現場論: 「非凡な現場」をつくる論理と実践

著者 :
  • 東洋経済新報社
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感想 : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492557532

作品紹介・あらすじ

33刷15万部のベストセラー&ロングセラー『現場力を鍛える』の衝撃から10年。
その後の全エッセンスが詰まった10年間の集大成、遂に発売!

【1】「現場」と「現場力」の正体を突き止める
●現場には「3つのレベル」がある────「非凡な現場」「平凡な現場」「平凡以下の現場」
●現場力は「3つのプロセス」で進化する─────「保つ能力」→「よりよくする能力」→「新しいものを生み出す能力」
●現場は「天使」にもなれば「悪魔」にもなる─────だから「理」と「情」のマネジメントが必要

【2】「非凡な現場」の実践例をわかりやすく解説!
●デンソー、ヤマト運輸、良品計画など「6つのケース」を徹底解説!────「非凡な現場」はここが違った!
●マザーハウス、コープさっぽろなど「15のミニ事例」も満載!────マネできるヒントがここに!
●「第Ⅰ部・第Ⅱ部エッセンス」のまとめ付きで、大事なポイントが一目でわかる!

本書を読めば、どの現場も必ず強くなる。
現場に関わるすべての人に、必ず役に立つ。

全ビジネスパーソンの知りたいすべてが、この1冊に凝縮。
渾身の書き下ろしで、『現場力を鍛える』『見える化』に続く「新たな代表作」が遂に誕生!

感想・レビュー・書評

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  • きれいごとをきれいにまとめたという印象。社員に腹落ちさせるのが大切だと言いつつ、それにあたって困難となる管理者と社員との関係をどう構築すべきかについて一言もない。本社が正しい方向に向き、管理者との時間をとれば管理者も正しい方向に向き…ということだけ。自分が何を考えているかわからなくなった時に戻るにはいいが、ヒントを得るには心許ない。

    第1章
    現場は断片ではなく、過去から未来へ繋がる連続性の中で生きているという言葉を見て、現場を理解するには「現場が変わろうとしているギリギリのところ」を見ることが大切なのではないかと思った。新職場でも経験値管理を始めようとしているのなら、それを見るのも面白いかもしれない。そのためには経験値データをどう教育に落とし込むか、どうすれば教育効果を高められるかについて学ばなければいけない。

    第3章
    新職場は旧職場に比べマニュアルが細部まで決められておらず、社員の裁量が高いと感じた。設備の充実度が下がる分、人の判断力に頼らざるを得ないとはいえ、実際に「保つ能力」があるから成り立っているのだろう。それでは、「よりよくする能力」はどうだろうか。現場から改善の声はどれほど上がっているのか、特にどのテーマについて上がっているのか。それは実現に至っているのか。

    第5章
    現場の全員が「なぜ、何にこだわって」活動を行うのかを腹落ちすることが大切とのこと。しかし、現場の人はそもそも施策の背景を考えて仕事する人ばかりではない。日頃から考えている人にしか響かないのではないか。実際に施策を考える本社が直接社員1人1人に語りかけることもない。現場管理者がいかに理解し噛み砕いて伝えるかも大切。

    第6章
    どんな活動も点から始まる。そうならば、まずは「なぜ、何にこだわって」活動を行うのかを中心メンバーにしっかりと植え付けることが大切。彼らに成功体験を積ませ、徐々に周りを巻き込んでいく。
    大切なのは、自立分散型でいくのか、管理集中型でいくのかという基本思想を固めることだという。今までは管理集中型という名のもと、管理者が形ばかりの教育・指導を行ってきたのではないか。それが成功体験を積むにつれ徐々に自立分散型に移行しているタイミング。中心層にも自分たちでこういうことをしたいという芽生えがある。その時に、絶対にズラしてはいけない軸をきちんと共有した上で遠心力を働かせるにはどうしたらいいか。管理者との認識のすり合わせの場をどのようにセッティングし、どの程度社員を自由に動かすかを見極めなければいけない。

    第7章
    現場の競争意識を煽るための「見える化」だが、いろいろな取り組みが乱立して結局社員1人1人に大切なことだと響かない、ということにならないか。明確な競争意識に繋げるにはどうやってその空気感を作り出すべきか。また、これまでの経験至上主義からどうやって脱却していけばいいのか、脱却することによる弊害はないのかも見つめたい。
    現場の提案における阻害要因は何か。日常的な報酬(提案に対する管理者からのFB)は現在どのように行われているのか、管理者による差はあるのか。

  • 「経営において最も合理的なことは、人間の情緒性に火をつけることだよ」
    示唆に富むキーワードばかりだったが、この言葉に出会えただけでも、この本を読んだ意義はあった。
    経営者の端くれとして、この本で謳われるような、事例で紹介されるような、そういう会社を作りたい。

  • 10%の非凡な現場とその他の平凡かそれ以下の現場との違いはなんだろうって。現場って概念は日本に特殊なもの。その現場は価値創造主体、業務遂行主体、人材育成主体の顔を持つ。戦略の策定より実行が重要度を増す中で、現場の組織能力=現場力を高めることが競争優位につながる。普通通り業務を遂行する保つ能力だけでは平凡な現場となり、それをよりよくする能力、新しいものを生み出す能力を高め、知識創造主体という四つ目の顔を確立させることが非凡な現場をつくるために必要。そのために必要なのが合理的必然性と合理的仕組み。合理的必然性は戦略と活動と信条を一体化させねばならない。合理的仕組みは阻害要因の除去、報酬、競争、学習の四要素からなる。保つ能力からよりよくする能力、新しいものを生み出す能力をコア能力化するには点から始め、面、立体へと長い時間をかけて広げていかなければならない。そして非凡な現場を支えるナレッジワーカーを育てるために環境整備、条件付与に配慮し、支援するミドルのミドルアップ・ミドルダウンの動きが重要となる。
    また、現場は経営者の映し鏡。理を詰め、理を超える経営者の姿勢と行動が組織密度を高め組織熱量を大きくする。現場愛がその底辺にある。

  • 簡単に言えば、踊る大捜査線の名セリフ「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ」…を体系的・学術的にしたもの。
    いつの間にか、会社の推薦図書になっていましたが、まさにその通り、自分達現場の人間がどう動くか、どう人を動かしていくか、また、経営者がどう対応するか、体系的かつ具体的に体に頭に染み込ませたいです。

  • ヤマト運輸やデンソーなど実際の具体的な実例が多く含められていて、強い現場力をつくるための考え方と取り組みが理解できる。
    強い現場力とは現状を「保つ能力」だけではなく、「よりよくする能力」と「新しいものを生み出す能力」が必要で、現場のみんなを納得させてこれらの能力を向上させるには、やはり経営視点でのリーダーシップが重要であると認識できた。また読み返して、意識して、私も現場を少しずつ変えていき、強い現場力をつくっていきたい。

  • ☆3
    非凡な現場を作るには合理性が重要なことに同意だよ。なぜなら普段の仕事で、部下は私に合理的な言動を求めていることを、強く感じているから。努力や感情、抽象論だけでは現場は動かない。
    「異常処理による刹那的達成感」は素晴らしいキーワード。刹那的達成感に溺れないよう注意しながら、合理的に現場をまとめていきたいな。

  • この著者の現場の話は面白い。今回は、それを理論付け、そこにケースを挟んでいて、どのようにすればいいかを示唆してくれる。本書のなかにあるトヨタウェイに「いたずらに『議論』に時間を空費したり、『戦略』という言葉を振りかざし、軽率な賭けにでたりすることはしない」とある。やはり現場が大事だと思う。

  • なかなかの良書。
    現場とは何か。現場を行かによくするかが、具体的に
    ていねいに書かれてあると思いました。
    野中氏・楠本氏・伊丹氏・清水氏などのそうそうたる
    メンバの内容も踏まえながら展開していく論理と
    方法論についてはとてもためになることが多いと
    思います。
    ただ、これを実際に実現させる為の苦労と気合と
    根性と覚悟は相当なものが必要だとは思いました。
    ただ職場において一度議論はしてみたいかと思います。

  • 読み応えがある。現場をひたすらにタイプ分けや要因分けしている。図やフレームワークはあまりないが、エッセイ的に読める。

  •  いままでモヤモヤしていた現場の問題が言語化されていて、なるほど!と手を打った。

     現場には二つの主体がある。

    ①業務遂行主体
    ②人材育成主体

     しかし、①と②にはリスクがある。
     
     ①の業務遂行主体には刹那的な達成感というリスクがある。
     たいていの現場は本当に毎日同じ仕事の繰り返しではなく、現場判断が必要な「異常処理」が発生する。
     この異常を処理する達成感により、現場は単調な反復業務に耐えられることができるが、反面、刹那的な達成感は、現場を思考停止に追い込むリスクがある。
     本来は、異常を「処理」ではなく「なくす」ことを考えなくてはならないが、現状維持が主たる業務となってしまう。

     また、②の人材育成主体には、現場モンロー主義、箇所によるタコつぼ化が起きるリスクがある。
     基本的に現場業務は、入社して退社するまで同じ現場で仕事をする。
     ある業務に習熟するためには、現場のOJTが機能して、その現場にに必要な技能は保持される。
     しかしその「同質性」と「隔絶性」は「他者と強調しない孤立主義」を生み出すリスクがある。 

     これほどはっきりと分かりやすく現場の問題が言語化されていることに腹落ちした。

     その現場の問題を指摘した後に、非凡な現場の作り方が論じられる。
     
     ここで俺が必要に思った行動と態度は、この二つ。

    ・標準を作る。
    ・ミドルアップ・ミドルダウン

     個人的には3年以上現場を離れたのち、現場に戻って1ヶ月半。
     せっかくならば現場を変えられるところから変えていきたいところだ。

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著者プロフィール

遠藤 功(エンドウ イサオ)
株式会社シナ・コーポレーション代表取締役
早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て、現職。2006年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。2020年6月末にローランド・ベルガー会長を退任。同年7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動している。多くの企業で社外取締役、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。
株式会社良品計画社外取締役。SOMPOホールディングス株式会社社外取締役。株式会社ネクステージ社外取締役。株式会社ドリーム・アーツ社外取締役。株式会社マザーハウス社外取締役。
15万部を超えるロングセラーである『現場力を鍛える』『見える化』(いずれも東洋経済新報社)をはじめ、『現場論』『生きている会社 死んでいる会社』(いずれも東洋経済新報社)『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)『ガリガリ君の秘密』(日経ビジネス人文庫)など、ベストセラー書籍多数。

「2022年 『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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