- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784502113819
感想・レビュー・書評
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108の不正会計事例をもとにCAAT(コンピュータ支援監査技法)による監査アプローチの優位性を解説。500項近くに及ぶ大作で通読するのが大変だったが、大変読み応えのある内容だ。企業の財務諸表作成プロセスその他が大きくコンピュータ化されている現在、コンピュータを活用しないと監査ができない時代となっている。少なくても海外では不正会計事件への抜本的な対応にはCAATが不可欠とされており、今後、コンピュータを活用した監査技法であるCAATは、すべての監査人にとって必須のスキルとなると言っても過言ではないであろう。CAATの解説以外に108事例が大変興味深いので、これを読むだけでも大変勉強になる。意欲作だ。
P386
「歪」とは不正を縦に並べた漢字である。不正を行うと、そうでなかった場合に比べて必ずデータが歪んでくるものだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
途中、紹介されていた『解任』に寄り道。
CAATのスキル面での基礎はこの本の4分の1程度だろうか。
いかに日本の監査(主に外部監査だが、内部監査も)があまちゃんかという、「毒舌」満載。しかし、ここにこそ、スキルを本当の意味で意味のある監査手続に仕向けるのに必要不可欠な「マインド」の転換を狙う著者なりの熱い思いがあるのだと思う。
スキル解説を期待している人には期待はずれと映るかもしれないが、おそらくそういう人には、著者のいうところのCAAT監査は永遠に到達できないでしょうね。答えをすぐに求める人間に、監査は向かない。 -
CAATの実例かと思って読んだら、108の不正事例から、CAATの使い道を考えてみるという構成だった。
現在の日本の監査のあり方を痛烈に批判しつつ、独自の改善案を提示している。
実際に監査の現場で働いていた身としては考えさせるところが多々あった。
監査人の経験と勘にたよる監査ではなく、科学的なアプローチにシフトしていく必要がある。