ROE革命の財務戦略 外国人投資家が日本企業を強くする

  • 中央経済社 (2015年8月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784502161018

感想・レビュー・書評

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  • 「伊藤レポートによるROEの目標8%」
    この8%がなぜ求められるのか、ROEがなぜ大事なのかを徹底的に余すことなく説明されている。
    『ROEが奪う競争力』を読み、ROE経営に否定的だった自分からすると、頭が大混乱する。

    無理やり本書をまとめると、ROEを8%にすることは簡単とか言ってるけどめっちゃむずいよ。
    それが達成できたら、普通に財務にめっちゃ強い経営陣になってるし、そしたら本当の意味で強い経営陣になってるよ。
    やろうと思えばできると言ってないで実行してみなよ!良いことばかりだよ。 的な感じ。

    実際に、海外のみならず日本の個人投資家の多くがROEを重視するという声が強まっているのは事実。

  • 筆者の研究について、希少性と新規性をアピールしがちw

    外国人投資家の最大の目的は日本のお金が欲しいことだから、意見をありのまま聞き入れるのは日本国としてはやめた方が良い。

    企業の成長に繋がるものは取り入れ、ただお金が欲しいだけの輩の言い分は無視すれば良い。

    投資家に都合の良い論理に負けない気持ちが大事。彼らは長年かけて法律を変え、常識という宗教を作ってきたのだから。

    近年ROEと叫ぶ企業が多い理由がわかる。

  • 2019年44冊目。満足度★★★★☆ 外国人投資家へのサーベイを盛り込んだ「企業価値最大化」策の提案書。非常にベーシックであるが大事なことが書かれている。証券アナリスト1次レベルの知識があれば理解深まる。

  • 著者は柳良平氏。早稲田大卒→サンダーバード大MBA。伊藤レポート委員。銀行勤務後、メーカー財務部長を歴任し、現在はエーザイのCFO。

    感想。
    海外投資家の生の声が多く掲載されており、そこも参考になった。あと配当の話はとても興味深かった。
    好みの話だが、私はタイトルで中身を想像するタイプなのだが、ROEの重要性とか、IRRでの投資判断とか、ROE>資本コストはわかったうえで、さあどんな財務戦略があるのか!を知りたかったのだが、私にはそこが見受けられず。


    備忘録。
    ・(海外投資家)日本企業の場合作為的に過剰現預金を保有しているよりも、ファイナンス理論のリテラシーが低いために不作為的にそうなっているケースも散見される。
    ・(海外投資家)一般的にキャッシュリッチで低ROEの企業のバリュエーションがディスカウントされがちなのは、現金の評価がディスカウントされるから。「どうせこの企業は無駄な投資や買収に金を使うだろう」と。
    ・(海外投資家)日本の経営者には資本コストの概念が欠如している。
    ・日本のROEが欧米に比べて低いのは、レバレッジや回転率ではなく、収益力の差(分解し比較すると)。ROE重視をレバレッジの観点から批判するのは間違いかも。
    ・エクイティスプレッド=ROE-資本コスト。
    ・日本では投資採択基準として、IRRやNPVよりもSPP(回収期間法)が使われているケースが多い様だ。
    ・割引率はプロジェクトごとに使い分けよう。
    ・配当性向を日米欧で比較すると、日本は欧州には負けてても、米国には追いついた模様。但し、米国では自社株買いによる株主還元も多く、総還元率で考えると日本は米国の半分程度。
    ・日本では配当性向30%が魔法の数字。それをうたっておけばとりあえずOK的な。
    ・(海外投資家)配当性向30%の横並び意識がある。本来は各社毎にライフサイクルを意識し、個別適切は配当政策があるべき。
    ・配当政策で投資家から一番求められているのは最適資本構成。及びその説明。
    ・(バフェット)企業が内部留保を許されるのは1ドルが1ドル以上にできるときだけ。
    ・(バフェット)配当性向の目標を公表する企業は多いが、なぜそれが株主にとって一番良いのかを説明している企業はほとんどない。
    ・(AGGA)PBRが1を割る企業は自社株買いすべき。それが一番投下資本利回りを向上させる。
    ・サトーホールディングスの中計をデュポンシステムで示したものはわかりやすい。

  • 【選書者コメント】外国人がROEをどれくらい重要視するか、そこでROEを我々がどう考えるべきかについて説明されていると思います。

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著者プロフィール

エーザイ株式会社常務執行役CFO(最高財務責任者)、早稲田大学大学院会計研究科客員教授
1985年早稲田大学商学部卒業、米国サンダーバード国際経営大学院MBA (withDistinction)取得、京都大学博士(経済学)。銀行支店長、メーカー財務部長、UBS証券Executive Directorなどを経て現職。東京証券取引所上場制度整備懇談会委員、東京証券取引所ディスクロージャー部会委員、日本管理会計学会常務理事も務める。
主な著書に『Corporate Governance and Value Creation in Japan 』(英文、Springer社)、『ROE経営と見えない価値』(編著、中央経済社)、『ROE革命の財務戦略』『管理会計の改善マニュアル』(いずれも中央経済社)、『企業価値向上のための財務会計リテラシー』(共著、日本経済新聞出版社)がある。

「2019年 『ROEを超える企業価値創造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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