脳地図を書き換える―大人も子どもも、脳は劇的に変わる

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492556450

感想・レビュー・書評

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  • 脳についての本は定期的に読みたくなる。
    左側の前頭葉を活性化すれば、ポジティブ脳に!
    瞑想は身につけたい技だ。

  • 結局は自分次第!

  • 今までもっていた脳の知識が、いい意味で根底からざっくりひっくり返されました。今の時代はどうやって教えているのかわかりませんが、自分が若いときは、脳は小さいころにその構成が固まって、大人になったら成長せず、浪費するのみみたいに聞いた記憶があります。
    しかし、脳は大人になっても変えられるものなんだな~とびっくりしました。心の持ち方一つで脳の動きを変えられるというのは、これからの生活に応用できそうな気がします。

  • 年をとるにつれて記憶力の低下を痛感していた私は、脳細胞は減る一方で仕方の無いことと諦めていました。しかしこの20年程度の脳科学の研究により、人間の脳のメカニズムが明らかになってきたようで、かつて常識と言われていたことが覆りつつあるようです。

    それには以前ノーベル賞を受賞した人が、それまで反対していた立場を変えた(p1)等ということもあったようですが、私にとって脳のメカニズムの本当の姿が明らかになりつつある事は望ましいことです。

    特に、考え方や見方を変えれば脳を変えることができ(p140)、脳を変えるために最も重要なのは、関心をむけるかどうか(p162)という内容にはその通りだと感じました。

    以下は気になったポイントです。

    ・脳の構造そのものが生活習慣によって変化するだけではなく、毎日、脳内で神経細胞が誕生しているという衝撃の事実が明らかになり、ノーベル賞学者のウィーゼル博士も長い間とっていた「脳の固定化説」の誤りを認めた(p1)

    ・脳の持ち主の行動や経験に応じて、脳は良く使われる行動・考え方にかかわる回路を強化、使わないものを弱める、これは毎日の行動・経験・考えによって決まる(p34)

    ・ウォーキングとストレッチを6ヶ月行ったグループ(60~79歳の高齢者)で彼らの脳を測定すると、ウォーキンググループでは海馬の拡大が確認された(p49)

    ・脳のシナプス数は1歳頃に最大の200兆個になるが、3歳を過ぎることには「刈り込み」という特別なプロセスによりシナプスを失い始める(p55)

    ・赤ちゃんは生後10ヶ月頃までは、地球上に存在する全ての言語の音を聞き分けることができるが、成長に従って赤ちゃんの脳が母国語を何度も聞くことで、その音が聴覚野の領域を占めるようになる(p61)

    ・言葉の発達の臨界期は、0~4歳の幼年期に始まり、11~17歳の頃には終わるので、それ以降は第二外国語をなまることなく発音することは難しくなる(p62)

    ・点字はもともと軍事(フランス)から発生した技術である(p73)

    ・単語の記憶や動詞の作成といったきわめて高いレベルな機能が、低次の脳とされる視覚野で立派にできることが明らかになった(p92)

    ・青年期における脳のシナプスの形成、刈り込みの第一段階は10歳頃まで、目と手足の協調を身につけたり(ピアノ、野球等)、空間的な配置を理解する習慣をつけることで、永続的なものとなる、第二段階としては次の15年間があり、脳には他の能力を発達させるための神経回路を構築する能力がある(p96)

    ・CI療法(強制使用法)は、辛い訓練ではあるが、10日間という短いリハビリ期間で脳卒中により麻痺していた手をかなり使えるようになることを証明した(p116)それは、脳の特定領域がダメージを受けても、その近くにある健康な領域がその機能をカバーしたからと考えられる(p118)

    ・視覚化(イメージトレーニング、リハーサル)の際に、脳は標的とする筋肉を最も望ましい形で動かすようにイメージする(p135)

    ・実際に身体各部を動かさなくても、動きをイメージするだけで運動野が拡大することが科学的に証明された(p139)

    ・脳地図を書き換える情報は外界からだけではなく心の中からも発生する、すなわち考え方やものの見方を変えれば、脳が変わる(p140)

    ・脳は感覚情報の入力によって変わると思われているが、実際に脳地図が書き換わるかどうかを決めるのは、感覚情報の入力そのものではなく、関心をむけるかどうかである(p162)

    ・幸福に貢献する3要因として、1)目的意識(何のために生きるか)、2)コントロール感(自分の人生を自分が制御しているという実感)、3)受け入れ(あるがままの自分の受け入れ)、である(p180)

    ・脳の可塑性には競争原理が働くので、かつて魅了された古い脳マップが消され、新しいテーマに対応する新しい脳マップが増えていくことになる(p197)

  • 小説資料のため購入。

  • 脳は訓練で変わる。しかもメンタルトレーニングで変わる。

    --脳の臨界期(機能が確定する時期)を証明したことでノーベル賞を受賞したトーステン・ウイーゼル博士は、大人の脳が変化するという考え方に頑なに反対していたが、後になり、自分は長いこと間違っていたと発表した。--

    というイントロで始まり、能がいかに柔軟であるかを解いてゆく。
    脳を変える情報は、外からだけでなく、心の中からも発生する。考え方やものの見方を変えれば脳も変わる。そして瞑想という心のトレーニングの効果が科学的に証明される。

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著者プロフィール

生田 哲(いくた・さとし)
1955年、北海道に生まれる。薬学博士。がん、糖尿病、遺伝子研究で有名なシティ・オブ・ホープ研究所、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)などの博士研究員を経て、イリノイ工科大学助教授(化学科)。遺伝子の構造やドラッグデザインをテーマに研究生活を送る。現在は日本で、生化学、医学、薬学、教育を中心とする執筆活動や講演活動、脳と栄養に関する研究とコンサルティング活動を行う。著書に、『遺伝子のスイッチ』(東洋経済新報社)、『心と体を健康にする腸内細菌と脳の真実』(育鵬社)、『ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く』(講談社)、『よみがえる脳』(SBクリエイティブ)、『子どもの脳は食べ物で変わる』(PHP研究所)、など多数。

「2023年 『「健康神話」を科学的に検証する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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