経験からの学習-プロフェッショナルへの成長プロセス-

著者 :
  • 同文舘出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784495375812

作品紹介・あらすじ

人はいかに経験から学び、プロフェッショナルへと成長するのか?人材育成の7割を決定する経験に焦点を当て、認知心理学、経営組織論、マーケティングの観点から、経験学習メカニズムを明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 学部時代の師匠から、おすすめされていたけれど、5年以上放置してしまって、ようやく読めた本。

    たしかに、早く読めば良かったなぁと後悔。職場内教育をする中で、経験年数を問わず、経験を上手に学習する人達と、そうでない人達の違いは、「やる気」や「仕事に対する目的」だと思っていたけれど、もう少しアプローチ可能な根本原因があることが良く分かった。

    すくなくとも、看護師も一人前になるためには10年は必要そう。

  • 経験学習の要素を、「経験自体」「経験から学ぶ力」「経験する組織」に分解し検討している。「経験から学ぶ力」を信念と結びつけて重点を置いたところが個人的にすごくいいなと思いつつ。研究課題にもあったが、この「信念」がいかに形成されるかなど、意味づけのあり方についての議論とかが進むともっと面白いと思う。

  • 結論の第7章だけでも興味深い。目標達成志向と顧客志向といった信念の関係性や、領域特性別の経験学習パターンなど。これらのフレームをベースとして、業種職種別の経験を明らかにすると面白そう。

  • ビジネス
    心理

  • 本書では、職場における仕事上の経験を通じた学習活動について分析されている。ビジネス書ではなく経営学のかっちりした学術書なので、読者はそれを承知して読み始める必要がある。特筆すべきことは、先行研究の丁寧な整理である。必要十分なページを割き、広範に渡る論文をエッセンスをまとめている。―本書の分野の関連文献はほとんど読んできていないので、個人的にとてもありがたかった。下にいくつかキーワードを引用した。―もちろん、その上で必要な課題設定がなされている。著者が示した分析結果のうち、心に残ったフレーズは少し以下に引用しておいた。宗教書の教義に通じるものが多いように思えるが、学問の分化の起源と過程を見れば当然だ、と最近は感じるようになった。

  • 心理学に分類したけど,心理学の概念は使っているものの経営学とかに近いのかも。コルブのモデルも出てくる。日本の企業や産業のなかで社会人がいかに成長・学習していくかを研究する代表者の著作。

  • 経験学習について、認知心理学や経営組織論などを踏まえた上で解説しています。
    学術的には関心深く読めたのですが、現在実務家である私にとっては、もう少し具体性もほしかったです。経験学習に本格的に携わったときに、再読しようと思います。

  • 図書館で貸出不可

  • 2012.02.11-12
    ◆学んだこと
    ○熟達者って?
    特定領域において、専門的なトレーニングや実践的な経験を積み、特別なスキルや知識を獲得した人

    ○熟練者の特徴は?
    *特定の領域においてのみ優れている。
    *経験や訓練に基づく「構造化された知識」を持つ。
    *問題を深く理解し、正確に素早く解決する。
    *優れた自己モニタリングスキルを持つ。

    ○ノウイング(konwing)?
    *知るという行為。
    *現実世界と相互作用することを通して知識を創造すること。
    *知識は人から人へ、書物から人へ移転するのではない。
    *他者の知識や書物の知識を「道具として」使用しながら、ノウイングによって新しい知識を作りだす。
    *Cook and Brown, 1999 King and Raft, 2001 Orlikowski, 2002

    ○経験って?
    *人間と外部環境との相互作用である。
    *外部―内部 x 直接―間接
    *外部経験:関与する事象の客観的促成
    *内部経験:関与する事象の理解・解釈
    *直接経験:身体を通した事象への関与
    *間接経験:言語・映像を通した事象への関与

    ○10年ルールって?
    *高いレベルの熟達者になるためには10年の準備期間が必要となる。 
    *エリクソン (Ericson, 1996)

    10年もかかるの・・・(・_・?)

    ○学習を促す経験って?
    *熟達者は、他者からよりも、挑戦的な仕事から学ぶ傾向がある。
    *キャリアの中期(6-10年目)における経験が熟達の鍵を握る。
    *領域(職種)が異なると経験学習のパターンが異なる

    ○学習を方向つける信念って?
    *経験から学ぶ能力には個人差がある。信念に着目。
    *信念は、より高次の認識特性として、人間の態度・行動を方向づける。
    *目標達成志向と顧客志向が重要な役割を示す。

    成長と貢献、自利利他・・・(・_・?)

    ○学習を支える組織って?
    *顧客志向と内部競争が共存している組織が、学習を方向づける信念が形成されることが示された。
    *興味深いのは、両刃の剣としての性質を持つ内部競争が、顧客志向と組み合わせることで、内部競争のネガティブな面が打ち消され、ポジティブな機能が強化されるという点である。

    ○経験学習のプロセスって?
    *思いを込めた経験を積む。
    *経験の流れをデザインする。
    *バランスのとれた信念を育てる。
    *顧客志向が学ぶ力を育てる。
    *内と外を連動させる。
    *信念を共有する。
    *内部競争によって知識を共有する。
    *顧客志向の仕組みを整備する。
    *公式的教育で刺激を与える。
    *いくつになっても学ぶことができる。

  • 人は信念を持ち、何かに取り組んだ経験から大きく成長する・・・非常に学びが多かった。この一年あまりの自分、組織と照らし合わせて考えると「なるほど」と思えるところが多い。境界連結者としてのPMの学びなどまさに!である。顧客志向と強く持ち、目標達成志向と止揚することで学習目標が眼前に立ち現れる。その目標に向け、邁進することが人を「一皮むく」のだな。

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著者プロフィール

北海道大学大学院経済学研究院教授

「2022年 『学習する病院組織 患者志向の構造化と連携型リーダーシップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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