価値創造の思考法

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492557228

作品紹介・あらすじ

「眠れる市場」を起こすカギは「ひと」を軸にしたビジネスにある。「価値要素採掘マップ」を使ったアプローチによって、新商品は期待通りに売れ、既存商品はよみがえる。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年、「「心の時代」にモノを売る方法」を読んだので重なる話が多いけど(うまく1冊になったら1冊で読みたかったかな)、互いに補完する意味はありそうなので、2冊とも読んでも損した気分にはならない。

    「心を豊かにする商品」って光の当て方、それは価格でもモノそのものでもなく「価値」って言うものが大切になっていて、それをどう伝えるかってことが重要なんだ。そのためにも「価値要素採掘マップ」。お客様との絆を作り応援者になっていただくまでのステージ、それを考えて行こう。
    「どうして私が今、あなたから、この商品を買わなきゃいけないの?」

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    【電子書籍のみ所蔵】
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00605236

    新商品でも、既存の商品でも、どうすれば「売れる商品(サービス)」になるのか。「価値要素採掘マップ」や「顧客の旅デザインマップ」の活用法を「感性価値創造マーケティング」の第一人者が紹介する。 (出版社HPより)

  • R2.6.8~R2.7.11

    ワクワク系マーケティングで存じておりました、小阪先生の本です。
    聞いていた講義がそのままの本で、しかも読みやすく分かりやすい。
    すばらしい1冊でした。

  • <span style="color:#0000ff;"><要約>
     ポストモダンの現代は、モノの所有権だけをやり取りする、経済活動は終わった。
     かわって、消費者は「消費活動」に「体験の取引」を求めている。
     つまり、「心を豊かにする」物を購入したいと考えているのだ(ex ル・クルーゼの鍋 「あると幸せな気分になる」)。

     そのためにはそのものの持つ「価値要素」を掘り起こし、それを消費者に訴えかけるよう、概念化・言語化する必要がある。 </span>

  • すでにそこにあるものを引き出すという最も基本的なことこそ疎かにしてしまう。いつの間にか自己チューな投げ掛けに陥り自己満足に終わってしまう。価値創造、古典的な人権ケイハツの界隈にも必須の視点。ソーシャル、というのもその一端か。

  • モダン消費→ポストモダン消費→ネオポストモダン消費
    心を豊かにする商品 ル・クルーゼ

    価値創造とは販売促進ではない。現代の消費者の望む、心の豊かさと毎日の精神的充足感の実現を、支援する活動

    所有権の移転→体験の取引

    カスタマー・バリュー・プロポジション

    データ→情報 コンテクストが含まれる

    感性情報 IKEAの陳列

    価値につながる要素の概念化と言語化

    ・価値要素の採掘とメッセージへの落とし込み

    価値要素採掘マップ
    ①究極の質問 どうして私が今、あなたから、この商品を買わなきゃいけないの?
    買わない理由があるのではなく、買う理由がない

    ②「認知的価値」と「情緒的価値」

    ③「問題解決」と「心の充足体験」

    ④物語要素(バックストーリー)を掘り起こす

    情緒的に購入する商品と理性的に購入する商品(アルジェン・チョードリー)
    あらゆる商品には情緒的なメッセージが必要

    ・カスタマージャーニー

    ①購買行動デザイン 
    ②カギとなる行動(キー・ビヘイビア)の発見の発見 
    ③感性情報デザイン 要素発掘、コピー化

    こちらが意図的に働きかけ、動機付けを行わなければいけない行動=キー・ビヘイビア

    満足と絆は違う
    日常やありふれたことから切り離された結果生じる「いい気分」は満足とは異なる概念であり、楽しさや幸福感といった質的な情緒を含んでいる。一方、満足は評価に基づく判断であり、認知的な性格が強い
    店舗に対する情緒と満足は、愛顧意図へとつながる。しかし、コミットメントに至るのは情緒に限られる(アルジュン・チョードリー「感情マーケティング」)

    絆を生む4つの要素
    ①顧客との適切な接触頻度
    ②顧客にとって有益な情報の発信
    ③顧客への適切な自己開示
    ④顧客に情緒的な体験を与えられた機会

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:675//Ko82

  • 販売にはいわゆる「ストーリー」を作り出す事が大切。
    それは随分前から言われていることです。
    しかし、どんな質問を投げかけ、その答えを出していくか
    理想概念で留まらないところが素晴らしい。

    本書はとても簡潔に具体案を示してくれます。

    究極の質問「なぜ今あなたから買わなきゃいけないの?」
    これに対する答えを見つける事が第一歩。

    参考になる書籍も幾つか載っていましたので
    それと合わせて読んでいくとより良い結果が
    得られる事でしょう。

    ただ紹介するに留まらず、
    「満足は絆を生まない」という表記のように
    顧客満足に走るだけでは後々の結果に繋がらないという
    陥りやすい注意点もしっかりと学ぶ事が出来ます。

     

  • 絆を生む4つの要素
    1.顧客との適度な接触頻度
    2.顧客にとって有益な情報の発信
    3.顧客への適切な自己開示
    4.顧客に情緒的な体験を与えられた機会

  • ・心豊かにする商品はただ棚に置いておくだけでは売れないが、あれこれ考えて、店頭でその価値を伝えるとよくれる。
    ・消費者の関心は品質要件だけではなく、健康要件、そして倫理要件といったところにまで広がっている。
    ・個人志向から社会志向へ、利己主義から利他主義へ。私有主義から、シェア志向へ。ブランド志向からシンプルカジュアル志向へ。欧米志向、都会思考、自分らしさから日本志向、地方志向へ。ものからサービスへの本格化あるいは人への重視。
    ・消費社会というシステムを稼動させてるのは動機と意思決定、そしてその結果としての消費者一人一人の行動である。
    ・今の消費者が求めているのは、心の豊かさであり。毎日の精神的充足感。
    ・消費者の買っているものはすでにものではない。
    ・安い、といくことしか訴求していないから安いものしか売れない。
    ・価値は情報によって生まれる。お客さんがその価値を感じるのは、お客さんの頭の中に価値が生まれた瞬間。
    ・売り手がどんなに買い手にとって買う価値のある商品だと思っていても、それが情報として相手に伝わらなければ情報は伝達されない。
    ・情報のデザインを変えるだけで人の動機を喚起することができる。それは商品や価格に変更加えなくても、情報に手を加えるだけで可能。
    ・感性情報にはこのような文字情報に限らず。写真等の画像情報もある。
    ・商品はお客さんの価値ちつながる要素をたくさん持っている。売り手が気付く気付かないに関わらず、すでに沢山持っている。
    ・商品にまつわる価値をメーカーからなんとなく聞いていても、漠然とわかっていてもきちんと概念化、言語化したことにはならない。
    ・売れない商品を売りたければ、商品の持つ価値を概念化、言語化すること。
    ・価値要素を引き出しさえすれば、売れない商品も増えていく。
    ・どうして私が今あなたからこの商品を買わなきゃいけないのか?人は理由がなければ行動しない。どうしてに答えられなければ、動機が発生しない。
    ・その商品やサービスが提供できる価値は、どんな認知的価値や情緒的価値なのか?認知的価値とは頭で理解できる価値。
    ・この商品サービスを利用するお客さんはどのような問題が解決されるのか?どのような心の充足体験をできるのか?
    ・商品にまつわる物語は強い購買動機をもたらす。どんな思いで作られているのか。どんな歴史が秘められているのか。その経緯、苦労話、素材、技術、どんな加工がなされているのか、どんな匠による技なのか。その商品に希少性はあるか、あるとしたらどんな希少性か。そういうことをお客さんに語る。
    ・お客様へのメッセージはできるだけ具体的な言葉を使うこと。
    ・効果、効能しかないと思われる商品にまで情緒的なメッセージが必要、もしくは効果的であるということ。
    ・お客さんの価値創造メカニズムの正確な理解に基づき、自社の商品やサービスの売れるパターンを生み出し、モデル化し、展開すること。それこそが今日重要なこと。
    ・我々が真に行うべきことは販売促進活動ではない。顧客が人生の充実の旅を送るための計画、その素晴らしくも思い出深い旅路を、小さな旅から大きな旅まで描いていくこと。
    ・お客様にしてほしい行動を計画し、そうしてもらうための手立てを計画する。そのために、購買行動デザイン、鍵となる行動の発見、感性情報デザイン
    ・購買行動デザインとは、ある商品の購入に至るお客さんの購買行動を想定し、それがどのような行動の連続で構想されているかを探り、行動購買に至るシナリオを設計することを指す。
    ・こちらが意図的に働きかけ、動機づけを行わなければならない行動を、鍵となる行動と呼ぶ。
    ・収益をもたらす根源は顧客の数である。
    ・顧客の旅Design Map。見込客の地、待機客よ地、新規客の地、休眠客・流出客の地、顧客の地。顧客の地には、リピーターの地と絆顧客の地と応援者の地がある。
    ・顧客の旅Design Map の遊戯的な使い方、それは試作の連結具合をチェックすること。企画はお客さんの時間軸に沿って企画されておらずぶった切りになってることが多い。これをぶった切りにしないをより効果的に結果を出すようチェックすることに使う。
    ・次に何をしてもらうために、今ここで何をするのか、そこが重要。
    ・そのチラシは何のためにうっているのか。位置づけがはっきりとしていないことが多い。
    ・リピーターと絆顧客の違いは、顧客が店、会社、ブランドなどに対して絆と呼ばれる感情を抱いているかどうか。絆と呼ばれる関係性がお互いの間にできているかどうか。
    ・応援者は絆を深めてもっと一歩進んだ踏み込んだ関係性になっている。自分がその企業、店、ブランドなどを好きで支持し利用してくれているだけではなく、その成長を応援しようという気持ちを持っている。その際たる行動は購買であり、口コミや推奨。
    ・しばし利用しているのに、推奨しない人は往々にして絆がないことを意味している。我が家の近所のコンビニも同じである。しかしその会社の商品サービスには満足してる
    ・満足は顧客化のための必要条件ではあるものの、本書でいう絆にはつながらない。
    ・絆を生むには、顧客との適度な接触頻度、顧客にとって有益な情報の発信、顧客への適切な自己開示、顧客に情緒的な体験を与えられた機会。
    ・自己開示とは、かみくだいて言えば仕事の話だけをしないこと。対話を相談だけで終わらせないこと。
    ・価値創造によって築かれる絆に人間的なものが加わることによって二重の強固な絆が生まれる。
    ・絆構築活動の効果が現れるには時間の遅れがあり、取り組み初年度は売上も急速に伸びず、顧客が急速に絆顧客とはならない。
    ・生産者から販売者までが手を取り合って価値を伝道していくべき。

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著者プロフィール

オラクルひと・しくみ研究所代表

「2022年 『「価格上昇」時代のマーケティング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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