カラスのいいぶん: 人と生きることをえらんだ鳥 (ノンフィクション・生きものって、おもしろい!)
- 童心社 (2020年12月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
- / ISBN・EAN: 9784494020683
作品紹介・あらすじ
みぢかな鳥、そしてきらわれものの、カラス。ごみをちらかす、黒くて不吉、大きくてこわい……など、わるいイメージばかりだけれど、本当はどんな鳥なのでしょう?
もともとは森でくらしていたカラス。人の出すゴミにひきよせられて街へとおりてきました。しかし、街のくらしも楽ではありません。なわばりあらそいのきびしさ、子育ての苦労など、いがいと知られていないカラスの生活をほりさげます!カラスを愛する著者が語るノンフィクション。
本作は、著者の嶋田泰子さんが、家の庭にくるカラスたちに興味を持ち、観察日記をつけたことが出発点です。普段は気にもとめないくらい身近な鳥、カラス。でもよくよく調べてみると、驚くほど多彩な表情を見せてくれるのです。この本を読めば、ゴミをちらかす嫌われもののイメージが変わります!
感想・レビュー・書評
-
2021年青少年読書感想文全国コンクール課題図書中学年の部の課題本のなかの1冊。
https://booksabe.web.fc2.com/campaign_2021_zenkoku_kadaitosyo.html
著者が、共同購入した卵をカラスに盗まれていたことから、「カラスこのやろー、でもまずはあいつらのことを調べてみよう」と思って家に来るカラスを観察した記録。
レビューの前に…この本横書きです。
人によっては読みやすいのかな。
しかし私は、仕事の文章やネットの文、絵本などはもちろん横書きなんだけど(ブクログレビューも横書きだしね)、自分が読む本は縦書きでないとイマイチ頭に入らないのよ…。ながい横書き絵本もちょっと苦手。この本もちょっと読みづらかった。
閑話休題。
観察の対象になったのは、自分の庭に来る常連カラスさんたち。見ているうちに一羽一羽区別が付き、名前もつけた。なかでも著者に一番近い関係となったのは、一番艶が良く元気で好奇心も強いクロスケ。このクロスケを通して、カラスの一日のスケジュール、年間スケジュール、巣作りや縄張り争いの様子を伺い知れる。
カラスは頭が良いと言われるが、実際に脳の容量が大きく、人間の8歳児くらいの知能はあるのではないか、と言われているのだそうだ。
その頭の良さは、餌を隠しておいたり、くるみを車に割らせたり、犬の餌を横取りしたりというところで出ている。
さらにカラスは遊びを行うらしい。著者が見たのは、30センチくらいのトイレットペーパーを数羽のカラスがひらひら〜ってさせながら飛んでいる姿や、乾いたカエルの死骸を引っ張って音を出して楽しんでいる様子。そして著者の常連であるクロスケなどはそんな遊びを見せに来たらしい。
なお、クロスケたちは都会で見られるハシブトガラス。それに対して畑や川などにいるのはハシボソガラス。もともとヤタガラスは神の遣いとして崇められていた。それが題名のように「人と生きることを選んだ」のだが、それは人間が自然開発をしたため餌のある街で生きるようになったということ。だがゴミを漁ったり人を襲ったりして駆逐対象にもなる。
著者はカラスが人を襲うのは、巣を壊されて卵や雛を殺されたためや、行く先に巣があって守ろうとするときだけだ、闇雲に襲ったりはしない!と声を大にして訴えているのだが…、
しかし私カラスにキックされたことがあります。私としてはいつもの道を普通に自転車漕いでいたらいきなり頭にショックが。え?と思って上を見たらカラスが飛び去ってゆくところだった。どうやら電線に止まっていたカラスが足で私の頭をキックというか私の頭を足で掴んでから、また電線に戻るところだったっぽい。帽子をかぶっていたので無傷ですが、帽子に何かついていたわけでもないし、他にも人いたし(私がキョロキョロしていたら、たまたま目撃した人もびっくりした顔で私を見てました)、私が行く先は大通りだったのでカラスが守ろうとした巣があったとも思えない。カラスはなぜ私を狙ったのだろう?(なお、家に帰って家族に「カラスにキックされちゃった。別に私なにもしてないし、他にも人いたんだけどなあ」と言ったら、次男が「きっと行こうとした先が危ないってカラスが教えてくれたんだよ!」とフォローしてくれました/笑)
人間の近くには多くの動物がいる。人間に取っ手の迷惑行動もそれは「いいぶん」がある。闇雲に害扱いでなく相手の「いいぶん」を聞いて共存できるのだろうか。(でも蚊や蝿やゴキの「いいぶん」は聞きませんよー。。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世の中にはカラスが嫌いな人が多いことに改めて気付かされた。著者の嶋田泰子さんも、そのお一人。
「カラスごときに負けたくない、ギャフンと言わせ、人間を見くびってはいけないと知らせたい」と。
鳥類、カラスも好きな私には導入から入っていけない。
そんな著者も観察を続けているうちにカラスの魅力に惹かれていくのだが。
そう、そう、カラスって賢くてかわいいんだよ。
それにしても、ビーフジャーキーで餌付けをする観察はいかがなものか…。
2021年課題図書小学中学年に選定された本作、子どもたちからどんな感想が出てくるのか楽しみです。 -
課題図書です。
夏休みも終わり落ち着いたので、やっと読めました。
内容はとても面白いノンフィクションです。
カラスの生態がわかり、そうなんだーと思う内容で、作者は専門家ではない、と言ってますが、なかなかの観察眼です。
カラスの餌付けまでできるとは…
そして、最後は少し寂しいカラスとの別れ。そして、SDGsにもつながるのかな、と思いました。 -
おれも、カラスはきらいだったけど、この本を読んで、カラスのことをおうえんしたくなった。
カラスは、ゴミ置き場をあらすから、おばあちゃんが大変になるし、ゴミをあさるからきたない。目を合わせるとなんかされそうだと思っていた。
でも、カラスが、人間がパッと見ただけじゃわからないところでがんばって生きてたのがわかった。
カラスがゴミをあさるのは、食べ物をさがすためだけど、それは人間のせいで森林が少なくなって、町に出てきたから。きたないのは、生きるためだからしょうがない。
人間はカラスをつかまえたりすをこわしたりするから、ふんを落とされたりひどい目にあわされたりするんだ。カラスのせいにするのはひどい。
本に出てくるカラスはみんなかわいい。とくに、クロスケはかわいいし、がんばってひなを守るのがかっこいい。
カラスもカラスによってせいかくがちがうし、いっしょうけんめい生きてるんだなって思った。よく見たことがなかったのに、いやだなって思ってたのが、カラスに悪かった。
すっごいおもしろい本だから、みんなに読んでほしい。(小4) -
カラス大好き!
…黒いからだけど……
カラスについて研究した作者。
だんだん大嫌いなカラスに親近感がわいてきます。
この姿勢を見習おう… -
よく見るカラスについてわかった。日本にいるカラスの特徴などよく知れてよかった。カラスが嫌いな人でも、この本を読むとカラスは、どんな鳥かが、分かると思う‼︎
カラスについてもっと知りたいなど、興味を持てました! -
2021年中学年課題図書。カラスは他の鳥より脳が重くて頭がいい。人間の生活をちゃんと見てて自分の生活に取り入れる。なるほどなるほど。カラスすごいなぁ。横書きで読みやすいが、3,4年生だよね、図とか表とかあっても良かったかなぁ。絵は多いからわかりやすいか。でもさ、カラスがすごいって本は案外出てるじゃん?メジロとかトンビとか、シジュウカラとか、案外近くなのに知らない鳥が良かったのは個人の感想(笑)