はるふぶき (絵本・こどものひろば)

著者 :
  • 童心社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784494008865

感想・レビュー・書評

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  • 2021.5.20 5-2

  • [墨田区図書館]

    北海道での作者の経験から書かれたというこの本。はるのふぶきの恐ろしさを、静かに描いたこの本は、ゆっくりと、穏かに読みたくなる。でも怖いという感じでもない。いわゆる、悪意のない、自然の脅威がしんしんと物語の全体に広がる感じ。

    冒頭、丸太を積み込む際に、「お父さんの残した」というような文がある。死んだんだろうか、出稼ぎに行ったんだろうか、とその含みのある表現に一瞬気を取られたが、途中「戦争に行った」という含みを読み、その理由自身がどこまで文中で重きをなすのかわからないが、より暗い、絶望的な感じを増幅させる。

    面白いとか、つまらないとか、物語自体の評価をするのではなく、純粋にこういう本が醸し出す空気の違いを読み取れるようになっているといいな。夜、とても眠くて元気のないところで読んであげたから最後まで言葉もなく静かだったけど、元気な時でも同じ反応だったのかな?

  • 初めて主人公のマサルは馬のアオの引くソリでひとりで町に出た。おつかいを済ませて家路へ急ぐ中、少年と馬を春の吹雪きが容赦なく襲う。

    アオ、どうしよう。ここで死ぬの?……いっしょにいてね。

    この部分は著者の加藤多一さんがご自身の体験をもとに書いたところ。

    さて結末は自分で読んで確かめて下さい。小林豊さんの絵もとてもきれいです。

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