- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492762158
作品紹介・あらすじ
日本の産業界は今、猛烈な勢いで150兆円の医療産業への産業変換を目指している。アベノミクスの成長戦略の柱となるのはそのためなのだが、現状は、MRIやCTスキャナーなどの高額な大型医療機器の分野でGEやシーメンスなど欧米の有力メーカーの厚い壁に阻まれているため、世界シェアは高くない。しかし、その現状に対して、日本メーカーはついに、「がん治療器」などのお得意のIT技術を駆使した大型商品を生み出すことに成功。反撃のノロシは上がった。医療産業の裾のは、単に、治療機器などの製造業に止まらない。病院経営などの医療産業や、治療ツアーなどの観光業へも、大きな経済的インパクトを与える。本書では、医業産業の持つ、大きな影響力の全貌を見据える。
感想・レビュー・書評
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世界の主要産業のマーケットを概観すればトップがエネルギー産業で1000兆円、医療産業はこれに次ぐ規模で520兆円。このうち医療サービスが430兆、医薬品70兆、医療機器が20兆円となっている。医療産業の成長率は年8.7%と非常に高い。医療機器について言えば、アメリカ8兆円で、日本はこれに次ぐ2.5兆円の市場規模となっている。先端医療機器のCTの世界出荷の2分の1を占め、重粒子線がん治療装置であれば世界シェアほぼ100%など、知られざる日本の医療産業力を10章にわたり紹介する。電子部品、MEMS、バイオ、機械工学、化学、金属など、あらゆる分野で世界一の技術力を持つ日本。様々な技術がクロスオーバーする医療産業でトップを闊歩できる理由がここにある。
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東芝やソニー、オリンパス、そしてたくさんのベンチャーなど、
いろんな企業がどのような戦略で医療を企業の柱として
育てていくのか、を取材などを中心としてまとめてある本だった。
著者がもともと半導体を取材する人だったようで、
半導体を中心とする従来産業と医療の接点が多く書かれてあって、
とても参考になる本でもあった。
日本は IT などでは出遅れてしまっているけど、
この本を読んでいると医療を中心としていけば
各企業は大きく成長できるポテンシャルを持っているんだな、
ということもわかって面白い。