本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (127ページ) / ISBN・EAN: 9784494020713
作品紹介・あらすじ
八月一日、夏休みの登校日。みずかは先生に「だって、書けないんだもん」と言いました。おもしろい本を読んで、ああおもしろかったなあって、胸がいっぱいになる。どこがどうおもしろかったとか、何がよかったとか書こうと言葉を探そうとすると、しゅるしゅるしゅるって、おもしろかった気持ちがきえてしまう。だから「感想文、むり!」……書かないわけにはいかない読書感想文、みずかが考えた作戦とは?
物語を読むということは、登場人物に共感したり、自分がその立場だったらどうだろうかと想像力を働かせたりすることです。そのうえで感じた気持ちにぴったりの言葉を探して表現することが、読書感想文を書くことなのですが、「わたしにはむり!」と言う主人公・みずかに共感する読者は多いことでしょう。みずかたちの挑戦をとおして、読者はいつのまにか、物語の中に入りこみ、一緒に想像力を働かせてさまざまな気持ちを感じることでしょう。もう、感想文、書けますね!
感想・レビュー・書評
-
夏休みの宿題に感想文あるよなぁ。
…で、おもしろかった。よかった。かわいそうだった。になってしまいそうなのわかるなぁと。
夏休みの登校日に感想文を書いていかなきゃいけないのに書けなかった小学3年の女の子。
本は読んでるし、おもしろかったけどなぜか書けない。
よかっただけじゃだめなの?
胸のなかにはたくさんの思いはあるけれど…
伝えられない。
主人公の気持ちになって考えたらって言うけど、考えるの無理だし。
女の子が、がんばる話で悲しくもなくて、誰も死ななくて、わくわくする話…っていうとないから自分で絵本を作ることにした。
大好きな弟の話を書くことに…
友だちと考えながら書きあげた「あかねおねえちゃん、がんばる!」。
自分で作ったら思ったとおりの絵本に仕上がる。
感想文のつもりが、絵本から作ることになるなんてちょっと驚いたけど確かに最高のお話だった。
もう、絵本だけでも充分じゃないって思った。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
感想文を書くために、お友達と物語を作っちゃう。感想文よりも全然難しいことなのに。想像力、自分の気持ちを表現することの大事さ。うーん、思っていた以上に良いお話でした。
-
感想文を書く時、自分が作った本で感想文を書いてみたいです。もし、本当に本を書くなら、自分のことや、身近なもの(友達)のことを書きたいです。
-
「おもしろい本を読むと、むねがいっぱいになるの。ああ、よかったなあ、おもしろかったなあって」
「じゃあ、それを書けばいいんじゃないかな」
「でも、そこが問題なの。どこがどうおもしろかったとか、なにがよかったとか書こうとすると、しゅるしゅるしゅるって、おもしろかった気持ちが消えていっちゃうの」
うんうん、わかるわかる!
そして先生の対応もまさに神対応。
主人公の気持ちになって考えた方がいいってお母さんに言われたという友達のアドバイスにも
「そんなのしんじられない。自分じゃないものの気持ちになってとかって、むりむりむり。ぜったいむり」と言っていたのに最後には
「自分が、お話の中に入った気持ちになればよかったんだね」
と気づいたみずか。
感想文が苦手なすべての子におすすめです! -
みずかの感想文に対する思いに共感する子は多いだろうな。感想文を書きたくなるお話を作ろうとする(しかも友だちに作らせようとする)発想は純粋で楽しいなぁ!!どこを切り取って読んでもよいお話だった。
-
夏休みの宿題の一つ「読書感想文」が、みずかはどうしても書けない。本は面白いけど、感想文ってどうやって書いたらいいのか分からない。
-
しゅくだいわすれましたの方が好きだったかな。今時分、読書感想文を書くのが苦手な子に少し読んで見てほしい本でもある。
-
あかねがたくちゃんのためならがんばっているすがたがかっこよかったです。
-
だい6しょうの あかねちゃんの きもちが よくわかる!と思った(小1)
-
感想文が書けない!夏休みの子どもたち。
自ら作ったお話で感想文を書きました。そのお話の内容に涙。子どもは体験からたくさんのことを学び吸収する。それを知っていて引き出せる先生が登場し、こんな学校はいいなぁとホッとした。 -
-
息子が初めて
買って、と言ってきたマンガ以外の!小説。
読んでみ。いいお話だから。
とのこと。 -
読書感想文、書けますか?(私は苦手でした…)
主人公のすみかも、読書感想文が苦手。
本を読むのは好き、読んだあと胸がいっぱいになる、けどそれを書こうとするとしゅるしゅるしゅるって面白かった気持ちが消えて行く…(わかる、わかるよ…!)
それに対し、先生はこう言います。
「感想文って、思いを言葉にする練習じゃないかって、思うんだ。」
「自分の気持ちにぴったりな言葉をさがすのってたいへん。(中略)けど、それは、『しゅぎょう』ってもんよ。」
そっか、自分の気持ちを言葉にする練習なんだ、そしてそれを修行と言う上手さ。子どもなら頑張りたくなるよね。
色々あって(ここが物語のメイン。お楽しみに)、すみかは読書感想文を完成させるわけですが、こういう風に自分の思いを乗せて、それに気づき言葉にする。
そう思うと読書感想文、悪くないかも?という気持ちになりました。
自分の考えや思いを言葉にする、相手に伝える練習がしたくて書いているのが、ここでの感想だったりします。
大人になってからの読書感想文は楽しめていることを、いつかの自分に伝えたい。 -
「だって、書けないんだもん」
夏休みの読書感想文が書けない3年生のみずか
「あたし、かわいそうな話はだめなの。読むのはいいけど、感想文なんて、むり。『かわいそう』しか書けないに決まってる」
「自分じゃないものの気持ちになってとかって、むりむりむり。ぜったいむり」
作戦を考えついたみずかは、感想文が書きたくなるような本をあかねといっしょに作ることにする
「あかねちゃん」を主人公にして、あかねが文を書き、みずかが絵をかいて、絵本を考えていくうちに……
《感想文にあたまをかかえるすべての小学生へ!》──帯の紹介文
絵本をかきおえたみずかは
「書きたいこと、たくさん、見つかった」
物語をたのしみながら感想文が書けてしまう(気になる)魔法のような物語、2年生くらいから
第55回野間児童文芸賞『神隠しの教室』(童心社、2017年)の著者が子どもたちの気持ちに寄り添って贈る最新刊、2021年6月刊
「書けない」というみずか、みずかを手つだうあかね
挿絵の佐藤真紀子が子どもたちの内面をきりっと表情豊かに描き出す
姉妹編『先生、しゅくだいわすれました』(童心社、2014年)で宿題に“神対応”した「えりこ先生」が陰の主役の物語でもある
《じつは、えりこ先生のイメージは、絵を描いてくださった佐藤真紀子さんに近いかな、と思っています。》──著者インタビュー(童心社公式サイト) -
3年生娘おもしろいとのこと。
-
自分で本を作って、その本の感想文を書く所が面白かった。あかねちゃんの弟のタクちゃんのためなら何でもするという気持ちがすごかった。お話の中だけれどタクちゃんが大ダコのおなかの中から出られたのが良かった。
-
読書感想文が書けないのめちゃくちゃよくわかる!だからこそ、世界にひとつだけのオリジナルの物語と感想文が完成したことに感動しました!いい本!!
-
小学校3年生のみずかが、夏休みの感想文と向き合っていくお話。感想文を書きたくない子の気持ちを描きつつ、感想文を書く大切さもちゃんと伝えられているのがいいな。
「どこがどうおもしろかったとか、なにがよかったとか書こうとすると、しゅるしゅるしゅるって、おもしろかった気持ちが消えていっちゃうの」「なんで感想文って、書かなくちゃいけないの?」と、みずかは言う。
それに対して先生は、「感想文って、思いを言葉にする練習じゃないかって、思うんだ。」「(言葉にしてみたら)自分でも気づかなかった思いに気づくこともあるの」と答える。子どもの気持ちも、大人の思いも代弁してていい。
思いを言葉にして伝える相手が不在というのが感想文の難しいところだと思うのだけれど、みずかの場合は「クラスのみんなに発表する」という条件があるからそこもいいんだろうな。
自分たちで創作した物語で感想文を書くというのは、読み物としては面白いと思う。でも個人的には正攻法でちゃんと本を読んで、あれこれ格闘しながら書き上げていくみずかの姿を見たかったなあ。
感想文の宿題で悩んでいる子にとっても、この本のみずかはちょっとずるしているみたいに感じちゃうし、自分たちには(たぶん)無理な方法だから、みずかとの距離ができて気持ちが冷めちゃうんじゃないかなと思った。
とはいえ、感想文の宿題に直面しているわけじゃない、純粋に物語を楽しめる状況で読むのなら、とても面白い作品だと感じた。
著者プロフィール
山本悦子の作品
本棚登録 :
感想 :
