ビッグデータの衝撃――巨大なデータが戦略を決める

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492580967

作品紹介・あらすじ

いち早くデータの重要性に目覚めたGoogle、Amazon、コマツ、リクルートなどの勝ち組企業に、他社はどうやって追随するのか?すべては「ビッグデータ」への理解と利活用にかかっている。『クラウドの衝撃』の著者が、勝ち組企業の新常識を鮮やかに解き明かす。

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  • ビッグデータの衝撃
    巨大なデータが戦略を決める

    著:城田 真琴

    本書のテーマはビッグデータをどう活用すれば、大きな価値を生み出すことができるかというものです。

    ビッグデータとは、既存の一般的な技術では、管理するのが、困難な大量のデータ群であるといっています。

    それは、数値データなどの構造化されたデータではなく、ウェブのクリックストリームデータ、SNSのソーシャルデータ、センサーデータなどの従来からのRDBに収まらない非構造化データなどです。

    気になったのは、以下です。

    ■ビッグデータとはなにか

    ・特性
     ①大容量
     ②多様性
     ③速度(発生頻度、更新頻度)

    ・ビッグデータを取り扱うツール、フレームワーク群
     ①Hadoop(ハドゥープ)
     ②NoSQLDB
     ③機械学習、統計解析

    ・なぜ今ビッグデータなのか
     ①ビッグデータの民主化:SNSなどのテキストデータのマイニング
     ②ハードウェアの性能向上、ソフトウェア技術の進化
      コンピュータの高速化、ディスク価格の下落、Hadoop
     ③クラウドの普及

    ・取引データ(トランザクションデータ)から、ウェブデータなどの相互作用・交流データの分析へ
    ・O2Oなど、オンラインとオフラインの融合、購買行動の把握

    ■ビッグデータを支える技術

    ・Hadoop(ハドゥープ)は、以下の3点から構成される
     ①HDFS:分散ファイルシステム
     ②Hadoop MapReduce :フレームワーク
     ③Hbase:巨大なデータベース

    ・NoSQLDB 大量アクセスによるパフォーマンス低下が少ない、RDBではないDB

    ・ストリームデータ処理 リアルタイムデータ処理

    ■ビッグデータを武器にする企業

    (海外)

    ・アマゾンに代表されるイーコマース企業 ⇒ 購買履歴、クリックストリームデータ

    ・グーグル 検索ログ、統計的学習手法

    ・イーベイ オークション

    (国内)

    ・コマツ 機械の稼働管理、故障

    ・リクルート 売上管理 メルマガのアクセスログ

    ・マクドナルド 購買履歴

    ■ビッグデータの活用パターン

    ・購買履歴をもとに、最適商品をお勧めする

    ・GPSを利用したマーケティング

    ・不正検出

    ・顧客離反分析

    ・故障予測、異常検知、渋滞予測、電力需要予測

    ・サービス向上

    ・コストの最適化シミュレーション

    ・ビッグデータの活用レベル

     ①データ収集:過去・現状の把握 SMS,クリック履歴、M2M、IoT
     ②パターンの発見 クロスセル、データマイニング
     ③予測
     ④最適化

    ■ビッグデータ時代のプライバシー

    ・消費者プライバシー
    ・データ保護
    ・ライフログ

    ■オープンデータ時代の幕開けとデータマーケットプレイスの勃興

    ・外部更改データ活用 LOD

    ・オープン・ガバメントとI/Fの公開

    ・データマーケットプレイス
     ①課金、②認証、③データフォーマット管理、④サービス管理

    ■ビッグデータ時代への備え

    ・データ・アグリゲータ データ収集、分析、最適化などの仲介を行う、データのプラットフォーマ

    ・データサイエンティスト

     スキル
     ①コンピュータサイエンス
     ②数学、統計、データマイング
     ③データの可視化

     資質
     ①コミュニケーション能力
     ②起業家精神
     ③好奇心

    目次
    第1章 ビッグデータとは何か
    第2章 ビッグデータを支える技術
    第3章 ビッグデータを武器にする企業 欧米企業編
    第4章 ビッグデータを武器にする企業 国内企業編
    第5章 ビッグデータの活用パターン
    第6章 ビッグデータ時代のプライバシー
    第7章 オープンデータ時代の幕開けとデータマーケットプレイスの勃興
    第8章 ビッグデータ時代への備え

    ISBN:9784492580967
    出版社:東洋経済新報社
    判型:4-6
    ページ数:312ページ
    定価:1800円(本体)
    発売日:2012年07月12日

  • ビッグデータに関連する技術、ビジネスに関して、国内外の事例を交えてわかりやすく書かれていた。

  • この本を1冊読んでおけば、現在までのビッグデータの議論はほぼ全て押さえられる。事例も豊富で分かり易い。素直に買って良かったと思える良書。

  • ●「『ビッグデータ』とは単にデータ量の増加だけを指すものではない。重要なのは、これまで無視してきたデータの価値に気づくことだ」。昨今のビッグデータを取り巻く環境の変化やビッグデータの活用について考える上で、筆者のこの主張は非常に興味深い。
    ●正直なところ、この本を読むまで、ビッグデータというのは消費者からネットや販売履歴等を通して、様々なデータを集めて、うまい具合にビジネスに活かすくらいの認識しかなかった。ところが、そんな単純な話ではなく、このビッグデータというものはそれこそ生活の有様や企業の在り方すら変えてしまいかねない大きな可能性に満ちていることがわかった。一見、データやITとは無縁そうな企業でも、ビッグデータを活かし、新たなビジネスチャンスを獲得しているとは、中々驚きである。

  • 東2法経図・6F指定 007.3A/Sh89b/Yoshida

  • データ時代に備えて、意識するポイントをつかめたぞ!

  • いまの世の中は、インターネットをベースに、様々なデータが飛び交っている。
    「ビックデータ」とは、よくぞ名付けたものです。
    ビックデータに関する知識、ビックデータに着目した最新のビジネスモデルや注目企業の紹介など、興味深く読ませてもらいました。
    ハドゥープ(Hadoop)なんてキーワード、初めて聞きました。
    (お恥ずかしい…笑)
    さらにこれからビックデータを担う人材は、コンピュータサイエンスや統計知識、分析スキルなど、文系ビジネススキルだけではなく、理系のバックグランドを有する「データサイエンティスト」が必要だとのこと。
    そして、この手の話が最近多いけれど、この分野に関しても日本は世界より遅れていると……。
    しかし、本当に恐ろしい時代になってきたものだと感心しました。
    まだまだITは進化していきますね。
    しかし"統計知識"と聞くと、やっと自分の時代になってきたかなぁ(笑)

  • 良書、エンジニアにも非エンジニアにもタメになる内容だった リクルートつえーな

  • 2012年刊。
    著者は野村総合研究所イノベーション開発部上級研究員。

     ネット接続を通じ、個人の情報を大量・多様・短時間で収集できるようになり、広告、販売、あるいは将来予想と提案型営業の変容を来すようになった現代社会。
     かような「ビッグデータ」に関し、その技術的基盤から、企業での活用方法やその具体的実例(海外企業と国内企業)に、問題点と行政指導の実を簡易かつ広範に解説する。

     「スマホ」保有は、観察者の眼から見つめられているのと同値。そんな気持ち悪さを感じずにはいられない読後感。

     行動履歴は個人情報保護法の対象外、という著者の見解(検討要だが、その可能性は高い)に加え、総務省のいわゆる行政指導は自主的業界ガイドラインの策定要請とペナルティなしという配慮原則に依拠しており、情報取得側に一方的に有利な中味だ。
     勿論、一般P侵害による不法行為に基づく損害賠償請求(消契法も念頭要)は要件充足ならば可能だが、諸々からみて…。

     そういう意味でEU内の基準は流石だが、中でも①集積情報の利用に個別の事前許諾を要する「オプトイン」形式の採用と、②集積情報の抹消請求権を付与している点が興味深い。

     スマホについて。
     時には電源を切ること。持たないで外出したり、あえて情報検索せず、読書に没頭するのもありかな。

  • ビッグデータとは、3V(volume, variety, velocity)の面で管理が困難なデータ。データ分析ツールとして、ハドゥープの徹底活用してデータドリブンの世界を描く。

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著者プロフィール

城田 真琴(シロタ マコト)
野村総合研究所 DX基盤事業本部 兼 デジタル社会研究室 プリンシパル・アナリスト
2001 年に野村総合研究所にキャリア入社後、一貫して先端 IT が企業・社会に与えるインパクトを調査・研究している。総務省「スマート・クラウド研究会」技術WG委員、経済産業省「IT 融合フォーラム」パーソナルデータ WG 委員、経産省・厚労省・文科省「IT人材需給調査」有識者委員会メンバーなどを歴任。NHK Eテレ「ITホワイトボックス」、BSテレ東「日経プラス10」などTV出演も多数。著書に『FinTech の衝撃』『クラウドの衝撃』『ビッグデータの衝撃』『エンベデッド・ファイナンスの衝撃』 (いずれも東洋経済新報社)、『パーソナルデータの衝撃』(ダイヤモンド社)、『デス・バイ・アマゾン』(日本経済新聞出版社)などがある。

「2023年 『決定版Web3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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