- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492762479
作品紹介・あらすじ
テレビ番組の人気ホストとして知名度を上げ、メディアが創りだしたともいわれるトランプ大統領は、メディアを敵視する発言を繰り返している。トランプvs.伝統メディアの構図は、アメリカの政治・世論の深刻な分裂ももたらしている。アメリカ政治とメディアの歴史も踏まえつつ、分極化の過去・現在・未来を展望する「アメリカ政治とメディア」の決定本。
学者とジャーナリストによるコラボで、アメリカメディアの今を、多角的に解説・分析。ニューヨーク、ワシントン、シリコンバレー取材のベテラン記者が、伝統メディアと新興メディアの攻防やフェイクニュースなどの現状を描き、トランプ支持者を350人以上取材した記者が、トランプ支持者のメディア消費を探る。パナマ文書などのスクープにもかかわった調査報道記者が、司法省によるジャーナリストの訴追や、アメリカの調査報道の現状について解説する。
「分極化するメディア」は政治をどう変えたのか。日本に対する多くの示唆を含んだ書。
感想・レビュー・書評
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各著者のほとんどは記者なので読みやすい。政治報道の黄金期はウォーターゲート事件などがあった1960-70年代なのだという。しかし、鶏と卵のどちらが先かはともかく、互いに作用して強まっているように見える近年の世論・政治の分極化とメディアの分極化。そしてフェイクニュースの広がり。これらは読んでいて明るい気分にはならない。
デジタルメディアの成長それ自体は不可避としても、伝統メディアと比べると玉石混交という気がする。他には、精神科医による著名人の気質分析の適否というゴールドウォータールールをめぐる状況、報道機関への情報漏洩と政府の対応。オバマ政権でも最初の5年間は情報漏洩者を多く訴追し厳しい対応をとっていたとのこと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まさにタイトルどおり、『現代アメリカ政治とメディア』について、その現状が網羅的にわかる本。
特に、トランプ政権成立前後のアメリカの政治とメディアとの関わりについて、アメリカ現地でのインタビューや実際のアメリカ国内での報道の様子、現地調査機関の様々な調査データ等に基づき、具体的に記されていて、とても説得力がある。
メディアをめぐる現代の様々な「分断」ー保守とリベラル、伝統メディアとデジタルメディア、真実とフェイクニュース、権力の監視と秘密情報の保護…etcについて包括的に多視点から記載されており、”現代における「メディアの役割」とは?”という疑問を終始頭に抱えながら読むことになった。
さすが元記者の方々が書いた本である。横書きで約400ページ近くある本であり、読み切れるか心配であったが、自分でも驚くくらいすらすらと読めてしまった。 -
ちょっと前に読んだので、細かいところ覚えてないのが悔しいけども、けっこう熱中して読んでた気がする。いくつか気になった話があったけど、フィルターバブルの話が特に印象に残った。
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アメリカにおける紙・デジタルメディアの30年程度の歴史を理解することができ、有益。トランプに寄ってるわけでもなく、アメリカ政治とメディアというタイトル通りの内容で、良かった。(横書きで400P弱あるのがきつかったけど
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■共和党より
FOX、NYPOST、NBC、ドラッジレポート
■民主党より
CNN、NYTIMES、ワシントン・ポスト
・1994年から2017年で、共和党と民主党のお互いへの不信感は約3倍になってる。分断。
・「白人ミドルクラスは割りを食ってる。オバマケアやBLMで移民や黒人や貧困層に横入りされた気分だ。そんな可愛そうな自分たちブルーカラー白人を、トランプは見てくれる」的な。
・フェイク発言の割合、トランプは76%、ヒラリーは26%。
・公平原則:1980年代にレーガンが一度抑止。言論の自由を優先した結果、分断が加速している側面あり。
・イコールタイムルール:政治に関する発言を放送したら、もう片方にも反論する時間を用意すべき、というルール。ニュース番組など例外とされる抜け穴も多く徹底されてないが、すごくアメリカ的なルール。 -
東2法経図・6F開架:312.53A/Ma27g//K
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日経新聞2019525掲載