纏足物語 (東方選書 13)

  • 東方書店 (1986年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784497861634

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  • 纏足恐い。
    施術の説明は読んでてずっと顔をしかめっぱなしだった。纏足は一種の肉体改造術で、幼女の内から親指以外の足指を足の裏側に折り込んで布で硬くぐるぐる巻きにする。レントゲン写真を見たら、四指は第二関節あたりからぐっと裏に食い込むような形になり、土踏まずは半円に窪んでいた。骨が軟らかい三歳頃から施術を開始するが、約二年は歩く度に激痛に苛まれ、最初の内は夜眠れないほどだという。施術が終わっても一生、三日に一度は布を巻き直すという作業に追われ、毎日奇妙なよちよち歩きを続けることになる。
    纏足は、女性を家に閉じ込め自由な出歩きを制限する側面を持つ、恐るべきものだった。

    また、纏足は、男性を魅了してやまないセックスアピールであった。
    纏足の指と指の間に挟んだ食べ物を食べるのは男性にとって至上の幸福らしい、という記述があって、絶句せざるを得なかった。
    そもそも中国人は女性の足に特別な思い入れを持っているとのこと。纏足の開始時期は諸説あるが、美しく舞うために小さい靴を履いたことも一因だったらしく、美しさ=足が小さい、という思想は昔から根付いていた。このような足への執着が倫理思想、女性の貞節と結び付き、纏足という中国独特の文化が生まれた。

    纏足が数百年続いた、止めようとしても国民が止めようとしなかった、という歴史的事実には、空恐ろしさを感じた。纏足をしなければ嫁に行けないという風潮が蔓延り、女親みずから娘に纏足を施したというから、歪んでるなと思う。歴史とか、文化とか、目に見えないものの重圧は恐ろしい。

  • 学生の頃、歴史の授業で習った纒足は「足をぐるぐる巻きにして小さくして逃げられないようにした」と習った記憶があります。が……実際は身分の高い女性がするもので、美を競うために纒足をおこなっていたんですね。
    足の指が足裏に折れ曲がっている画像を見て絶句。しかも女性たちは小さい足が美しいと言い聞かされて育っているから、纒足禁止令が出ても、ほどこうとしない。纒足でないと結婚できないと信じているから。
    うーんしかし、こんな変形した足を美しいと思うのは、理解し難いなあ…

  • まず中国の歴史について大まかにでも理解しておかないとちんぷんかんぷんな部分が多々あった。
    単純に「纏足ってこんなものだよ!」「こんな風にされて(使われて)たよ!」という内容では無かったので…
    でも中国の歴史の流れをきちんと把握していて、尚且つ纏足について知りたいという人にはうってつけなのでは無いかと思う。
    個人的には本書内の『纏足芸術とその効用』辺りを掘り下げた話が読みたかった。

  • 纏足を甘く見てました。

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