人事よ、ススメ! ―先進的な企業の「学び」を描く「ラーニングイノベーション論」の12講 (碩学舎ビジネス双書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784502126819

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  • 慶應義塾大学のラーニングイノベーション論という講義内容を本にしている。
    この講義では、人材開発の専門知識やスキルを学ぶことができる。

    人材開発には様々な手法があるため、各専門家がトピックを立てて、述べている。
    ・反転授業(インプットは事前にビデオ等で予習しておき、クラスではディベートやワークショップを行う)
    ・学びのABCサイクル(感情:Affect、行動:Behavior、認知:Cognition)
    ・MOAモデル(活動=Motivation×Ability×Oppotunity)。たい焼きを食べるにも、Motivationがなければ活動にならないし、口がなければ食べられないし、たい焼き屋さんがなければ食べられない。
    ・インプロビゼーション(即興演劇)を利用して、非日常を体験する。
    などなど。

    成長の要因は、仕事:他者:研修・書籍=7:2:1と考えられていることから、人は多くの経験により成長する。
    経験から学ぶことを経験学習と呼び、経験学習にはストレッチ、リフレクション、エンジョイメントが必要とされる。
    ストレッチからわかるように、新しいことへの挑戦によって人は成長する。
    またリフレクション(内省)によって人は成長する。

    人材育成に必要なことは何か。
    初めに、企業戦略があって、その戦略を達成するために必要な人材を供給するという人事の意識付けが必要。
    そのうえで、企業が人を育てるのに必要なことは、モチベーション、信頼、コミットメント。
    スタバでは入社するとビジョニング(個人とお店のビジョンがどこでどのようにつながっているかを明確化する)ことを行うことで、やる気を引き出す。モチベーションは自ら積極的に達成しようとするものであり、継続的に深い満足感を得られるもの。
    ボーナスなどの一時報酬は、動機付けとにはなるが、慣れると当たり前となってしまうことから、モチベーションではなく、インセンティブといえる。
    サイバーエージェントでは、信頼を裁量権と捉え、新卒社長制度などで決断経験を積ましている。

    マネージャも人材育成の対象である。
    マネージャの仕事は、部下育成、翻訳(経営層の考えをかみ砕き、一般社員に伝えること)である。
    教えるとは、「自分の頭で考えさせること」「学習者に変化をもたらすこと」である。

    将来にむけての人材育成。
    今までは、工場がキモのMake&Sellだった。安く作れば、たくさん売れて、利益が出て、勝ち残れる。
    これからは、R&DやマーケティングがキモのSense&Respond。違うものを作り、高く売り、利益を出し、勝ち残る。
    そのためのイノベーションを起こせる人材の育成が求められている。

  • 『人事よ、ススメ!』(編集:中原淳)


    読了した本がたまっています・・・

    付箋部分を抜粋します

    ・一方で、振り返って教訓を引き出して持論化し、次に生かしていくサイクルを回せる人は、毎年違うことを身につけて
     常に成長してゆくことができる(p10)

    ・まず目の前のことから、チャレンジングな課題を見出し、実際に挑戦することがストレッチです。自分の守備範囲で行う
     挑戦ではなく、できるかどうか分からない挑戦、背伸びすれば、またはジャンプしたら届きそうなことが好ましいと
     言われています(p13)

    ・会社内ではストレッチ経験は無償で与えられるわけではありません。目の前の仕事でしっかり成果を出して
     自分で呼び込まなければならないのです(p15)

    ・「優れた知識・スキル・技術」を持つと同時に、「他者や社会に奉仕する心」を持つことが、プロフェッショナルとしての
     理想像とされています(p18)

    ・マネージャーの役割とは、そもそも「他者を通して物事を成し遂げる」こと(p35)

    ・人間は、自分で「嫌だ」と思った瞬間は、実は限界ではないのです(p54)

    ・人は自分で思うよりももっと「できる自分」がいるのです(p55)

    ・感情に安心感があって楽しければ、行動に移す可能性があり、認知すなわち理解に繋がりやすく、それが次の感情を生む(p56)

    ・脳にダウンシフトが起こると「できない自分」ばかりと出会い続けなければならないのです(p61)

    ・非日常にいる自分も日常の自分と同じです。非日常にいる自分が日常に帰ると日常の自分になるからです。
     非日常でできることは、日常でもできるチャンスがある。それと同時に、日常でできないことは非日常でもできないチャンスが
     あるわけです(p63)

    ・人生において、チャレンジはいつも準備された時にやってくるものです。そして、アドベンチャーは準備された心に
     やって来ます(p63)

    ・人生はあなたが信じた時に始まり、諦めたときに終わるのです(p64)

    ・何かを成し遂げたい人を採用します(p125)

    ・端的に述べるならば、真実や問題解決は、人々の相互作用の中から生まれるという考え方です(p208)

    ・内省のポイントを整理していきましょう。内省で大切なことは起こったことをきちんと描写させることです。
     つまり自分がそのとき何を考えていたのかを口にさせるのです(p223)

    ・振り返りの習慣はできるだけ早いうちにつけておくことが好ましいですね(p225)

    ・全ては水です。水が濁っていくと、この全てが阻害されるのです(p239)

    ・体を変えると心も変わります(p308)

    ・人は考え方を変えると行動も変わるようになると思いがちです。それもあるのですが、実際には行動が変わると考え方が変わると
     いうこともあります(p309)

    ・人間の頭は非常に複雑にできていて「面白いことをしなきゃ」と思うとできないのです。しかし、ただそのことを楽しんで
     やっていると創造性が発揮されるようにできているのです(p315)

    ・日常では、私たちはできるだけ変化が起こらないように生きています。変化とはリスクであり、変化が生じると安定した
     生活を営めなくなるからです(p318)

    ・社会が変化しているときは、変化をしないことは逆に高リスクになります(p320)

  • 全部を読まなくても、拾い読みできる本です。お薦めは以下のSESSION。
    「SESSION1経験学習とOJT研究の現在」
    →後ほど紹介する「経験学習入門」に繋がる内容です。中原氏と共著も多い神戸大学の経営学者です。
    「SESSION3日本型戦略人的資源管理論とはなにか」
    →人的資源管理で有名な経営学者、著書多数。“日本的”を意識した主張が多いので参考になるかもしれません(人材開発は欧米から入ってきた考え方なので、日本的にカスタマイズする必要はありますから)。
    「SESSION5ネットワーカーとしての人材開発部門のあり方」
    →ネットワーキングについて考える参考に良いと思います。学問というより実務のコメント。

  • 企業内の人材育成のトレンドが分かる一冊です。会話のネタに。 和田

  • ビジネス書と学術書の間


    p225
    若い頃は経験さしていれば能力は高まる。三年目くらいになると経験だけしていても頭打ちになる。内省化、概念化、ノウハウ化してまとめることが大切。
    新人のときから内省する癖付けを。

    p231
    人はいろんな人から異なる支援をもらっている場にいればいるほど成長できる

    p236
    部下の育成を考えることはマネジャーの育成を考えることと不可分

    p246
    働く大人が学ぶ空間とは本来「そこにいるだけで、節目をしっかりと迎え、ビジョンを描き、かつ、希望を感じられるような場所」であってほしい

    p275
    互いを知るようになると、「フリーアドレス」を適切に使えるようになる。
    互いを知っていると行く土壌があるからこそ「今度のプロジェクトにはAさんの知識が必要だから隣に座ろう」といった展開が起こる。そうなってくると、受身だった働き方にも自立性や主体性が出てきます。「明日どこに座ろうかな?」「どこに座るといいかな?」「そもそも私はどういう仕事をやるべきなのかな?」と考えるようになるわけです。

    自律性・主体性がないと交流ゾーンを作っても無意味。自律性・主体性が生まれた上で交流ができると、交流ゾーンも適切に使われ、個々の知が動く「知動」が誘発される「場」として機能します。

    ワークプレイスとワークスタイルは互いに影響しあいながら進化しているのです

    p276
    活動=動機×能力×機会

    p282
    まず人間の関係性によって構築された場があった上で場所が正しく機能するが、場所を生み出したからといって場が生まれるわけではない

  • 専門的な知見や体系だった参考にはならないが、人事のモチベーションアップや施策レベルの事例は参考には使える。

  • 「ラーニングイノベーション論」という言葉が気になり、読みました。中原氏がデザイン・実施される社会人(人事・人材育成担当者)向け講座の内容を書籍にしたものでした。
    様々な方が講師となっており、学術分野・実践分野がバランスよく合わさっています。また、内容も組織開発から研修まで、多岐に渡ります。
    この1冊で具体的な次の一手を見いだせるわけではないですが、次の学びや行動のきっかけを多く与えてくれると思います。

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著者プロフィール

中原 淳(なかはら じゅん) ................... 監修者
日本のリーダーシップ教育の「夜明け前」である
立教大学経営学部教授。東京大学教育学部卒。大阪大学大学院人間科学研究科,メディア教育開発センター(現・放送大学),MIT客員研究員,東京大学講師・准教授等をへて,2018年より現職。企業・組織における人材開発・組織開発について研究している。

「2018年 『リーダーシップ教育のフロンティア【実践編】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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