5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?

著者 :
  • 東洋経済新報社
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本棚登録 : 404
レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492762127

作品紹介・あらすじ

米国の新聞社・出版社が繰り広げている
「血みどろの生存競争」が日本にやってくる!

4カ月でビジネス誌系サイトNo.1に導いた
東洋経済オンライン編集長が予見するメディア・サバイバル

今、日本と世界のメディア界は、大きな岐路を迎えている。今後5年、メディア業界は100年に一度といってもいい激震を経験するはずだ。では、ウェブのさらなる進化などによって、メディアの形はどう変わっていくのか。ネットメディアを運営するプレーヤーの目と、業界を分析するジャーナリストの目から、「メディア新世界」の姿を予測する。
・8~9割のメディア人はデフレに
・テクノロジー音痴のメディア人は2流
・日経以外の一般紙はウェブで全滅する
・有料課金できるメディアの条件
・起業家ジャーナリストの時代がくる
・最後のガラパゴス業界が激変する
・欧米メディアの”血みどろ”の戦い
・これからはコンテンツとデータが王様
・5年でデジタルは端役から主役に
・一番偉いのは、新しい”稼ぎ”を創る人
・新時代のカギを握るのは、30代
・“のっぺらぼうメディア”の終わり
・ウェブと紙の6つの違い
・紙の本はそのまま残る?
・雑誌が紙である必要はあるか?
・次世代ジャーナリストの10の生き方
・記者は没落、編集者は引く手あまた
・ウェブメディアの8つの稼ぎ方
・どうすればネット広告は儲かるか?
・サラリーマン記者・編集者の終わり

感想・レビュー・書評

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  • 自分にとっては、発展し続けているウェブメディアについての考え方が参考になった。自分もなんとなく紙よりも自由に表現できるというイメージはあったけど、よりウェブメディアの可能性について考えさせられた。
    •ウェブメディアにおいてもっとも大事なのは、文章力よりも経験や知見の面白さ。
    •二流の記者が書くIT分野の記事よりも、IT分野で活躍するビジネスパーソンに書いてもらった記事のほうが、コンテンツ力が高く読者のニーズにも合致しうる。
    •ウェブメディアにとって大事なのは、ひとつの方向性に読者を誘うことではなく、さまざまな意見を読者に提供し、読者の頭の中を刺激することだと思っている。
    メディアはどうなるのかというよりもウェブメディアについてより興味を持った。

  • 171012 5年後、メディアは稼げるか 佐々木紀彦 ☆☆☆ 2013年の本ながら秀逸のIT出版論
    ITで多くの業界が激変するのは必至だが、大事なのは「稼ぎ方」=「新しいビジネスモデル」
    →良いコンテンツが、それに見合った対価を得られるようなビジネスモデルを創る
    *世の中みなさん簡単に「新しいビジネスモデルを」と仰るが、それこそ最高の企業秘密!
     みすみすアップサイドのリターンを放棄するのは、善人ではなく、ただの阿呆

    1.ウェブメディア体験で痛感 「東洋経済オンライン」
     速報より分析     クオリティの高い第2報 cf 速報は通信社(欧米)
     クローズよりオープン

    2.米国メディア
     一足早く、変革の洗礼
     広告料激減の法則 「1:10:100」紙 オンライン モバイル →広告枠の制約がない(無限)
     FTの改革 メーター制 法人比率高める(BtoB)
     読者データの分析 宝の山 Amazonになる
    経営サイドの革新力 現場のモチベーションを高め 高いクオリティのコンテンツを実現する
    それが希薄な日本では、メディアの劣化・マンネリ化が進んでいるように思える(100)
    →全く同感 残存者利益なんて行ってるから、モチベーションがどんどん崩れていく

    3.ウェブメディアでどう稼ぐか
    メディア企業の基本機能
    (1)調達・生産 コンテンツを創る
    (2)編集・統合 コンテンツをパッケージ
    (3)流通・販売 コンテンツを読者に
    日本の新聞は「宅配」の強みを持つ 18千店 特落ちリスクを避ける官僚制
    雑誌は正念場  パッケージ解体 コンテンツのバラ売り

    8つの稼ぎ方
    (1) 広告    バナー広告→スマホでは成立しにくい
    (2)有料課金
    (3)イベント
    (4)ゲーム
    (5)物販
    (6)データ販売
    (7)教育
    (8)マーケティング支援

    4.5年後に食えるメディア人 食えないメディア人
    組合せが大事 ①テクノロジー人材②コンテンツ人材③ビジネス人材
    *ウィリアム・デレズウィッツ「優秀なる羊たち」
     「リーダーシップの本質、それは『孤独』である」
    リーデーシップにとって、真に重要なのは想像力であり、新規かつ逆張り的な物の見方を考え出し、それを表現する勇気です。
    よきリーダーであるためには、いかにして一人の時間を作るか、一人で思考に集中できるか、大多数の一致した意見に左右されないか、を判っていなければなりません。
    「孤独」とは、一人で静かな時を過ごすことへの自信と心地よさです。

    「デジタルは電子のコカインである」
    脳を壊してしまう危険がある 読書、古典の読書によって充電が不可欠
    自分の思考を深める
    ⇔SNS メール

    5.福沢諭吉「時事新報」チャレンジ精神とアイデアの豊富さ
    時代は経ても、新しいメディアの登場にどう取組むかの姿勢は同じ
    「新聞人 福沢諭吉に学ぶ」(鈴木隆敏)

  •  タイトルを見て、「これは買わねば」と即座にポチってしまった本。

     著者は「東洋経済オンライン」の編集長。
     短期間で同サイトをビジネス誌系サイト№1に成長させた経験をふまえ、出版社や新聞社、ライターや編集者がこれからの時代に生き残っていく方途を探った本なのである。

     この手の本ではふつう、「ネット時代のジャーナリズムはどうあるべきか?」などというお堅いテーマが前面に出るものだ。
     それに対して本書は、“そんなキレイゴトはどうでもいい。問題はオレらが5年後、10年後に食っていけるかどうかだよ”と(実際にそういう文章があるわけではない)、「マネタイズ」の可能性に的を絞っているところがよい。副題のとおり、「Monetize or Die?」――「カネになるか、しからずんば死か」なのである。
     我々ライターとしては、そこがいちばん知りたいわけだし……。

  •  「東洋経済オンライン」の編集長の佐々木さんが執筆した『5年後、メディアは稼げるか』は、メディアの現在とこれから進むべき道を記した本だ。本の帯には「マネタイズか?死か?」と強烈な煽り文句が書いてあるが、メディアを仕事としている人ならば、これが煽りではなく的確に現状を捉えた言葉であると実感できるだろう。

     ウェブメディアの特徴や概観(アメリカ含め)を網羅的かつ客観的に説明し、メディアの稼ぎ方を考察、これからのメディア人(あくまでメディアで食っていこうとする人)に必要なスキルやスタンス、考え方を筆者の私見も交えながら論じている。

     長年編集部に在籍していた経歴があるためか、具体例を交えながら分かりやすい説明を展開している部分は素晴らしい。今まであまりメディアに触れてこなかった人でも楽に読み進められるので、業界研究の入門書として好適だ。メディア志望の就活生も読んでおいて損はない。

     一方メディアに携わっている立場であれば、この本の位置づけは大きく変わる。デジタル主体の媒体展開(ジャンル横断含め)、ユーザー属性をはじめとするデータの重要性、フリーミアム戦略――いい意味で、ここで書かれていることの多くは"当たり前"だ。というより、当たり前のこととして認識していなければならないように思う。言葉として整理されていなくとも、直近のWebの動きを見ていれば感覚として共感できるはずだ。

  • 現・ユーザベース CCOである佐々木氏による、これからのメディア論が語られた1冊。
    海外のメディアの事例を取り上げながらも、今後日本のメディアが生き残っていくためにはどのような方向性を模索するべきなのか、ということについて自身の考えを非常に簡潔に述べている。

    特に印象的だったのは、メディアの収支モデルの変化。
    従来の紙媒体メディアでは、その収入の多くを広告費で賄っていた(米国 約9割、日本 約3割)が、多くのメディアがWeb媒体に変化することによって、広告費の価格が落ち、次第に売り上げが低下しているというもの。これはこれまでは有限の枠しか設けることができなかった広告(紙面上)が、無限に広がるネットワーク上に広がることとなった(Web上)ため起きた、構造上の大きな変化である。

    この構造変化を明らかにした上で、著者は日本のメディアに警鐘を鳴らす。アメリカのメディアなどは元々広告費への依存が大きかったため様々な変化をしている過渡期であるが、日本のメディアはそこまで依存をしていなかったため、大きな変化を希求していない。
    しかし、このままでは日本のメディアは廃れ、本来の役割を果たすことができなくなってしまう。

    ここまで明らかにした上で、著者はこれからは「起業家的ジャーナリスト」が必要とされていると言う。つまり、自分で企画をし、それを形にし、自分でプロモートするという一連のプロセスを実行でき、かつビジネス、テクノロジーへの理解もあるジャーナリストということである。
    これは私自身が働きながら痛感していることとも重なる。これからは決まった枠を埋めるだけの記者ではなく、ユーザーのニーズを読み解き、かつそれを満たすことのできるジャーナリストこそ価値を持つこととなる。

    メディア業界で起きている大きな変化を分かりやすく解説し、かつその上で方向性を示した良書であると言える。


    ==========
    以下、特に印象に残った箇所を引用する。

    「私自身、ウェブメディアに移ってから、この世界の"ジャーナリズムの弱さ"を痛感させられています。いちばん驚いたのは、当たり前のように、原稿を前もって取材対象者に見せることです。こんなことは、経済ジャーナリズムの世界では考えられません。原稿の事前確認ができれば、取材対象者は自分に都合の悪い話はすべて削ってしまいます。(p. 138)」

    「個人的にはいちばん大事だと思っているのが、孤独に耐える力です。ビジネス誌の編集者という仕事柄、起業家などイノベーティブな人物に出会う機会も多いですが、そうした人々には共通点があります。それは、人生のターニングポイントで一度は逆張りをしているということです。進学、就職、転職、起業など、人生の要所で周りから反対されるような決断をしています。では、逆張りする力、自分の信念を貫く力はどこから生まれるのでしょうか。それは、孤独に耐える力です。(p. 171)」

  • この本が書かれたのが2013年、まさに署名にあるように「5年後、メディアは稼げるか」を問う年である2018年にやっと手に取り読みました。既存メディアの実際の経営状態はどうなのかはわかりませんが、書籍では「新聞社崩壊」とか「躍進するコンテンツ、淘汰されるメディア」とか曲がり角に警鐘を鳴らす本がいっぱいです。5年の変化で一番象徴的だな、と思うのは著者が、この本を上程した後、2014年に「東洋経済オンライン」の編集長から「NewsPicks」の編集長になったこと。まさに本書で書かれている、会社よりも個人、というテーマの実践ですね。5年前のメディア界の見取り図ですが、現在でもメディアに関わる人にとっての教科書としてはわかりやすいです。著者の最近の講演を聞いて本書を手にしたのですが、その時に話されていて、本書に書かれていないのは5Gという通信環境と動画というコンテンツの可能性についてです。いつもメディアはテクノロジーが引っ張るのだと思います。

  • 新しいこと、難しいことはないけど、「そうだよな!」と改めて感じさせる内容。ウェブメディアの「広告」と「課金」に関連する人はさらりと目を通すと示唆があるかも!(kindle版で読みました!)

  • 速報性よりも、クオリティの高い第2報にこだわって差別化

    ●次世代ジャーナリストの条件
    1.媒体を使い分ける力
    インタビュー
    →動画
    →要約
    →生放送
    →全文
    2.テクノロジーに関する造詣
    3.ビジネスに関する造詣
    4.万能性+最低3つの得意分野
    5.地域、国を越える力
    6.孤独に耐える力
    7.教養

  • 単に内容だけを見れば、熱心に反論したくなるような大きな違和感はない。全体を通して肌感覚/大雑把な世論に近いと言っていいと思う。

    ただし、良くも悪くも上梓されてから3年、である。本書はタイトルに掲げた「5年」を待たずして陳腐化してしまった。逆に良く言えば(あるいはもっと悪いことには)、本書の内容の殆どが3年経過の段階でその妥当性を失っていない。

    というのが、言うまでもなく最大の問題。

  • メディア提供者側の生き残り戦略が垣間見れて面白かった。

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著者プロフィール

佐々木 紀彦(ササキ ノリヒコ)
東洋経済オンライン編集長
東洋経済オンライン編集長。1979年福岡県北九州市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、東洋経済新報社で自動車、IT業界などを担当。2007年9月より休職し、スタンフォード大学大学院で修士号取得(国際政治経済専攻)。2009年7月より復職し、『週刊東洋経済』編集部に所属。「30歳の逆襲」「非ネイティブの英語術」「世界VS.中国」「2020年の世界と日本」「ストーリーで戦略を作ろう」「グローバルエリートを育成せよ」などの特集を担当。2012年より現職。

「2013年 『5年後、メディアは稼げるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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