教養としての決済

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  • 東洋経済新報社 (2022年8月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784492681497

作品紹介・あらすじ

ビジネスも戦争も犯罪も
「決済」を制する者が勝つ!

世界の決済コストはロシアのGDPに匹敵?
100ドル札の7割は米国に存在しない?
北朝鮮ハッカー集団の鮮やかな詐欺手口とは?
イスラム独自の海外送金方法「ハワラ」って何?

SWIFTの元CEOが解説する
「支払い」の歴史・仕組み・未来

みんなの感想まとめ

決済の仕組みやその歴史、未来について深く掘り下げた内容は、読者に新たな視点を提供します。冒頭で「決済とは法律上負債を免除する方法」と定義されることで、単なるお金のやり取りではないことが強調され、思考が...

感想・レビュー・書評

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  • 決済市場は二百ヵ国以上で2.5万の銀行が携わるが、国際取引は15の銀行だという。

    「決済とは法律上負債を免除する方法」
    冒頭の定義紹介で、まず止まる。自分のペースで言葉を噛み締め、物理的にその文章を行ったり来たり。それこそ読書の醍醐味。そんな感情を改めて感じながら、よくよく考える。

    なるほど、お金は負債。商品やサービスの対価であり、お金を持つ事で他者の労力を購入する権利を持つのだから。で、先に商品やサービスを受ければ負債が生じるが、お金を払い決済される事で債務は免除されると。で、いつもの癖で思考を広げる。この負債の免除という考えは面白い。お金とは、労働の負債。今あるお金は全て「負債貨幣」であり、誰かの支払い義務を象徴するもの。ちなみに、承認とは、責任の負債。

    ジュリアンアサンジのウィキリークスもポルノハブも決済ブロックの対象に。決済をデジタル化すれば、管理統制がし易くなる。そのため、マネーロンダリングや犯罪に使われ易い高額紙幣を見直す動きもある。また、現金にはコストがかかる。輸送、ATMの補充、監視、カウント、集計、分配。金庫やカメラ、装甲に警備。

    スウェーデンではコンタントゥプロレット、現金の反乱という、現金存続を主張する組織があり、有事の決済システム停止により国の機能が混乱せぬようアナログとしての現金を保全する法律が施行。しかし、結局ATMが機能しなければ現金も役立たず。ATMもデジタル決済である事を見逃しているのだ。

    現金派?電子通貨派?上述からは、電子通貨の方が良さそうだが、どうしても国に好き勝手管理されたり、システム不具合の不安感があり、完全にどちらか、とは言えない。

  • フランクな書き振りながらなかなか勉強になります。教科書にはならなそう。年内に読み終わってよかった。

  • BtoBプラットフォーマーを運営している身として、「決済システム」は導入したい機能のひとつだ。この決済機能の周辺知識を学ぶために手に取った。

    本書は、元SWIFT(国際銀行間通信協会)のCEOらが、私たちの日常生活に不可欠でありながら、その実態があまり知られていない「決済(支払い)」の歴史、仕組み、そして未来を解き明かした一冊です。

    ■本書の主要なポイント5つ

    1. 決済の本質:経済の「見えない配管」
    決済は、水や電気のような社会インフラであり、経済活動を支える「見えない配管(プラミング)」です。現代の決済の多くは、物理的な現金を動かすのではなく、銀行の帳簿(データ)を書き換える「手品のような仕組み」によって成り立っています。この仕組みを維持するためには、リスク(倒産など)、流動性、そして人々がその方法を受け入れるという「慣習」の3つの課題を克服する必要があります。

    2. 決済の進化:カードからスマートフォンへ
    決済の主役は、歴史的に「現金」から「クレジットカード」へ、そして現代では「モバイルウォレット」へと移り変わっています。
    クレジットカード: 「4コーナーモデル」と呼ばれる複雑なネットワークと「インターチェンジフィー(手数料)」という巧みなビジネスモデルによって世界に普及しました。
    モバイル化の躍進: 中国の「アリペイ」やケニアの「エムペサ」のように、既存の銀行インフラが未発達だった地域では、スマートフォンによる決済が劇的に普及し、一気に進化を遂げました。

    3. 決済の経済学と心理学
    決済システムには膨大な維持コストがかかっており、消費者が気づかない「隠れたコスト」として価格に転嫁されています。
    儲けの仕組み: 銀行は決済機能から巨額の収益を得ており、手数料や預金残高による利ざやがその源泉です。
    無摩擦(フリクションレス)決済: ワンクリック決済のように「支払いの痛み」をなくす技術は、利便性を高める一方で、消費者の支出を増大させる心理的な罠も内包しています。

    4. 決済の政治学:武器としての決済
    決済システムは、単なる商取引の手段ではなく、強力な「政治的武器」としても利用されます。
    制裁と覇権: 米国は、世界の決済におけるドルの圧倒的シェアと clearing(清算)システムを背景に、経済制裁を通じて外交的な圧力を加えることができます。
    排除の問題: 決済システムから排除されることは、現代社会において生活が不可能になることを意味し、難民や貧困層が直面する深刻な問題となっています。

    5. テクノロジー革命と未来
    フィンテック企業、暗号資産(仮想通貨)、そして中央銀行デジタル通貨(CBDC)が、既存の銀行の支配を揺るがしています。
    暗号資産とFacebookの挑戦: ビットコインのような分散型通貨や、Facebookが主導した「リブラ(ディエム)」計画は、国家の通貨主権に挑戦し、決済のあり方を根本から変える可能性を示しました。
    中央銀行のデジタル化: これに対抗するように、各国の中央銀行はCBDCの研究・導入を進めており、決済の主導権をめぐる地政学的な争いが激化しています。

    ■結論
    本書は「決済を制する者がビジネスも、戦争も、犯罪も制する」と説き、決済の仕組みを理解することが、現代社会を読み解くための必須の「教養」であることを示しています。

  • いままで決済って銀行が大きく関わってたけど、いまはいろんな企業が参入してるんですよね。
    脅威ですね

  • 盛りだくさんで、最後まで読み切るのが大変(翻訳が悪いっぽい)。
    決済に対する解像度が高まった段階で再読したい。
    ・決済と預金はずっと銀行が提供してきたが、これらを切り離す新興企業が登場
    ・決済とは「負債を免除する方法」。銀行券は中央銀行のBS上の「負債」に過ぎない
    ・銀行は預けられたコインを使って融資することで金貨を生み出したことになる
    ・現金にかかるコストの総額は全世界GDPの0.2〜0.4%と推定されている。そのコストの大部分は固定費
    ・ビザをはじめとするカードネットワークの収益源は、カード決済を可能にするコンピュータ処理と通信業務、為替手数料とカード発行会社に課される年間手数料
    ・小売業者が、クレカ市場で寡占状態を生み出しているビザやマスターがその力を利用してデビットカード市場も支配していると考え、訴訟を起こした。その訴訟を嫌気したオーナー企業である銀行たちはカードネットワークを売却した
    ・ヨーロッパではデビットカードが主流。EUの完了たちは単一のヨーロッパ決済権を夢見たが、VMがそれを実現してしまった
    ・クレカは、NYで食事をする人(ダイナーズ)と彼らがふだん食事をしていたレストランの間での合意から発展。ペイパルは、イーベイの売手と買手の合意から発展
    ・海外のATMや店舗で自国通貨で決済できるオプションが提示されたとしても、絶対利用しない方がよい
    ・アクワイアリングビジネスの手数料は0.25%〜1.5%。加盟店に複数の決済手段を提供し、詐欺やチャージバックの発見・防止、に貢献する。料率は、提供先のビジネスに応じて変化する
    ・クラーナの手数料は2%と、アメックスの3〜4%に比較すると低め
    ・銀行は、決済データを他事業の拡大へ利用。収入が増えればプレミアム口座や預金サービス、一定の年齢になれば住宅ローンや年金商品を紹介…という形で
    ・一方、欧州ではオープンバンキングによって自分の銀行データを他社に共有することが可能に

  • 「はじめに」に決済はリスク、流動性、テクノロジー、ネットワーク、慣習からなるとある。その中でもリスクと流動性が最重要で、銀行が決済の中心に位置している理由であろうし、大規模決済となれば銀行の右に出るのは簡単ではなさそうだ。
    その中で慣習というのは当たり前すぎるが新鮮な視点だった。日本で現金決済が多いことがしばしば指摘されるが、それが時代遅れのように言われ、キャッシュレス決済を国策として進めることに違和感があった。他国でも決済の手段は様々だし、日本の状況も慣習であったり、カード決済の手数料の問題であったり背景はもっと複雑なはずだ。メディアが現金信仰と簡単に片付けていると思考停止になってしまう。
    本書は決済だけをテーマにしながら400ページものボリュームで内容は深いが、巧みな例えで理解が進む。それにしても「教養としての・・」という邦題はないだろう。お安いノウハウ本みたいでもったいない。

  • 決済とは何か?をまとめた本。400ページ強と多く、専門的な内容も多かったため、読み切るのにかなり苦労した。理解出来た部分は少なかったものの
    、序章の決済の仕組み、考え方は分かりやすく、この部分だけでも理解が進んでとても良かった。

  • 決済ってのは要はどういう商売なのよっていう主に銀行を中心とした話とか、種類とか、歴史とか、犯罪とか、もろもろまつわる話を詰め込んだ本という印象。
    SwiftとかB2Bの話はあんまり興味持てなかったけど、クレジットカード、デビットカード、QR決済、現金決済、電子マネーとかのリテールの話は少し興味を持った。一見手数料がかかってないように見えても、どこかで手数料が発生して決済というビジネスは成り立っているのだということを意識してみるとよいのかも。
    クレジットカードは加盟店手数料取るうえに、入会金・年会費取るとかなかなかなやつなんだなと認識を新たにした。

  •  強烈な内容量を持った本である。貨幣の起源に始まり、1950年代アメリカに始まる決済方法変遷の歴史とその仕組み、国ごとの決済習慣とそれらをネットワークする国際決済の仕組み、デジタル通貨をめぐる巨大テック企業や中央銀行の野望…あまりにトピックが豊富すぎて、一度で全てを消化するのが難しい。一番効率の良いのは、日常で疑問が生じた都度、当該部分を参照するという読み方になろうが、索引がついていないのと、書き振りが冗長なので辞書的な使用がしにくいのが残念。

     ともあれ本書を読むにつけ感じるのは「国家のような権力主体が決済システム(≒通貨、金融)を成立させるのではなく、決済システムこそがそれを持つ主体に権力を生じさせるのだ」ということ。だとすると、巷間かまびすしい暗号通貨についてユーフォリックな一部の層が抱く「非中央集権国家的金融システムの可能性」という陶酔に、明白な定義矛盾が含まれていることになる。今次の仮想通貨取引所FTXをめぐる騒動を見ても、一部の人間に権力が集中しガバナンスも機能しなかったことが問題の核心であったことがわかる。やはり通貨、ひいては決済それ自体が必然的に権力を内包するシステムなのであり、権力を伴わない通貨などあり得ないということなのだろう。

  • この手のお手軽教養本を掲げる中ではがっつりとした内容。
    政治・行政的な内容はいくらか固い内容になるが、歴史や技術史から捉えたときの物語性は、「決済」という題材の興趣もあって読み通すに苦労しない。

  • イスラム世界のハワラ、プレレックの実験、OFACの規制の脅威、など知らない事が沢山あって勉強になった。

    この本に限らずだけど、日本語訳された本は不自然な言葉遣いや明らかな誤訳があって、結構読むのしんどい。

  • 何気なく使っている決済手段の歴史と技術変遷、決済手段を
    めぐる国ごとの根底にある価値観に触れられる一冊でした。

  • 決済をめぐる30のトピックについて。
    クレジットカード発展の歴史や国際決済の高コストの理由、ドルの優位性と、勉強になる点もあった。ただ、一般向けに分かりやすく解説しようとしているせいか、全体的に帯に長く襷に短しの中途半端な印象。

  • 図書館で借りた。
    歴史的背景を踏まえつつ、最新のフィンテックなども触れ、犯罪などの側面も語り、決済を総合的にまとめ上げる本だ。元が洋書であり、日本人にはちょっと分かりにくく感じる文章も少しあった印象。

    イマイチつかみにくい面もあるが、広く決済とは何たるかを学ぶことができた気がする。

  • ☆年会費無料のクレジットカードの理由が今まで疑問だった
    ☆千ココスで2時間頑張る・今1912→3時間集中できた

    キャッシュレス時代・お金に触れないと、子供にお金のことを教えるのが難しくなる

    米国国務省と大使館のメッセージをウィキリークスが公開・ペイパル、ビザ、マスターがウィキリークスへの寄付の処理を拒否・法で裁かれた訳でもないのに民間企業が寄付の経路を封鎖

    実際のお金の移動はなし・決済は手品のようなもの
    2019年ポーランド中央銀行、大戦中の金、ロンドンから移送 延べ棒8,000本・40億ポンド

    商人が銀行に100枚のコインを預けた・いつでも引き出せるが常に90枚は銀行にある状態・銀行は利子を付けて75枚を貸出(銀行は75枚を生み出したのと同じこと) バランスシートに書くだけ

    決済は本質的にリスキー(お金の出入り時に盗まれる・店主が偽の商品を売る・盗まれたクレジットで払う客…)

    1946年オランダ財務大臣ピート・リーフティング・インフレ抑制、戦争成金に課税・すべての紙幣を流通から引き上げた

    慣習 決済は周囲を同じことを必要がある

    ユーロの高額紙幣 500ユーロ札 犯罪対策で廃止・多額を容易に運ばれると悪用される
    2016年インド 500ルピー、1000ルピーを発表から4時間後に廃止

    現金はお金よりもコストがかかる 印刷、鋳造コストはほんの一部・輸送、分配、警備、ATMへの補充…
    現金の死・使わなくなってきている デジタルウォレット→銀行と比べ、緩やかな規制・事業者の財政難には残高を失うリスクあり

    クレジット85.6ミリ×53.98ミリ 3 3/8 2 1/8インチ
    1950年ダイナースクラブ 3枚複写にサイン(本人、レストラン、ダイナースクラブ) ダイナースクラブが月末に支出額を請求
    レストラン93% ダイナースは7%

    Visaの前身バンカメ 1950年代、顧客は未払い金を翌月に繰り越せる・加盟店は大喜び→顧客にもっと販売できる
    4コーナーモデル カード会員、加盟店、カード会員の銀行、加盟店の銀行

    インターチェンジフィー2% カード会員100ドル→カード発行銀行(2ドル受け取り)98ドル→加盟店銀行(0.5ドル受け取り)97.50ドル→加盟店へ
    決済処理にかかるコストは小さいのでカード発行銀行が儲かる・空港ラウンジ、マイル、キャッシュバック…

    1960年代 アイロンでテープを溶かしてカードに接着 磁気ストライプ

    現在のPOS(販売時点情報管理)決済システム 機械が安くなり普及
    Chip and PIN認証 オンラインの認証が必要なデビットカードの技術 PINデビット取引は加盟店にとって安価になる
    シグネチャーカード(署名するの意)
    過去のテレビショッピング・電話でクレジット番号を伝える・不正利用のリスクがあり加盟店銀行が高めのマージンを設定

    零細な販売店(金を受け取って商品を送らない)へ対応する必要あり→ペイパル
    ペイパルのエスクロー(第三者預託口座システム)が商品が届くまで資金を預かっておく・不正な業者の検知

    アップルペイ モバイルウォレット→カード持ち歩かず購入可・スマホで買い物

    プリペイドカード プレゼントして上限額まで買い物できる・ヨーロッパでも普及(子供に渡す利用も多い) P94好むにせよ嫌うにせよ、カードネットワークのない世界は今や考えられない。

    ビザ、マスター、銀聯(ぎんれん・Union Pay)、JCB 世界中の25,000のカード発行銀行と加盟店銀行を結び付けている
    ビザ、マスターはもともとはJPモルガン、シティバンク、バンカメなどの2万銀行の私有

    ヨーロッパでのクレジットカード利用はアメリカに比べて限定的・デビットカードの利用多い
    2000年代初頭にヨーロッパ中のATMがネットワーク接続
    2016年2017年 ビザ、マスターがそれぞれヨーロッパの会社を買収 EUの官僚は単一のヨーロッパ決済圏を夢見ていたが、それはアメリカの2社によって実現された

    アメリカでの小切手 毎年150億枚・一人当たり1週間に1枚の計算 小切手全体の3/4はアメリカ
    小切手は、支払い手が金額をミスしにくい☆パソコン入力くらべてか? 振込口座番号のミスのようなケースが起きにくい。
    2001年のテロまで飛行機で小切手を空輸・2004年以降スキャン

    支払方法の国ごとの違い 口座振替が多いドイツ

    ネットワーク効果 グレートウエスタン鉄道建設、1435ミリの軌間→普及してしまったが本来は2134ミリの広い軌間が良かった・ネットワークの価値は利用者の数に依存する。
    最良の規格が常に勝つとは限らない 勝者総取り 経路依存→スペースシャトルのブースターロケットは途中のトンネルのサイズに規定された。

    2019年 5000億回のカード決済 アリペイ・ウィーチャットペイ32% 中国の銀行26% アメリカ14% ユーロ圏7%…
    中国だけで58% QRコード方式 物乞いさえQRコードを持っている

    API 2つのコンピュータアプリが互いに話すことを可能にするソフトウェア オンラインストアで気に入った商品をフェイスブックでシェア、アプリやウェブが位置情報を取得する…
    口座番号が送られてきたら、現金の残高を送る

    決済スピードを上げる・即時決済は支払いを受ける側が求める機能

    コストの考え方 アメリカ→参加するために支払う 欧州→決済は公共事業が担うべき・低価格か無料で利用すべき
    欧州では、銀行はインターチェンジフィーであまり収益を上げていない

    北朝鮮の組織的ハッカー・ラザルスグループ バングラディシュの中央銀行のシステムへマルウェア・海外送金で中継拠点となるコルレス銀行の専門知識 通常は国家のみが使用するマルウェアを使用していた・国家が銀行強盗を行っている

    各銀行が、どの銀行からいくら、どの銀行へいくら送金すべきかを把握・顧客個人の口座から引き落とし、振りこみ Automated clearing system

    1974年6月ドイツの小さな銀行ヘルシュタット銀行・破綻・銀行間の信用消滅、流動性枯渇、アメリカの銀行間の決済量が60%減少☆株式投資にちょっと頭に入れておいた方が良い出来事

    即時グロス決済システム 信用リスクを排除できる

    巨大決済システム 鉄道車両はお金、駅は決済ゲートウェイ(ビザのカードリーダーやATM)、頑丈な幹線(RTGS)
    911テロ後、FRBが数千億円の流動性を注入…→お金が回るようにした

    国際決済 お金が実際に送られることはない・ユーロをロンドンに送っても無意味 correspondent banking 飛行機を乗り継いでいけばどんな空港へも行ける

    アメリカの銀行がアメリカ人顧客のために中国で請求書の支払い→アメリカではドルが貯まる・中国にある同行の口座は資金が枯渇→外国為替市場でドルを必要としていて元を売りたい中国の銀行を探す→中国の銀行はアメリカの銀行の中国支店の口座に元を送り、アメリカの銀行は中国の銀行のアメリカのコルレル先に持つ口座にドルを送る

    14世紀のベネチアが語源 アメリカの銀行は中国のコルレス先の口座をNostro(ourの意味) 中国の銀行はアメリカのコルレス先の口座をVostro(yourの意)

    国際銀行間通信協会 Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication スウィフト 各行にBank Identifier Code 8文字のアドレス 共通指示書
    テレタイプ→テレックスは電信線を介して遠隔操作されるタイプライター・送信側がタイプすると受信側で機械がロール紙に印字する。

    国際決済の3つのタイプ カードネットワーク 送金業者 国内即時決済システムの活用

    銀行がコルレスシステムを使い続ける理由→大口のお金の移動に流動を供給する他の方法なし・国境を越える取引で時間がかかる・支払いの消息が曖昧化(金利で儲けられる)

    新興企業のTransfer Wise 珍しい通貨は送金不可or手数料高い・送れる金額に上限→イギリス最大のフィンテックに成長、ノンバンク系

    gpi global payments innovation コルレスバンクのやっている行為を追跡化にする動き・即時支払・不正時に発見可能 24時間以内(半数は30分以内に処理)

    古風な信任状での取引 1961年キューバ・捕虜の解放と食糧援助の例☆アメリカが成功した?内容理解できず

    コダック・モーメント→銀行業全般、決済が崩壊の危機に瀕している・Fintecの台頭

    ペイパル 2015年にイーベイから独立・評価額2,750億ドル(☆30兆円?)

    無摩擦決済(支払いを見えなくする) ウーバー→顧客の請求、決済情報を保管しているから可能 支払いの埋め込み
    1999年アマゾン 1クリックショッピングの特許 顧客の決済、請求、配送情報を保管 スマホでの買い物に便利 2017年に特許は失効

    現金はコストについて考えさせやすい・店にクレジットのロゴ→消費者は商品の利点について考えるようになる・お金を使いやすくなる。

    決済データは新たな石油だ! 中国の顧客はアリペイ、ウィーチャットペイで支払い→顧客データを活用し、融資紹介、返済可能性見極め、ターゲット広告
    アリペイ親会社の消費者金融の総額は、中国のどの銀行のリテール貸出残高よりも大きい
    銀行は規制で顧客データを使ったセールスができない

    銀行のデータ独占(収入、支払い状況、リスク)→情報が非対称で銀行はズルいとの意見 Open Bankの動き

    選挙で選ばれた訳ではない一握りの経営者たちが私達のオンライン上の会話に対して行使している権力→何らかの規制が必要なハズ
    企業は、私達がプライバシーを進んで放棄することをあてにしているのかも知れない。

    ビットコイン 秘密鍵を使ってロック→秘密鍵で署名すれば送金しようとしているビットコインを私が実際に所有していることを証明できる

    Move fast and break things ファイスブックがかつて掲げていたモットー
    ファイスブックのリブラ、JPモルガンの仮想通貨→☆本書中ではうまく行かないだろうとの論調

    ハイパーインフレ 貯蓄者から借り手へと富を移転させる・借金が溶ける・貯蓄がある人には悲惨

    中国人民銀行PBOCは、実際に中央銀行デジタル通貨CBDCを発行 デジタル銀行券
    デジタル銀行券は、現金で持つ人にも金利を課せることになる。
    問題点 匿名性がなくなる(役人が出どころをたどれる) 商業銀行からCBDCへ変換を好む人が殺到? 国民が自国通貨を信用していない国でドル化

    ATMのネットワークを連携させることが可能だったのは、ほとんどのATMが最初から同じ規格、プロトコルを使っていたから
    コルレスバンク 金融機関識別コード ISO 9362 通貨コードISO 3166/4217

    2020年 トランプ大統領 8つの中国系アプリとの取引を禁止する大統領令

    buck ポーカーでディーラー・親・場を仕切る責任の意 The buck stops here. トルーマン大統領 バックは私の所で止まる・責任は私が取る
    中央銀行→流動性確保の責任 規制する権限

    ヨーロッパの銀行 規制で手数料上限がある・規模が小さいのでコストを下げることもできない

    地政学的委員会 geopolitical commission
    2015年にアメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、中国、ロシア、EU、イラン 包括的共同行動計画JCPOA イランが核開発を制限・見返りとして規制緩和(国際金融システムにイランがアクセスできる状態)
    2018年11月 トランプ政権はオバマが撤回した金融制裁を再び課す 他国はイランと決済できず

    他の通貨間の移動はドルを介して行われている 経済制裁 資産凍結
    中国の通信会社ファーウェイ イランとつながりがあるとの嫌疑→トランプ政権が排除

  • 前提知識が必要。

    銀行や決済ビジネスに関して
    内部事情やビジネスモデルを語れるレベルの見識があって
    さらにそこを掘り下げる骨太本。

    ただ、一般教養としても十分に読める内容も多く
    特にクロスボーダー取引や暗号通貨に関しては
    一般社員レベルで知っておいて損はない知識・教養と思う。

  • **ダイジェスト・気になったポイント**

    - 決済が対処すべき課題は3つある
    - ①リスク。決済リスクや詐欺のリスク
    - ②流動性。紙幣や通貨という形で流動性を必要とする。
    - ③慣習。決済の仕組みは人々が受け入れて初めて有用なものとなる。暗黙の合意など。

    - クレジットカードの決済について
    - 4コーナーモデルによって、インターチェンジフィーやマークアップや加盟店手数料が買い手には訴求されないことでカード利用のインセンティブにつながっている(が、その分は結局のところ加盟店が決める物品・サービス価格の値上げという形で転嫁されている)

    - 決済の地理性
    - どのような決済手段が選ばれるかは、その地理性の制約を受ける。レガシーとネットワーク。
    - 同じ進歩を辿ることはまずない。一度確立されるとなかなか変わりにくいし、最適な進み方にはなりにくい。


    **所感**

    - なかなか専門的で理解できなかった部分も多くあった。あと、洋書の翻訳はやはり表現が気になって頭に入らないことも。
    - 決済というものを、3つの要素から捉える目を知れたのはよかった。
    - 暗号通貨等、デジタル技術によって可能になったことやメリットだけではなく、現実的に解決できていない部分(リスクや流動性)についてアンテナが立つようになった気がする。

  • ビジネスで大事な事としてよく言われんのは、ヒト、モノ、カネ。
    そのカネの部分のディープな一般教養的な一冊。

    法律的な省略証言では決済とは負債を免除する方法である。どういう意味?と最初は思ったが、少し考えてみると何かわかった気がした。

  • 決済に関する見識を広げることができる。

    朧げながら決済の世界の広さ、深さ、複雑さが垣間見え、その過程でいろいろな気づきがあった。

    ・ビットコインは世界の通貨になり得ない。なぜなら世界に通用する決済が直面する「善悪に基づいた締め出し」にビットコインは無力だから。

    ・決済の世界が対峙する課題は大きく分けて二つではなかろうか。
    一つはマネロン、賄賂、租税回避といった善悪の悪を懲らしめる(決済させない、してもバレる )こと。
    もう一つは決済金額、決済スピード、決済頻度、地理的スケールの拡大という難題を叶えながら決済システムの靱性、回復力をも含めて安定させること。


    ーーーー
    ・ビットコインのような決済プロセスをトラストレスにする技術は決済リスクを抑えることはできても、犯罪リスクはコントロールできない。言い換えれば、決済に対する善悪の価値観を一切持たないし持てない。

    ・金融システムは超巨大な鉄道網。幹線・支線があり、ターミナル駅・ローカル駅があり、車両がある。ネットワーク。一箇所の故障がダイヤ全体を乱す(ある銀行の破綻が全体に波及)
    ・ただし鉄道というほど、標準化は進んでない。各国や地域がそれぞれの慣習や経路依存性などに基づいてボトムアップで作り上げた金融システムを節目節目のゲートウェイ(ターミナル駅)でコストをかけて変換して無理やり繋いでいる感じ
    (スウィフトは除く)

    ・クレカの決済モデル
     4コーナーモデル
     PayPalやストライプはこのモデルの中で優位なポジションを築き、一大フィンテック企業に。

    ・オープンか、クローズドが
    企業が儲けるにはシステムはクローズドであったほうが都合が良い(アリペイ、ウィーチャットペイ、グーグル、Facebook 、VHS vs ビデオテープ、アプリストア )

    ーーーーー

    お金、文字、宗教
    先史時代の部族の規模を超えて機能することを可能にしたもの

    デジタル・アナログ、グローバル・ローカルの二軸

    国境を越える決済のほとんどは15の銀行のいずれかが携わっている(N=25000)

    ウィキリークス
    →法で捌かれた訳でもないのに民間企業(PayPal、VISA、マスターカード)が寄付の経路を封鎖。

    法律上での"決済"
    →負債を免除する方法

    価値の移転につきまとう3つの課題
    リスク、流動性、慣習

    決済リスク→支払い先が倒産して商品を受け取れない
    詐欺リスク→なりすまし、踏み倒し等

    決済の主役の推移
    銀行と現金→クレカ会社とクレカ→フィンテックとモバイルウォレット

    あらゆる決済手段の中で、現金は圧倒的に犯罪者に好まれる

    中央銀行の貨幣増量
    ・印刷している訳ではない
    ・商業銀行から預かった準備金を増やしている(帳簿への追記)

    現金容認派の意見
    ・デジタルシステムの停止リスク
    ・金融システムへのアクセシビリティの低下(銀行口座、端末、ネットワーク...)

    4コーナーモデル
    ・カード使用者
    ・加盟店
    ・カード発行銀行
    ・加盟店銀行
    →4つのアクターのプロセスでクレジット決済が実現。カード発行銀行、加盟店銀行はそれぞれ手数料を受け取る

    カード発行銀行の儲けのおこぼれ
    →空港ラウンジ、ポイントシステム、キャッシュバック等等

    国際送金
    ・コルレス銀行
    ・実際にお金が国境を跨いでいる訳ではない
    ・各領域内で、銀行同士がコミュニケーションをとって帳尻合わせしている。
    ・帳尻合わせには異国の通貨が必要→外国為替の実需

    スウィフト
    ・専用のスウィフト端末がある
    ・1日3000万通ものメッセージ

    無摩擦決済
    →痛みがなければ支出は増える。UIUXを洗練させ、人々の支払っている感をとことん減らす。
    例:ウーバー、ワンクリック購入、ゼロクリックサブスク更新

    CBDC
    ・民間銀行の流動性を奪う

    "決済の未来をめぐる競争はすでにはじまっており、誰しもビリにはなりたくない。中央銀行は主導権を握りたいし、銀行は利益を上げたいし、テクノロジー企業は成長したいと願っている"

    航空会社のロイヤリティプログラム(マイル)
    ・必要マイル数を増やしてインフレ→航空会社の負債をなくす
    ・失効済ポイント=丸儲け
    ・顧客はプログラムを続けるか、やめるかの二択しかない
    ・マイルはクローズドな通貨システム


    EU :
    数多の規制、規制当局が多過ぎて銀行は決済ビジネスの開拓に苦労。

    決済の元締めは武器になる。
    金融制裁、スウィフトからの締め出し

    決済ができない→お金のやり取りができない→ビジネスができない→経済の停滞
    基軸通貨ドルの"強さ"

  • 全体としては、決済をめぐる銀行、テック企業、国家、地下経済、先進国、途上国、等々のそれぞれの事情やせめぎあいがあることが具体的な例でもって示され興味深い。そうした中で各国(特にヨーロッパ)の銀行が置かれている苦境とか、米ドルの覇権について書かれたⅦ部が特に面白かった。ただ、Ⅳ~Ⅵ部はややこしくて話についていくのが難しかった。

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著者プロフィール

ナターシャ・デ・テラン
SWIFT社 元コーポレートアフェアーズ部門責任者
元ジャーナリストで、ウォール・ストリート・ジャーナル紙、タイムズ紙、フィナンシャル・タイムズ紙、『マネー・ウィーク』などに寄稿してきた。スウィフトの元コーポレート・アフェアーズ責任者、カーネギー国際平和財団のノンレジデント・スカラーであり、英国支払システム規制庁および金融サービス消費者パネルの委員を務めている。金融についてわかりやすく伝えることの重要性をかたく信じている。

「2022年 『教養としての決済』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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