金融は人類に何をもたらしたか: 古代メソポタミア・エジプトから現代・未来まで

制作 : Franklin Allen  Glenn Yago  藤野 直明  空閑 裕美子 
  • 東洋経済新報社
3.23
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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492654637

作品紹介・あらすじ

金融業の発達は、私たちの暮らしを豊かにしたのか? それとも、私たちの生活に、無用な不安のタネをまいただけなのか?
 サブプライムローン危機、リーマンショックとその後の世界金融危機以来、世界的に、金融産業肥大化の悪影響が指摘されています。
 こういった論調に対して異を唱え、金融イノベーションがいかにして社会変革の原動力となってきたかを示し、金融は「より良い社会」の実現のためのエンジンとなりうると主張するのが、本書です。

 本書は、古代メソポタミア・エジプトから大航海時代、産業革命、大恐慌、そしてリーマンショックに至るまでの金融イノベーションの歴史を概観し、未来の金融はどこへ向かうべきかを、壮大なスケールで語ります。歴史だけでなく、住宅金融、環境金融、開発金融、医薬品金融など、最先端の金融イノベーションの事例も豊富に紹介され、これらの分野で、金融の仕組みがどのように活用されているかを解説しています。著者のフランクリン・アレン教授は、世界的なベストセラーテキスト『コーポレート・ファイナンス』(リチャード・ブリーリー、スチュワート・マイヤーズとの共著、日経BP社)の著者でもあります。
 リーマンショック以降、世の批判にさらされ、自分たちの存在意義について自問自答していた金融業界関係者にとって、改めて金融産業の重要性を再認識し、自信を取り戻すきっかけとなる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 利息
    紀元前1000年〜前500年頃の金利は、メソポタミア、エジプト、南ヨーロッパで30%いかになることは稀であった。商取引のコストは過大で、商人の身分に成り上がることはすばらしい偉業であった。

    米国初代財務長官ハミルトンは、必要資金の調達には宝くじがもっとも効果的な手段であった。

    モーゲージは文字通り古記フランス語で「死の約束」という意味で、もし借金が返済されなければ何か価値あるものを没収する約束。

    人間は対価を支払わずに、世界のGDpの55〜185%に相当する毎年何兆ドルもの恩恵を、生態系サービスから受けている。

    金融は間接的に労働市場のメカニズムを通して、不平等を減らすことも示している。

    インフラ整備が遅れているインド
    インドで2005年にインフラ整備のための官民パートナーシップを認める新しい法律が成立した。先駆けとなったバンガロール国際空港のプロジェクトは、ドイツシーメンス社とスイスのユニーク社が出資し、前者が施設の建設、後者が完成した施設の運営を担当している。

  • 第1章〜第3章まで読んだ。

    ----P.13----
    社会的相互関係がボンド(絆、債券)を強化し、トラスト(信頼、信託)を生み出し、家計、企業、共同体にエクイティ(公平公正、純資産)を築くとき、結果は全体としてさらにセキュリティ(事業活動の安全性)を担保する。
    --------------
    純資産の成長率が高い企業ほど、事業活動の安全性が高いので、投資対象としては安全という事になる。バリュー投資を実践するにあたって純資産の成長率が低下して株価が低迷している時、ボンド、トラストの関係が一時的な変更によるものがが原因なのか、永続的に失われたのているのか分析する必要がある。

  •  取引に内在する摩擦や対立する利害関係に対処し調整し、未公開情報のリスクをコストに換算し、情報の非対称性を解消し、アイデアを新しい技術や産業や雇用に変換し、より多くの人々を経済活動に参加させるところに金融の真価はある。環境破壊や飢餓や紛争後の復興や住宅や疾病といった緊急を要する世界的問題の本質を、金融イノベーションの視座から考察する。

    『われわれは、「真の」金融イノベーションと、投機と詐欺だけのために意図的に不透明な金融商品を考案することとは、全く違うという立場である。』310頁

  • 企業、住宅、環境、開発、医薬品の各分野でのファイナンス手法の発達の歴史を概観的に解説したもの。
    内容は浅く、邦題に騙されましたw

  • 古代史からの金融の歴史を読みとくのはなかなか楽しい作業です。。この進化の中で、それを活用する側の人間は常に富を得ている。。歴史がすべての証明していますね。

  • 150307 中央図書館
    社会と経済の進化に、金融制度、システム、ツールの発達が大きな役割を果たしたことを示す。世界史の詳細にはあまり触れず、ニーズに合わせて生まれてきたいろいろな「金融イノベーション」を紹介し、未来を想像するのにはイノベーションの継続が必要とする。
    提言は、下記。
    <blockquote>教訓1 複雑さはイノベーションではない
    教訓2 レバレッジが常に信用創造となるわけではない
    教訓3 透明性がイノベーションを可能とする
    教訓4 資本構成が重要である
    教訓5 資本の民主化は経済成長を促進する
    教訓6 金融イノベーションは建設的な社会変革の力となりうる
    </blockquote>
    監訳者の藤野直明は、理論物理学あがりのファイナンス専門家。監訳者解説がわかりやすい。

    耳慣れない「需要表現(=ディマンド・アーティキュレーション)という言葉が出てくる。
    <blockquote>新しい成長産業育成の場合、ユーザー企業とテクノロジー企業で幅広くコンソーシアムを組み、今後はどのような製品が必要となるのか、必要となる要素技術は何か、その仕様を早期にかつ正確に定義・表現することが極めて効果的である。企業秘密である技術情報そのものではなく、ユーザーが必要としている技術仕様のみを議論し、表現・定義し、それを公開するということがポイントである。さらに、技術開発の目標を市場規模とともに明らかにし、そのモジュール構造とモジュール間のインターフェイスを設計すること、これを国際基準として承認させることが重要である。こうすることで、既存技術の組み合わせでできる領域と新規の技術開発が必要な領域が区分でき、新規技術開発に対しての投資意思決定が容易となるのである。そして、開発投資のリスクが高いモジュールには、ベンチャーキャピタルや資本市場の活用が有効となる。逆に、ここまで具体化されなければ投資資金は得られないのである。</blockquote>

  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-11979742391.html

  • 338.2||Al

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著者プロフィール

フランクリン・アレン
ペンシルベニア大学ウォートン校ファイナンス・経済学教授(日本生命講座)、ウォートン金融機関研究センター共同ディレクター
米国ファイナンス学会、ウェスタン・ファイナンス学会、ファイナンス研究学会、ファイナンシャル・インターミディエイト・リサーチ学会の会長を歴任。主な研究分野は、企業金融、資産評価、金融イノベーション、金融システム比較、および金融危機。リチャード・A・ブリーリー、スチュワート・C・マイヤーズとともに『コーポレート・ファイナンス』(日経BP社)第8版、第9版および第10版の著者である。オックスフォード大学にて博士号取得。

「2014年 『金融は人類に何をもたらしたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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