Hatch組織論 3つのパースペクティブ

  • 同文館出版 (2017年3月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784495387419

作品紹介・あらすじ

組織研究の過去・現在・未来という3部で構成し、数多くの事例とともに解説。従来の本にない組織アイデンティティ論や組織美まで取り上げたユニークな特徴をもつテキストの翻訳書!

感想・レビュー・書評

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  • 「組織論」とはこういうものだろう、という観念が気持ちよく崩壊する「組織論」の教科書。

    「組織」という複雑なものに、モダーン、シンボリック、ポストモダーンという3つのパースペクティブを設定して、アプローチしていく。なるほど、組織は生き物だからね、そういうアプローチはあるよね、と思うのだが、各論に入ると、「組織論」だけでなく、「経営学」という観念自体が崩壊していくのを感じる。

    つまり、「経営学」って、いろいろなアプローチがあるとしても、目的としては、「より良い経営をしていくため」というのが当然の前提になっていると思っていた。実証的な研究をやっていたとしても、やはりなんらかの規範的な洞察を得ることが求められていると思っていた。

    が、「ポストモダーン」な視点にたつと、従業員のモチベーションをあげようという活動は、従業員の人格を経営のために改変するもので、批判されるべきものなのかもしれない、という側面がたとえばあったりする。

    なるほど、他の社会科学がそうであるように、「経営」という現象に対して、学際的にいろいろなアプローチをするのが、今や「経営学」なんだな〜。

    経営学には特有の方法論がもともとあったわけではないと思うのだが、「よりよい経営」くらいの共通の目的はあるんだと思っていたな〜。

    そういう意味では、わたしはまだまだ(?)モダーンなアプローチなんだな〜。経済合理性・効率性だけでなく、人間の感情とか、組織の文化の影響とかシンボリックな面を考慮にいれることが必要とおもっているわけだけど、そこをできる限り定量的な根拠、定量化できなければなんらかの「科学的」な方法論がないかを考えたいと思っているみたいです。つまり、モダーンなわけ。

    自分では、結構、ポストモダーンな価値観だと思ってたんだけど。。。。

    もちろん、モダーンが悪いわけではない。

    自分の「経営学」「組織論」観が脱構築されて、より自由に考えることが可能になった気分。

    これまでの「経営学」の本に比べると、圧倒的に哲学的な議論が多くて、これも面白い。

    それにしても、普通の「組織論」の教科書であれば、最初のほうに出てくるだろう「組織デザイン論」つまり「機能別組織」とか「事業部制組織」とか、「マトリックス組織」とかの話が、第9章になってやっと出てくるのが驚きだな〜。

    多分、モダーンだけでなく、シンボリック、ポストモダーンな視点も入れた上で、統合的に語りたかったんだろうな。たとえば、ドゥルーズ・ガタリの「逃走線」みたいな概念まででてくるからですね。

    「経営学」の本で、ドゥルーズとかデリダがでてくるとは、驚いた。(フーコーについては、ナラティブ・アプローチで話しがでてくることには慣れてきたので、その延長とは言えるのだが)

  • 東2法経図・6F開架:336.3A/H42h//K

  • すごく面白い組織論の教科書。
    理論上の視点・アプローチを、モダン、シンボリック、ポストモダンのら3つに分けて、それぞれの立場から組織論を説明する。各立場でなにを問題としているのか、立場ごとに何が違うのかがわかりやすい。経営学の3のディシプリン(経済学・心理学・社会学)を無理やり当てはめるなら、経済学がモダン、心理学がシンボリック、社会学がポストモダンとシンボリック、という感じかな。
    存在論・認識論など抽象的な議論が多いので、ケーススタディ重視・実践重視の人には向かないけど、研究志向・理論志向の人には、この切り口はすごく刺さると思う。(この人の書いたVery Short Introductionもなかなか良かった)

    ちなみに、ドゥルーズ=ガタリについて、ドゥルーズをデルース、ガタリをガダリと書いてる箇所があって、むむむと。ガダリはまだしもデルースはない。訳者も編集者もドゥルーズ=ガタリを知らないとしたら恥ずかしい。

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著者プロフィール

編著者:(おおつき ひろし)早稲田大学商学部教授。

「2020年 『組織のメソドロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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