地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

著者 :
  • 東洋経済新報社
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本棚登録 : 6019
レビュー : 666
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492555989

作品紹介・あらすじ

地頭力の本質は、「結論から」「全体から」「単純に」考える三つの思考力である。この三つの思考力は訓練によって鍛えることができるものであり、地頭力を鍛えるための強力なツールとなるのが「フェルミ推定」である。

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    ノリが軽いタイトルからは想像できないくらい、奥が深くて複雑で、しっかりと構成された作品。
    読む前は、「雑学を知るような、取るに足らない内容なのかな~」と思っていたけど、、、本当に目から鱗の連続で、非常に興味深くて勉強になった。

    情報であふれるこの現代を生きるにあたり、必要とされる能力といて「物知り・記憶力」「機転が利く・理解力」「考える力・地頭力」の3つに分け、中でも「地頭力が必須になってくる」というのが本書のテーマ。
    どの能力も優劣なく大切だが、より後天性があり、尚且つ今からでも鍛える事が出来るのは「地頭力」だと個人的にも思った。
    フェルミ思考に限らず、日常のありとあらゆる場面での「考える」という作業において、かなり役立つ思考法が本書には書かれていた。

    では、その「地頭力とは何か?」となってくるのだが、これまた3層構造となっている。。。
    最上層は、「3つの思考力」。
    構成としては「抽象化思考」、「フレームワーク思考力」、「仮説思考力」が挙げられ、これもまた3つに分かれている。

    次に中層として、思考力のベースとなる「論理的思考」「直感力」の2つが挙げられる。
    ※ちなみに、この2つをメインテーマにした書籍は多数存在するし重要な要素であるが、「あくまでベースであってメインのアプローチ方法は上の3つの思考法」というのが本書の肝である。

    そして最下層は、すべての基礎となる「知的好奇心」。
    要するにスキル以上に「問題と楽しく向き合う」というマインドは必要不可欠なのでしょう。誠にごもっともだね!!


    等々・・・
    こうして文字にすると中々複雑なんだけど、思考法としては非常に的を得ているものだと思う。
    何より1番大切なのは、すぐに記憶や既存の情報に頼ろうとせず、イチから問題解決に向き合おうとする姿勢そのものなんでしょう。

    尚、「3つの思考力」に関しては、読んで理解してもそれを実践するのは非常に難しい。
    タイトルの通り、「鍛える」事が必要不可欠だ。
    このような思考力を日常的に用いて日々訓練し、慣らして頭に馴染ませていく必要があるなと思った。
    幸い、仕事でもプライベートでも、何らかの判断が必要な場面なんて無数にあるのだから・・・

    また読み返したい、至高の1冊です。


    【内容まとめ】
    1.フェルミ推定とは?
    実際に調査するのが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算すること

    2.頭の良さは3種類
    ・物知り、記憶力がいいタイプ
    ・機転がきく、相手の気持ちを先回りして理解できるタイプ
    ・「考える力」が強いタイプ←地頭力がある。

    3.フェルミ推定に一番求められるのは、問題解決に対しての好奇心。
    「Z軸(知識・記憶型)」のようにすぐに知識に頼ろうとしたりせず、わからない情報を次々と推定していく姿勢を重視すること。

    4.「先にある程度結論を想定してからデータを集めた方が効率的じゃないかな?まずは目次を考えたらどうだろう?」
    ・精度が低いけどクイックレスポンス。
    ・データを集め始める前に仮説を立てる。
    ・枝葉にこだわらず、まずは概算を立てる。

    5.「結論から考える」仮説思考力
    →簡単に言えば、「逆算して考えること」。
    ・今ある情報の中で最も可能性の高い結論を仮説・想定する。
    ・常にそれを最終目的地として強く意識する。
    ・情報の精度を上げながら検証を繰り返して仮説を修正しつつ、最終結論に至る。

    ポイント
    ・少ない情報からでも仮説を構築する
    ・前提条件を設定して先に進む
    ・時間を決めてとにかく最終結論を出す

    留意事項
    ・はじめの仮説にこだわりすぎるべからず。
    ・結論の深掘り、検証が甘くなるリスクに注意。

    6.「全体から考える」フレームワーク思考力
    →思考のクセを取り払う!
    →課題の全体像を、高所から俯瞰する全体俯瞰力。
    →全体像を最適の切り口で切断し、断面をさらに分解する分解力。
    ⇒因数分解を用いて、全体として一つに見えている要素を複数の構成要素に分解する。

    フレームワーク思考力まとめ
    ・目的として、「思考のクセを取り払って」、コミュニケーションを効率的に進めると共に、ゼロベースで斬新な発想を生み出す。
    ・フレームワークで考えるためには、個人個人の「相対座標」と、誰もが共通に考えられる「絶対座標」を意識する必要がある。
    ・フレームワーク思考力は、大きく「全体俯瞰力」と「分解力」に分けられる。

    フロー
    ①全体俯瞰
    ②「切り口」の選択
    ③分類
    ④因数分解
    ⑤全体俯瞰とボトルネックの発見

    7.「一を聞いて十を知ること」抽象化思考力
    限られた知識の応用範囲を飛躍的に広げる。
    対象の最大の特徴を抽出して、「単純化」「モデル化」した後に一般解を導き出し、それを再び具体化して個別解を導き出す。
    イメージとして、一度対象を二階(抽象レベル)にあげて、二階にある「道具」で解決し、再び一階(具体レベル)に下ろしてくるという3ステップ。
    (二階にある道具とは、先人が積み上げた法則や知識のことを指す。)

    ・本質を理解すれば、「30秒で」説明できる。
    「単純に考える」とは、深く考えないという意味ではない。むしろその正反対だ。
    物事を考えに考え抜き、突き詰めた結果到達した本質。
    つまり、「要するにそれは何なのか?」という非常にシンプルな回答なのである。

    8.目指すべきは、「合理的(X軸)に考えて、感情的(Y軸)に行動する」という領域。
    「X軸とY軸の往復」が必要!!
    人の悩みを「よくあること」といって一般化することは決してしてはならない。
    第三者から見て「よくあること」でも、本人は大抵「自分のケースは特別だ」と思っているからである。

    まずはY軸的に特別な相手としてしっかりと悩みを聞き出す。
    そしてX軸に移行してある程度一般化し、それを再びY軸に戻して、特別な個人としての相手にしっかりと伝える。
    「X軸とY軸の往復」が必要となる。

    目指すべきは、「合理的に考えて、感情的に行動する」という領域である。
    X軸とY軸は相反するものの場合が多いが、バランスよく使いこなせるのが真の「地頭型多能人」なのである。



    【引用】
    あなたは日々の暮らしの中でどこまで本当に自分の頭を使って考えているだろうか?


    p2
    ・インターネットという情報の大海は「諸刃の剣」。
    インターネット情報への過度の依存は三つの意味での危険をはらんでいる。
    第一は、素人参加型の情報源であるので、鮮度が高い反面で精度に疑いが残ること。
    第二は、環境変化が著しく速くなったため、陳腐化が激しくなってきてること。
    第三は、情報への過度の依存が思考停止を招く可能性があること。

    これから本当に重要になってくるのは、膨大な情報を選別して付加価値をつけていくという、本当の意味での創造的な「考える力」である。
    「フェルミ思考」で地頭力を鍛える!


    ※フェルミ推定とは?
    実際に調査するのが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することを指す。


    p15
    ・頭の良さは3種類
    1.物知り、記憶力がいいタイプ
    2.機転がきく、相手の気持ちを先回りして理解できるタイプ
    3.「考える力」が強いタイプ←地頭力がある。
    どれも不可欠な要素だが、特に「地頭力」は未知の領域で問題解決していく能力という点において、環境変化の多い今日においては非常に重要な能力である。


    p23
    ・地頭力の構成要素は3層構造
    1.直接的な構成要素である3つの思考力
    →抽象化思考「単純に考える」
    →フレームワーク「全体から考える」
    →仮説思考「結論から考える」

    2.それらのベースとなる論理的思考と直感力

    3.すべての基礎となる知的好奇心


    p53
    ・フェルミ推定の基本プロセス
    1.アプローチ設定
    →どうすれば解答に行き着けるのか、アプローチ方法を考え設定する。

    2.モデル分解
    →対象をモデル化し、単純な要素に分解する。

    3.計算実行

    4.現実性検証
    計算した概算結果がどの程度現実に近いのかをチェックする。


    例:日本全国に電信柱は何本あるのか?
    1.面積当たりの電柱本数を日本国土に展開する。
    2.全体を市街地と郊外に分類
    3.面積当たりの本数に分解

    ・市街地の本数
    =日本の総面積38?×市街地率0.2×1?400本≒2,400万本

    ・郊外の本数
    =日本の総面積?×郊外率0.8×1?25本
    ≒600万本


    p63
    フェルミ推定に一番求められるのは、問題解決に対しての好奇心。
    「Z軸(知識・記憶型)」のようにすぐに知識に頼ろうとしたりせず、わからない情報を次々と推定していく姿勢を重視すること。


    p76
    ・地頭課長と積上クンの会話
    地頭「詳細のデータを集める前に、まずは全体のストーリーが重要なんじゃない?」
    地頭「先にある程度結論を想定してからデータを集めた方が効率的じゃないかな?まずは目次を考えたらどうだろう?」

    積上「そこで学んだ考え方として、
    1.結論から「仮説思考」
    2.全体から「フレームワーク思考」
    3.単純に「抽象化思考」
    という3つの視点を学びました。」


    p81
    ポイント
    ・精度が低いけどクイックレスポンス。
    ・データを集め始める前に仮説を立てる。
    ・枝葉にこだわらず、まずは概算を立てる。


    p96
    ・「結論から考える」仮説思考力
    →簡単に言えば、「逆算して考えること」。
    1.今ある情報の中で最も可能性の高い結論を仮説・想定する。
    2.常にそれを最終目的地として強く意識する。
    3.情報の精度を上げながら検証を繰り返して仮説を修正しつつ、最終結論に至る。

    ポイント
    ・少ない情報からでも仮説を構築する
    ・前提条件を設定して先に進む
    ・時間を決めてとにかく最終結論を出す


    p101
    ・プレゼンについて
    「アジェンダ説明→個々の報告・説明」という展開になっていないか?
    そうではなく、「この報告が相手にとってどういう意味があるか」「相手にどうしてほしいか」という、相手との「目的の確認」を最初に織り込むべきである。


    p118
    仮説思考の留意事項
    ・はじめの仮説にこだわりすぎるべからず。
    ・結論の深掘り、検証が甘くなるリスクに注意。


    p121
    ・「全体から考える」フレームワーク思考力
    →思考のクセを取り払う!
    →対象とする課題の全体像を高所から俯瞰する全体俯瞰力。
    →とらえた全体像を最適の切り口で切断し、断面をさらに分解する分解力。


    p135
    ・「ズームイン」の視点移動で考える。
    全体俯瞰している人は、他人に説明するときも必ず誰もが共有している全体像から当該テーマにズームインして入ってくるために、誤解が少ない。
    全体俯瞰力が弱い人は、いきなり自分の視点から説明をはじめ、思いついたように全体像へと話を広げる「ズームアウト」方式なので、説明がわからなくなる。


    p148
    ・因数分解とは、「掛け算の分解」
    因数分解を用いて、全体として一つに見えている要素を複数の構成要素に分解する。

    ・売上=定価×数量

    分解した要素の中で、何がキーとなる要因なのかを考える事ができる!


    p156
    フレームワーク思考力まとめ
    ・目的として、「思考のクセを取り払って」、コミュニケーションを効率的に進めると共に、ゼロベースで斬新な発想を生み出す。
    ・フレームワークで考えるためには、個人個人の「相対座標」と、誰もが共通に考えられる「絶対座標」を意識する必要がある。
    ・フレームワーク思考力は、大きく「全体俯瞰力」と「分解力」に分けられる。
    ・全体プロセスとしては以下の通り。
    1.全体俯瞰
    2.「切り口」の選択
    3.分類
    4.因数分解
    5.全体俯瞰とボトルネックの発見


    p158
    ・抽象化とは、「一を聞いて十を知ること」
    抽象化して考えることがなぜ必要なのか?
    それは、「限られた知識の応用範囲を飛躍的に広げるため」である。

    抽象化思考では、対象の最大の特徴を抽出して、「単純化」「モデル化」した後に一般解を導き出し、それを再び具体化して個別解を導き出す。

    イメージとして、一度対象を二階(抽象レベル)にあげて、二階にある「道具」で解決し、再び一階(具体レベル)に下ろしてくるという3ステップ。
    二階にある道具とは、先人が積み上げた法則や知識のことを指す。


    p170
    ・本質を理解すれば、「30秒で」説明できる。
    「単純に考える」とは、深く考えないという意味ではない。むしろその正反対だ。
    物事を考えに考え抜き、突き詰めた結果到達した本質。
    つまり、「要するにそれは何なのか?」という非常にシンプルな回答なのである。

    どうしても説明が長く、また資料が複雑になるというのであれば、まだまだ思考が浅く、本質に至っていないと考えた方がいい。


    p172
    ・色々なものを、30秒でうまくプレゼンできるように訓練してみよう!
    例:新聞の記事、読んだ本、仕事内容、自分自身など、、、


    p186
    ・地頭力の3つのベース
    1.論理的思考力
    2.直感力
    3.知的好奇心

    守りの「論理」と攻めの「直感」。
    相反するものではなく、両輪と言える。
    そして、地頭力のそもそものベースであり、一番重要視するべきなのは「知的好奇心」である。
    「知的好奇心」は、三つのアプローチや論理的思考・直感力など、すべての要素を動かす最下層での原動力となる。


    p204
    「少ない情報で仮説を立てる」という根本的な考え方。
    「問題解決のために必要な仮説をとにかく立てる」というチャレンジの姿勢が大切!


    p208
    ・エレベーターテスト
    自分のが取り組んでいるプロジェクトの状況を、「いつでも」「短期間で」説明できるように常日頃から準備をしておくこと。
    そのためには、「ゴール地点」と「全体像」の把握、そしてそれらを「簡潔に説明できる」ようにしておく必要がある。


    p214
    「結論から」「全体から」「単純に」考えること!


    p215
    ・X軸「地頭力・論理」で考えて、Y軸「対人感性力」で行動する。
    人の悩みを「よくあること」といって一般化することは決してしてはならない。
    第三者から見て「よくあること」でも、本人は大抵「自分のケースは特別だ」と思っているからである。

    まずはY軸的に特別な相手としてしっかりと悩みを聞き出す。
    そしてX軸に移行してある程度一般化し、それを再びY軸に戻して、特別な個人としての相手にしっかりと伝える「X軸とY軸の往復」が必要となる。


    p219
    夏目漱石「草枕」の冒頭一説
    「智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎に角人の世は住みにくい。」

    目指すべきは、「合理的に考えて、感情的に行動する」という領域である。
    X軸とY軸は相反するものの場合が多いが、バランスよく使いこなせるのが真の「地頭型多能人」なのである。

  • 内容紹介
    企業、特にコンサルティング会社の採用現場などでは、単に頭がいい人ではなく、「地
    頭のいい人」が求められている。
    インターネット情報への過度の依存が思考停止の危機を招き、検索ツールの発達による
    「コピペ(コピー&ペースト)族」が増殖しているいま、「考える」ことの重要性がかつ
    てないほどに高まっているからだ。これから本当に重要になってくるのはインターネット
    やPCでは代替が不可能な、膨大な情報を選別して付加価値をつけていくという、本当の
    意味での創造的な「考える力」である。本書ではこの基本的な「考える力」のベースとな
    る知的能力を「地頭力(じあたまりょく)」と定義している。

    では、地頭力とは何か。地頭力の本質は、「結論から」「全体から」「単純に」考える
    3つの思考力である。すなわち「結論から」考える仮説思考力、「全体から」考えるフレ
    ームワーク思考力、「単純に」考える抽象化思考力だ。
    この3つの思考力は鍛えることができるものであり、地頭力を鍛える強力なツールとな
    るのが「フェルミ推定」である。「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」。こうした荒
    唐無稽とも思える問いへの解答を導き出す考え方のプロセスを問うのが、「フェルミ推
    定」だ。「フェルミ推定」と呼ばれるのは、「原子力の父」として知られ、ノーベル物理
    学賞受賞者でもある、エンリコ・フェルミ(1901~1954)に由来する。

    本書では、「日本全国に電柱は何本あるか?」といった例題やその解答例から「フェル
    ミ推定」のプロセスを紹介しつつ、「好奇心」「論理的思考力」「直感力」という地頭力
    のベースとそれらのベースの上に重なる仮説思考力、フレームワーク思考力、抽象化思考
    力の3つの構成要素とその鍛え方を解説している。

    本書は、季刊『Think!』2007年春号に掲載されて大きな反響を呼んだ「フェルミ推定で鍛える地頭力」をもとに全面的に書き下ろしたものである。本書が対象とする
    のは、「問題解決」を必要とする業務に携わるビジネスパーソンはもちろんのこと、「考
    える力」を向上させたいと考える学生なども含めたすべての職業の人である。フェルミ推
    定による地頭力トレーニングの世界を経験し、「地頭力」という武器を持ってインターネ
    ットの情報の大海をうまく乗り越え、読者なりの「新大陸」を発見してほしいというのが、
    著者から読者の皆さんへのメッセージだ。


    人は考える葦である。
    かの有名な方がおっしゃった名言ですが、考えることが出来るということはすばらしいことですよね。
    情報はネットという世界を通じればすぐに手に入りますが、それをどのように生かしていくのか?
    という風な考えをすることは生きていく上で大事なところが多々あるでしょうね。
    僕も癖をつけないと。。。

  •  経営企画に必要なのはこういう能力だから一読するように、と上司から仰せ付かって読んだ本。
    ■著者の主張
     知識がインターネットから簡単かつ迅速に手に入るようになった今、ビジネスマンに必要なのは地頭力。地頭力とは仮説思考力(結論から考える)、フレームワーク思考力(全体から考える)、抽象化思考力(単純に考える)の3つ。これら3つを支えるのが論理的思考力(サイエンス)と、直感力(アート)。さらにこの2つを支えるのが問題解決(why)型の知的好奇心(≠知識(what)型)。
    ■仮説思考
    プロセス: 仮説を立てる⇔検証/仮説の修正 ※繰り返し
    ポイント: 検証で精度を高める(当初仮説から軌道修正も必要)、デッドラインから逆算してそれなりの成果物を仕上げる(タイムボックス)、少ない情報でも割り切る
    ■フレームワーク思考
    プロセス: 全体俯瞰⇒切り口選択⇒分類(足し算)⇒因数分解(掛け算)⇒全体再俯瞰、ボトルネックの発見
    ポイント: 分類する箱から先に考える(≠項目抽出後に分類)
    ■抽象化思考
    プロセス: 抽象化⇒解法(アナロジー)の適用⇒再具現化
    ポイント: 対象の最大の特徴(=本質)で単純化(=モデル化)、枝葉は切り捨てる、アナロジーは、たとえ話で言い換える
    ■地頭力の鍛え方
    フェルミ推定(※数字にも強くなる)、日常の中で問題意識を持つ

     著者が参考にした文献には、以前に読んだ内田さんの「仮説思考」や外山さんの「思考の整理学」などが。「コンサルに必要な思考法ってこんなもの」ってのを端的にまとめてあるように思う。詳細は参考文献に書いてあるものを読んでいくと良さそう。入門書、あるいはある程度読書や実務を重ねた上での頭の整理に使えそう。
     採用選考で使われることの多いフェルミ推定。某社の人事から、採用選考時のフェルミ推定のポイントと採用後の実務のパフォーマンスとの間に相関関係はなかったのでやめたと聞いた。たぶん何故フェルミ推定がトレーニングになるかということを理解して取り組まないと効果は無いということかな、と思う。

  • 誰でも検索エンジンを使えば情報にアクセスできる現代、それらを取捨選択し有効な形で利用する「考える力=地頭力」が求められている。デジタルデバイドは解消され、ジアタマデバイドという、考える力による新たな二極化が進むだろう。

    地頭力に優れた人の思考法には「結論から、全体から、単純に」という、3つの共通点がある。そして、フェルミ推定によって、その思考法と紐づいた「仮説思考力、フレームワーク思考力、抽象化思考力」を効率的に身につけることができる。

    ①仮説思考力=結論から
    どんなに少ない情報からでも仮説を立て、常にそれを最終目的地として意識し、検証を繰り返して精度の高い結論を出す力。
    ②フレームワーク思考力=全体から
    課題の全体像を高所から俯瞰し、それを最適の切り口で切断し、さらに断面を分解する力。
    ③抽象化思考力=単純に
    枯れ葉を切り捨てることで課題を単純化し、一般解を導き出して、それを再び具体化して個別解を導く力。

    そしてこれらの思考力には、万人に理解されるための「論理」と、新たなものを生み出していく「直感」が必要となる。

    さらにその全ての能力のベースには、既に何らかの実態があるものに対して自分なりに考える「知的好奇心」が必須である。

    しかし、ジアタマデバイドで更なる成果を出すためには、「地頭力で考えて対人感性力で行動する地頭型多能人」になる必要がある。対人感性力の大原則は「一人ひとりの人間は個性が違う」という、地頭力と正反対の性質を持つ。

    つまり、地頭型多能人は時と場合によって、2つの思考力を使い分けることが求められる。

    "Think Rationally, Aat Emotionally"

  • 例え正しい問題定義ができたとしても、適切な切り口で「根本課題の特定」ができなければ、問題解決は的外れなものになる。

    本書がテーマにしているフェルミ推定とは、自分が全く知らないこと対して、知識と仮説思考を用いて概算を導き出す方法論だ。

    このフェルミ推定によって鍛えられる思考力とは「どのような切り口で考えるべきかを考える」力だ。

    例えば「日本のピアノ調律師は何人か?」という問いの場合「日本にあるピアノの台数は?」「ピアノの調律頻度は?」「1人の調律師が1年で調律できるピアノ台数は?」の3つの論点が設定できれば、そこからピアノ調律師の人数は推定可能となる。

    ロジカルシンキングは、物事を分解していくことで「根本的な課題」や「具体的な解決策」の仮説を導き出していく思考法だが、分解していく際の「切り口=論点」を間違えば、精度の高い仮説は導き出せない。

    もし、問題解決の際に「精度の高い仮説創り」に悩んでいるのなら、実は「仮説思考」の手前にある「仮説を創る際の切り口(=論点)を設定する力」に問題がある可能性が高い。

    本書は、そのような「論点を設定する力」を身に付ける上で、良きトレーニング本となる良書だ。

  • 「頭のいい人」は3種類に分けられる。
    ①記憶・知識力
    ②対人感性力
    ③地頭力

    ①は物知り。クイズ王など。②は機転が利く。コメディアンや司会者など。③は地頭がいい。数学者や棋士など。

    今までは①が重要視されていたが、インターネットの登場で誰でも簡単に専門的な情報を手に入れることができるようになった。だから今後重要視されるのは、③だという。つまりは思考力。

  • 出だしから頭の良さについて解説。知識、コミュニケーション力、論理力に分けられる。ネットの発達した今では知識による差が無くなり所謂コピペだらけになるので素の頭を鍛え頭の良さの軸を変えようと啓蒙した書物。
    結論から、全体から、単純に、考えるべしということで日本全国の電柱の数を知るのにフェルミ推定を使って解説。知識があれば活用しなければフェルミ推定を使ってアタリをつけていくというの勉強になる。

  • 20200114
    地頭力(=結論から、全体から、単純に)が情報社会においては重要な能力であり、それを鍛えるためにフェルミ推定が多いに役立つという趣旨。
    日々、簡単な計算を思考する癖を付けることで、全体感を持つことと数字的感性を持つことを意識したい。
    最終的には、考えるスペックとしての地頭力を鍛え、感性的コミュニケーション能力も鍛え、知識・教養を多く持っている人間になりたい。

    //MEMO//
    東大生のフェルミ推定やケースにて、推薦されていた著作。
    フェルミ推定をする過程で、シンプルに全体感を見通し、結論に迫る方法を体現したい。そのためのヒントをより得たい。

    結論から
    全体から
    単純に

    頭が良いとは
    ①幅=知識・記憶力
    ②スピード=対人感性力
    ③深さ=地頭力

    地頭力
    ①仮説思考=結論から
    ②フレームワーク思考力=全体から
    ③抽象化思考力=単純に

    知的好奇心
    論理力
    直観力

  • この本は、自分の思考の癖に気付かされた。
    仮説を立てるためにはもっと情報が必要と思っていたけど、今ある情報である程度の概算を立てることが大事。その際に瑣末な所は気にせずに仮説を立てる。
    地頭力と対人関係のスキルとでは、真逆であり、自分は地頭力に寄ってきていた。これを両輪として機能するには難しいけど、日々のトレーニングをしていく。

  • 「フェルミ推定」で『考える力』を これからは「考える力」を重視する”ジアタマデバイド”時代に…⁉
    問題解決にきっと役立つ「フェルミ推定」を知って考える力を鍛えませんか?

    *配架場所
    http://opac.matsu.ac.jp/opac4/opac/Holding_list?rgtn=131051

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著者プロフィール

ほそやいさお
1964年、神奈川県生まれ。東京大学工学部卒業後、東芝でエンジニアとして勤務後、アーンスト&ヤング・コンサルティング(クニエの前身)に入社、ビジネスコンサルタントの世界へ。2009年よりクニエのマネージングディレクター、2012年より同社コンサルティングフェロー。現在は問題解決や思考に関する講演やセミナーを国内外の大学や企業などに対して実施している。 『地頭力を鍛える』(東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『メタ思考トレーニング』(PHPビジネス新書)などベストセラー多数。

「2020年 『問題発見力を鍛える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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