もしも「死にたい」と言われたら 自殺リスクの評価と対応

  • 中外医学社 (2015年5月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784498129740

感想・レビュー・書評

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  • 精神科の実習で本棚にあって気になって借りた本。昨年高校の頃の同級生が自殺で亡くなり、自分にできることはなかったのかとよく考えていたのでなにかヒントが得られるかもと思って読んだ。いきなり死にたいと言われたらほとんどの人はどう答えたら良いかわからないだろう。僕もそうだったが、この本を読んだことで少しは話しくらいは聞いてあげられる知識はついたかなと思う。以下にためになった部分を残す。

    真剣に死にたいと考えたことのある人は2割。
    女性は男性の2倍鬱になりやすいのに、自殺死亡率は男性の方が2、3倍高いっていうのは公衆衛生で習ってたがその理由となる仮説がここにあって納得した。男性の方が自殺潜在能力が高いのである。自殺潜在能力とは死への恐怖の弱さや身体的疼痛への鈍感さなどのことを指し、リストカットや自殺企図、アルコール、格闘技やラグビーなど激しい接触を重なうスポーツや喧嘩で高められるらしい。お酒を飲むと死への恐怖が弱まる事で一過性に自殺潜在能力が高くなるのは合点がいった。
    自殺行動に及ぶかどうかは、自殺潜在能力、所属感の減弱、負担感の知覚の三つの要因の総和によると考えられている。

    聞きにくいことを聞くテクニックは、普段の対人関係にも活かせそう。
    例えば、飲酒量を聞く際など想定より多く見積もって聞くとか。それにより答えやすくなる。恋愛経験などにおいて使えるかも。あとは仮定や婉曲表現を使ってか「仮に~するとしたらどんな感じか。」みたいに聞くと答えやすくする。
    自殺を考えている人に対して自殺はいけないものだと解くのはよろしくない。それはなんとなくわかるが、ではどういう立場でいればいいのか?この本の示す援助者としての正しい態度は「自殺の是非は誰にも分からないがはっきりしているのは今現在幸せな人はそのようには考えない。」というスタンス。
    そして自殺念慮の告白に対してのもっともよい対応は「聴くこと」と「質問すること」。

    帯コメ:もしもの時のために読んでおけ!

  • タイトルの割にはライトな表紙であったため手に取ってみた。精神科医に出自をもつ著者ということもあり、内容は専門的かつ実践的なものだった。

    自殺企図や自傷行為に及んだ当事者に対して、周囲にいる人は「そんなことしちゃダメだ」と頭ごなしに否定してしまいがちだと思う。だけど、本人の一連の行動(助けを求める、自分で傷を消毒するなど)には肯定できるポイントも含まれているという指摘が、特に勉強になった。
    自殺や自傷そのものを肯定するのではなく、そこまで追い詰められながらも今日まで生きてきた事実、そして苦しみを抱えながらも目の前にいる支援者に助けを求められている事実を最大限に尊重することが大切だと感じた。

    また、著者の経験から、橋から飛び降りて自殺既遂となってしまった人たちの多くが最後まで握りしめていたモノから、人との繋がりが如何に代えがたい価値を持つものなのか、深く考えさせられた。

  • あとがき
    橋の自殺防止柵
    1 ほとんど全員が陸側を見ている
    2 止める側が心を病んでしまう(声をかけたら飛び降りてしまうなど)
    3 直前まで迷いながら携帯電話を見ている
    「所属感の減弱」

  • 身近な人に「死にたい」と言われたらどう接すれば良いのかわからなくなるのは自然なこと。でも「死にたい」と言われたときの対応を間違わなければ、悲劇を避けられるかもしれない。自殺を考える人は精神疾患に罹っていることもあれば、精神疾患でなくても自殺を考える人もいる。この本をあらかじめ読んでおけば、後になって後悔する可能性を少し減らせるかもしれないと思いました。

  • 引用文献や論文ベースのデータがたくさん載っていて参考になる。論理的に自殺と自傷の原因やリスク、対応について書かれているが、難しい文章ではなく読みやすい。

  • 死を目の前にして…

    立ち止まるには、そして、立ち止まらせるためにはどうしたらよいのか。どうか関わっていくべきなのかが分かる本。

    人との関わり方が見えてきます。必読。

  • N740

  • 現場で役立つ。支援者には必須。

  • 若手は「死にたいんです…」と患者さんから言われたらドキッとするでしょう(何年やってもドキッとするけど)。その時にどう対応していけば良いのか、概要を知ることが出来ます。若いうちに読んでおきましょう。とても薄いのも助かる。

  • 自殺に関してエビデンス沢山。自殺潜在能力という考え方にはすごく納得。自殺だけではなく自傷行為についても詳しい。あまりこのあたり扱った本見つからないから、とても助かりました。

  • 帯より:「死にたい」という寒夜を前にして医療従事者は何ができるのか、何をすべきなのか。自殺企図、自殺未遂患者の自殺リスクをどう評価して、どう対応すべきなのか。
    「死にたい」と誰かに告げることは、「死にたいくらいつらい」ということであり、もしも、このつらさを少しでもやわらげることができるならば「本当は生きたい」という意味なのである。
    精神科のみならず他の診療科、医療スタッフ、患者を取り巻く人々に向け、この難しいテーマに真っ向から取り組んできた著者がこれまでの経験と知識をもとに書き下ろした一冊。

  • 2015/12/06

  • ドキっとするタイトルに、思わず手が伸びました。

    その言葉を受け止めることが、実はとても難しい。

    死と向き合うのは、怖い。
    死の話題を扱うのは、怖い。
    だから、そんなこと口にしちゃダメだよと言う。
    おそらく反射的に。
    そんな場面を何度も目にしました。

    この本を読んで、助けを求められる関係性作りの大切さを改めて感じました。

    自殺リスクとその予防についての具体的な内容については、ぜひこの本を読んでみられてください。支援者の方々におすすめです。

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著者プロフィール

医師、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所依存症研究部長。
主な著作に『自分を傷つけずにはいられない―自傷から回復するためのヒント』二〇一五年、講談社。『誰がために医師はいる―クスリとヒトの現代論』二〇二一年、みすず書房。『世界一やさしい依存症入門; やめられないのは誰かのせい? (一四 歳の世渡り術)』二〇二一年、河出書房新社。『依存症と人類―われわれはアルコール・薬物と共存できるのか』C・E・フィッシャー著、翻訳、二〇二三年、みすず書房。ほか。

「2023年 『弱さの情報公開―つなぐー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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