センスのよい法律文章の書き方

著者 :
  • 中央経済社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784502051609

作品紹介・あらすじ

読みやすい「準備書面」を書くアイデアとヒント。ほんの少しの工夫で裁判官の印象は大きく変わる。難解な税務訴訟で数多くの勝訴判決をつかんだ著者が、法律専門家(プロ)のための文章作成術を公開。

感想・レビュー・書評

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  • 内容的には当たり前と思えることばかりだが、これを実践できている弁護士はほとんどいないと思われる。

  • 序 章 あなたの文章は読みにくい?読みやすい?
     1 なぜ,文章が重要なのか?
     2 文章はだれのために存在しているか?
     3 どのような文章がよいのか?
     4 「読みやすい文章」はどのようなものだろう?
     5 「わかりやすい文章」はどのようなものだろう?
     6 「論理的な文章」はどのようなものだろう?
     7 「心を動かす文章」はどのようなものだろう?

    第1章 読みやすいといわれる文章を書く技術
     8 1文が短い
     9 主語と述語が結びついている
     10 主語や述語の順序が統一されている
     11 用語が統一されている
     12 改行が適切にされている
     13 章立てがきちんとできている
     14 ナンバリングがきちんとできている
     15 タイトルが適切に書かれている
     16 小見出しまでつけられている
     17 内容が整理されている
     18 文章にリズムがある
     19 文章にアクセントがある(下線,傍点,強調・ゴシックなど)
     20 引用であることが示されている
     21 目次がつけられている
     22 細かい議論は,脚注などにとどめている
     23 公用文の使い方に準じている
     24 漢字とひらがなのバランスがとれている
     25 読みやすい言葉を選択している
     26 適切な文体を使っている
     27 自由自在に速読できるようにつくられている

    第2章 わかりやすいといわれる文章を書く技術
     28 キーワードが適切に選定されている
     29 重要なことがくりかえし書かれている
     30 業界用語の意味が説明されている
     31 専門用語の意味が解説されている
     32 わかりやすい具体例が書かれている
     33 イメージしやすい比ゆ(たとえ)が書かれている
     34 要旨が短くまとめられている
     35 出典と引用の範囲が正確に示されている
     36 引用 した記述のうち,どの部分がどのように関係するかが示されている
     37 文字ではわかりにくいことを図式化している
     38 まとめが書かれている
     39 終始一貫している(ぶれない)
     40 ストーリーを伝えられている
     41 問題になる理由が的確に示されている
     42 多義的ではなく,一義的に書かれている
     43 事実関係が時系列で整理されている
     44 当事者の主張が整理されている

    第3章 論理的だといわれる文章を書く技術
     45 接続詞が適切に使われている
     46 裁判官の思考パターンにのっとっている
     47 理由がきちんと書かれている
     48 問題提起がきちんとされている
     49 条文の根拠や文言が示されている
     50 判例の根拠が示されている
     51 2回目に登場したときには「上述のとおり」を入れている
     52 法解釈と事実認定が区別されている
     53 規範とあてはめが区別されている
     54 形式面と実質面の双方から主張が展開されている
     55 必要性と許容性の双方から主張が展開されている
     56 原則論と例外論を区別して主張が展開されている
     57 客観面と主観面を区別して主張が展開されている

    第4章 読み手の心を動かす文章を書く技術
     58 身近な問題として感じられる工夫がされている
     59 当事者がいかにひどい目にあったのかがリアルに伝わってくる
     60 憲法の理念や原理原則がふみにじられる危険が書かれている
     61 形式的な法律論が常識論に反することが示されている
     62 権威(学説・最高裁判決)が的確に示されている
     63 統計データ・数字が示されている

    第5章 訴訟で勝つための文章を書く技術
     64 判決に書くべき素材を十分に提供している
     65 複雑な事案をわかりやすく伝えている
     66 最も重要なポイントを自然に伝えている
     67 国民感情に反することが指摘されている
     68 公平ではないことが指摘されている
     69 相手の立場では判決を書けないハードルが示されている
     70 多くの人に支持されていることが示されている
     71 社会問題であることが示されている

    第6章 文章技術を高めるために参考になる主な書籍
     72 野口悠紀雄『「超」文章法』(中公新書)
     73 倉島保美『書く技術・伝える技術』(あさ出版)
     74 岩淵悦太郎編著『悪文 第三版』(日本評論社)
     75 田中豊『法律文書作成の基本』(日本評論社)
     76  ステ ィーブン・D・スターク=小倉京子訳『訴訟に勝つ実践的文章術』(日本評論社)
     77 バー バラ・ミント(著)=グロービス・マネジメント・インスティテュート(監修)=山﨑康司(訳)『新版 考える技術・書く技術』(ダイヤモンド社)

  • 準備書面を効果的に書く技術を紹介。
    そんな高度なものではなく、言われてみればその通りという文章術で、一般的にも応用可能。
    説得のための文章を書きたい人にオススメ。

  • 文章の書き方について弁護士さんがまとめた本。

    基本が書かれており参考になるが、引用するほどではなかった。

  • 読みやすい文章の書き方についてわかりやすく記載されています。文章力は、センスと思われがちで諦めている人も多いでしょうが、ここに書かれている基本的な技術を駆使すれば誰でも人並みの文章力が身につくことがわかると思います。
    「一文を短くする。」、「主語と述語が結びついている。」、「改行が適切にされている。」などです。
    当然、法律文章のような高度な論理力が求められる文章作成技術もわかりやすく書かれています。
    巻末に文章力を向上させる作者推薦の書籍があげられていて、参考になります。
    【作者推薦書籍】
    ・「超」文章法(中公新書)
    ・書く技術・伝える技術(あさ出版)
    ・悪文 第三版(日本評論社)
    ・法律文章作成の基本(日本評論社)
    ・訴訟に勝つ実践的文章術(日本評論社)
    ・新版 考える技術・書く技術(ダイヤモンド社)

  • 少々専門的すぎるので、一般の人には向かない。しかし、文章がなぜ仕事において大切かというのは、弁護士でも他の仕事でも共通するところがあると思う。

    その点を理解するためだけでも、読む価値あり。また、弁護士の世界で重宝される文章の書き方、考え方は、他の業界でも応用可能.

  • ・最終的に訴訟の勝敗を決するのは、弁護士の文章力であるといっても過言ではない。なぜなら、法理論や事実だけでは決着がつかない問題が多く、それは裁判官の価値判断で決することになるが、その価値判断を促すのが弁護士の文章だから。
    ・ガーンジー島事件、長崎年金二重課税事件などは、国が税務訴訟で敗訴した。
    ●よい文章=読みやすい、わかりやすい、論理的、心に訴える。わかりやすい、とは、その事件で日本一分かりやすい教科書を目ざすこと、
    ●読みやすい=1文が短い。章立てをきちんとする。内容を整理する(時系列、要件ごと、争点ごと、法解釈と事実認定の違い、重要かそうではないか、相手の主張と自分の主張など)。目次を入れる。
    ●わかりやすい=キーワードや重要なことが繰り返されている。専門用語は説明し、分かりやすい簡単な具体例が入れてある。図解、要旨などもいれる。
    ●論理的=裁判官の思考に沿った展開ということ。問題提起、規範、あてはめをしっかり書く。理由も当然。判例・条文の根拠も当然。形式論と実質論、必要性と許容性、原則と例外、客観と主観で区別する。
    ●心に訴える=身近な問題として感じてもられるようにする。ストーリーを入れる。権威に訴えるなど。
    ●訴訟で勝つには・・
    ・判決に書くべき材料を全部提供すること。つまり裁判官が勝訴を出す為に判決を書かなければならないが、それに参考となること。
    ・複雑な事案を分かりやすく伝え、最も重要なポイントを伝える。
    ・国民感情に反すること、常識に反すること、こうへいではないことを指摘する。
    ・相手の主張に反論しておく。
    ・参考文献『ヤフートピックスのつくりかた』

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著者プロフィール

青山学院大学法学部教授、鳥飼総合法律事務所 客員弁護士

「2023年 『新・税務訴訟入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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