あなたの知らない研究グレーの世界

  • 中外医学社 (2023年10月31日発売)
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本 ・本 (162ページ) / ISBN・EAN: 9784498148482

作品紹介・あらすじ

研究不正の事件が起きるたびに多くの方がこう思うはずです.「とんでもない極悪人がいた」と.はたしてそれは真実でしょうか? 本書では「研究不正ではないけれども好ましくない行為(研究グレー)」に焦点を当てています.「自分が犯罪なんか起こすはずがない」と思っていても,研究グレーの心配がまったくない方はどのくらいいるでしょうか.研究不正につながっている研究グレーを犯す(または巻き込まれる)可能性は誰にでもあります.本書で紹介されている多くの研究グレーの事例を知ることは,その可能性を大きく減らし,適正な研究行為を見つめ直すきっかけになるはずです.

感想・レビュー・書評

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  • 榎木英介の記事一覧 - エキスパート - Yahoo!ニュース
    https://news.yahoo.co.jp/expert/authors/enokieisuke?page=1

    榎木英介|note
    https://note.com/enodon/

    京都薬科大学 薬理学分野
    https://labo.kyoto-phu.ac.jp/yakuri/staff.html

    中外医学社 | 書籍詳細
    http://chugaiigaku.jp/item/detail.php?id=4362
    -----------------------------
    fukuiさんの本棚から

  • 某人気テレビ番組のようなタイトル。でも、やっちゃダメなものも含まれているので、「グレー」には少し違和感。「研究倫理」という堅苦しい表現を避けたのはよかった。
    20名の執筆陣。科学研究に携わる(あるいは携わろうとする)人は準必読。そうでない人にも読み物としておもしろい。
    PubMedの論文で言うと、論文数はこの半世紀で5倍に増加。1論文あたりの平均著者数も3倍以上(1.89人だったのが6.32人に)増えた。当然ながら著者数には水増し分もある。これに関連して「不適切なオーサーシップ」の節では、ゴースト、ゲスト、ギフトの各オーサーについて解説している。ギフトは毒入りのこともある。
    とくにおもしろく読めたのは、「攻撃的・否定的な査読」「質の低い論文の量産」「カルト的な研究室運営」の節。「多重投稿」では、論文とプロシーディングスが二重投稿になるケースについても言及している。
    生成AIの問題はまだ入っていない。改訂版はこの問題が中心か。

  • 信州大学附属図書館の所蔵はこちら→ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD04576013

  • 電子ブックへのリンク:https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000160181
    ※学外から利用する場合、リンク先にて「学認アカウントをお持ちの方はこちら」からログイン

  • 「研究グレー」すなわち研究上の問題行為について、事例で説明した本。

    英語の概念と合わせるため、独自用語を使用している。
    ・ネカト(Research Misconduct):捏造(Fabrication)、改竄(Falsification)、盗用(Plagiarism)の略。文部科学省の用語では特定不正行為。
    ・クログレイ(Questionable Research Practice):本書でいう研究グレー
    ・性不正(Sexual Misconduct)

    掲載されている事例は様々。「実験データの取得・解析・管理の問題」「虚偽の発表」「研究者としての姿勢の問題」の3章に分けられている。
    特に研究手法に関する不正の事例はかなり専門的なものもあるが、何がいけないか、ド素人の自分でもうすぼんやりとは理解できる程度に完結にされている。

    章立てから分かるとおり、基本的に理科系の研究に関する本。日本で話題になった研究不正と言えば2000年の「神の手」事件だが、総論の表(p12)に登場するだけ。分野が違うと常識も違って焦点がぼけるから仕方ないけれど、社会系・人文系の研究で同種の本が出るとしたら、さらにどのような事例のバリエーションがあり得るだろう。

    非常に先進的かつ専門的なレベルの事柄は、チェックできる人が限られる。学術研究の仕組み自体が基本的に性善説で成り立っていて、一般的なモラルで縛りきれないほどの強烈なプレッシャーを与えて成果を出させようとすること自体に無理があるのかも知れない。
    本書を読んでいる途中、ふと疑似科学というものを連想した。研究上の不適切行為と疑似科学の間にもやはりグラデーションがあるのだろう。

    同時期に読んだこの文献は、より具体的。
    ・研究公正に関するヒヤリ・ハット集[ https://www.amed.go.jp/kenkyu_kousei/kiyouzai_hiyarihatto.html ]

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000067917

  • ふむ

  • 医学部分館2階書架 : W 020.5/ENO : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170576

  • 1月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003676178

  • 請求記号 407/E 63

  • 「自分は研究不正を起こすはずがない」と思っていても,誰でも「不適切」かつ「有害」な行為を行う当事者になる可能性があります。
    例えば,実験手法や記録の仕方が不適切であった,倫理審査の手続きに不備があった,仮説に合わない結果の隠蔽,利益相反の不開示……等々。
    この図書ではそのようなグレーな行為に焦点をあて,事例,問題点,課題と改善ポイントをまとめています。
    自らの研究行為を振り返るきっかけになる図書です。

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著者プロフィール

病理専門医。細胞診専門医。医学博士。
1971年生まれ。95年東京大学理学部生物学科動物学専攻卒。同大学院博士課程中退後、神戸大学医学部医学科に学士編入学。04年卒。医師免許取得。06年博士(医学)。09年神戸大学医学部附属病院特定助教。兵庫県赤穂市民病院を経て近畿大学医学部で病理解剖と研究倫理を担当。2020年フリーランス病理医として独立。
著書に『博士漂流時代』(DISCOVERサイエンス、科学ジャーナリスト賞2011受賞)『嘘と絶望の生命科学』(文春新書)ほか。

「2021年 『病理医が明かす 死因のホント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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