- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784495380212
感想・レビュー・書評
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購入者:鈴木
褒める、承認するの「言葉の承認」は、やはり昇進や昇給などの「実利の承認」に結びついていなければ、
本当に承認したことにはならないと感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近「褒めて伸ばす」という部下指導の方法が市民権を得始めているが、本当に「承認」だけで効果があるのかどうか、複数の会社・団体で調査した結果を、定量・定性的に検証した本。
結論から言うと「効果が実証された」ということなのだが、その一方で「承認の乱用は、部下に楽しく仕事をさせたり、職場の雰囲気を明るくしたりする短期的効果はともかく、部下から高水準で持続的なモチベーションを引きだすには限界があることを自覚しておくべきである。」という指摘は、肝に銘じておきたい。部下をやたら持ち上げればいい訳ではない。
もうひとつ興味深かったのが、看護師というプロフェッショナルたちのモチベーションに関する調査結果。プロは、プロから褒められて初めてやる気が出るのである。
「患者からの感謝の言葉やほめ言葉は、看護師にとって日常的な喜びにはつながるけれど、効果はその場で終わってしまう。」
「プロフェッショナルとしての彼らには、自分の能力や仕事の実績を理解し評価できる人たちからの承認が重要なわけである。」
「プロフェッショナルは高い倫理的な規範を守らなければならず、仕事内容も高度に専門的である。したがって、それをチェックし評価する(できる)のは、クライアントである患者よりむしろ専門家である同僚(上司を含む)や専門家団体である。そして、そこでの評価が組織のなかでの地位や威信、ならびに専門家社会での評価を決める。
そのため、患者からの承認は日常的な喜びや働きがいにはつながっても、継続的なモチベーションやキャリア・アップへの動機づけにはつながらないのである。」
論文がベースらしく、文章に少し堅苦しい部分もあるが、部下をマネジメントする立場にいる人は、一読の価値がある。 -
人間の動機づけについて研究し、背後にある承認欲求の重要性を分析した本。5つの組織で行った実証研究により、承認が個人のモチベーションや満足度を高めることを明らかにしている。公立と私立の病院における看護師の比較事例などは面白い。
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承認とモチベーションの関係について、実際に実験した結果に基づいた内容であり理解しやすかった。承認=褒めると叱るバランスや承認方法など参考になった。ただし、組織における管理者の立場から言うと、本当の意味での承認がどこまで出来ているのかで、結果はまた変わってくるような気がする。
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褒める事でやる気が出て、良い結果が生まれるという事は広く伝わっているが、実際に検証した事例が少ない為実証実験をした結果をまとめた本。
承認にはポジティブとネガティブ、表と裏(積極的と消極的と理解)を軸にマッピングすると分かりやすいと感じた。
また、叱るということは積極的なネガティブ承認だが、人が介在するのでその後ギクシャクする可能性にある。その為積極的なポジティブ承認の1/3程度にした方が良いらしい。
働く業種によってモチベーションを高める価値観は様々だ。
他の業種を知らないので、ある意味新鮮で楽しかった。 -
すべての組織人が頭にいれておかなければいけない内容。承認人。