金融は人類に何をもたらしたか 古代メソポタミア・エジプトから現代・未来まで
- 東洋経済新報社 (2014年8月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492654637
感想・レビュー・書評
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利息
紀元前1000年〜前500年頃の金利は、メソポタミア、エジプト、南ヨーロッパで30%いかになることは稀であった。商取引のコストは過大で、商人の身分に成り上がることはすばらしい偉業であった。
米国初代財務長官ハミルトンは、必要資金の調達には宝くじがもっとも効果的な手段であった。
モーゲージは文字通り古記フランス語で「死の約束」という意味で、もし借金が返済されなければ何か価値あるものを没収する約束。
人間は対価を支払わずに、世界のGDpの55〜185%に相当する毎年何兆ドルもの恩恵を、生態系サービスから受けている。
金融は間接的に労働市場のメカニズムを通して、不平等を減らすことも示している。
インフラ整備が遅れているインド
インドで2005年にインフラ整備のための官民パートナーシップを認める新しい法律が成立した。先駆けとなったバンガロール国際空港のプロジェクトは、ドイツシーメンス社とスイスのユニーク社が出資し、前者が施設の建設、後者が完成した施設の運営を担当している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古代史からの金融の歴史を読みとくのはなかなか楽しい作業です。。この進化の中で、それを活用する側の人間は常に富を得ている。。歴史がすべての証明していますね。
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150307 中央図書館
社会と経済の進化に、金融制度、システム、ツールの発達が大きな役割を果たしたことを示す。世界史の詳細にはあまり触れず、ニーズに合わせて生まれてきたいろいろな「金融イノベーション」を紹介し、未来を想像するのにはイノベーションの継続が必要とする。
提言は、下記。
<blockquote>教訓1 複雑さはイノベーションではない
教訓2 レバレッジが常に信用創造となるわけではない
教訓3 透明性がイノベーションを可能とする
教訓4 資本構成が重要である
教訓5 資本の民主化は経済成長を促進する
教訓6 金融イノベーションは建設的な社会変革の力となりうる
</blockquote>
監訳者の藤野直明は、理論物理学あがりのファイナンス専門家。監訳者解説がわかりやすい。
耳慣れない「需要表現(=ディマンド・アーティキュレーション)という言葉が出てくる。
<blockquote>新しい成長産業育成の場合、ユーザー企業とテクノロジー企業で幅広くコンソーシアムを組み、今後はどのような製品が必要となるのか、必要となる要素技術は何か、その仕様を早期にかつ正確に定義・表現することが極めて効果的である。企業秘密である技術情報そのものではなく、ユーザーが必要としている技術仕様のみを議論し、表現・定義し、それを公開するということがポイントである。さらに、技術開発の目標を市場規模とともに明らかにし、そのモジュール構造とモジュール間のインターフェイスを設計すること、これを国際基準として承認させることが重要である。こうすることで、既存技術の組み合わせでできる領域と新規の技術開発が必要な領域が区分でき、新規技術開発に対しての投資意思決定が容易となるのである。そして、開発投資のリスクが高いモジュールには、ベンチャーキャピタルや資本市場の活用が有効となる。逆に、ここまで具体化されなければ投資資金は得られないのである。</blockquote> -
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