので、その良さを活かしつつ仮説思考を身につけられるといいっすね!
      2022/02/07
  • 仮説から始めることで問題解決の質・スピードを向上させることができる。

    日常的に少ない情報から仮説を立てる癖をつけたい。
    また、他人に恐れず壁打ちすることは、仮説強化の面以外にも非常に重要だと感じた。

  • 課題解決型の営業をしていて、これまで提案する際には顧客からなるべく多くの情報を収集して問題の根本的原因を掴むアプローチをしてきて、それが競合との差別化にあたると思っていた。しかしこの本を読んで全くの逆で、僅かな情報の中から解決策や戦略まで踏み込んで全体像(ストーリー)を考えることを学んだ。この考え方を知ったことは目から鱗。

  • 学んだこと
    ・闇雲に情報収集したり分析したりしてから意思決定をしようとすると、かえって時間がかかる(網羅思考)。
    ・いかに少ない情報から早期の段階で仮説を持つか。
    ・一段掘り下げられて、具体的な戦略に結びつく仮説が良い仮説である。

    仮説ありきで仕事を進めることの重要さに関して、イシューから始めよでも同じようなことが書かれていたなと個人的に感じた。それだけ仮説を立てることが重要であり、仕事なり研究なり所謂デキる人らの共通項なのだろうと思う。大学時代に研究室に配属された時に、研究室の教授が言っていたことともなんとなく重なるような感じがした。「限られた時間の中で卒業研究や修士論文の研究で成果を出すには、いかにやらなくて良いことをやらないかだ。やらなくて良い実験や分析に時間を取られたら、本当に必要なことに時間が割けなくなって、結局研究は浅くなってしまう。でも研究室に配属されたばかりの人たちは、まだ必要なことと不要なことの区別がつかなくて、とりあえず手当たり次第に実験をしまくるような人も多いので、困った時はすぐに相談して欲しい。」

  • コンサル界では必読書のようなので読んだ

    「いかに少ない情報で仮説を立てて検証をするか」がカギ。今までの人生では「多くの情報を暗記しながら、少しでも分からないことがあれば仮説は立てられない」というこの本とは真逆のアホみたいな思考で暮らしていたので、伸び代あるんかな

    いずれにしろ有益なことを学んだ

  • 仕事をする上で仮説をまず考えよう

    【メリット】
    ⚫︎意思決定が早くなる。
    今ある選択肢をいかに絞り込むかという視点。

    その結果、生産性が上がる

    情報コレクターになると、実行が遅くなる。

    【仮説の進め方】
    仮説、検証のストーリーを立てる

    ストーリーに必要な情報だけ作り上げる。
    間違っているストーリーだった場合、仮説を肯定する情報が集まらない。その時点で軌道修正する。

    【考え方】
    ①反対側から見る。ライバル、顧客視点で見る。
    ②両極端に振って考える。
    ③ゼロベースで考える。
    現状のやり方の延長線上で考えない。


全603件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

早稲田大学名誉教授。東京大学工学部卒業後、日本航空入社。在職中に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。その後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)入社。同社のパートナー、シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、2000 年から2004年までBCG日本代表を務める。
この間ハイテク、情報通信サービス、自動車業界を中心にマーケティング戦略、新規事業戦略、グローバル戦略の策定、実行支援を数多く経験。2006年度には「世界の有力コンサルタント、トップ25人」に選出。
2006年、早稲田大学教授に就任。早稲田大学ビジネススクールでは競争戦略やリーダーシップを教えるかたわら、エグゼクティブプログラムに力を入れる。早稲田会議創設。早稲田大学ビジネススクールと日本経済新聞のコラボレーション企画『MBAエッセンシャルズ』創設。
著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』『イノベーションの競争戦略』(以上、東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』『ゲームチェンジャーの競争戦略』『リーダーの戦い方』(日本経済新聞出版)、『意思決定入門』(日経BP)など多数。

「2023年 『アウトプット思考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内田和成の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×