企業価値の神秘 コーポレートファイナンス理論の思考回路

  • 中央経済社 (2016年10月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (268ページ) / ISBN・EAN: 9784502201912

作品紹介・あらすじ

コーポレートファイナンス理論を初めて学ぶ人のための入門書。根幹となる「思考回路」を学び、企業価値というブラックボックスを、手順を間違えずに開くための道案内をする。

感想・レビュー・書評

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  • 学習の中心概念「企業価値」: コーポレートファイナンスは、将来生み出すキャッシュフローの割引現在価値である「企業価値」を中心に学びます。この概念を通じて、企業の意思決定がどのように価値創造に繋がるか、また割引計算、資本コスト、キャッシュフロー重視といったファイナンスの基本的な考え方を理解することができます。

    評価の基本原則「利得」と「価値」: 理論上、「利得」はキャッシュフロー以外を意味せず、会計上の利益とは区別されます。同様に「価値」は、リスクを反映した割引率(資本コスト)で将来キャッシュフローを割り引いた割引現在価値のみを指します。これらが評価の基礎となります。

    フリーキャッシュフローの重要性: 企業価値の源泉となるのは、会計上の利益ではなく、事業活動から生み出され、事業維持に必要な投資を差し引いた後に残る、自由に使える「フリーキャッシュフロー」です。企業の現金創出力そのものが重視されます。

    株式市場の役割と資本コスト: 理論の原則として「株式市場は正しい答えを知っている」と考え、多くの参加者の判断の結果である株価(時価)が、企業の価値を最も公平に反映していると見なします。この市場価格は、将来キャッシュフローを割り引く際の割引率である資本コストを推定する上で重要な根拠となります。

    資本構成と企業価値: 企業が資金調達を負債と自己資本のどちらに頼るか(資本構成)は、負債の節税効果(価値向上要因)と、倒産リスクに伴う財務破綻コスト(価値低下要因)のトレードオフで企業価値に影響を与えます。最適な資本構成の模索が重要です。

    利害関係者の影響(エージェンシー理論): 株主(依頼者)と経営者(代理人)、あるいは株主と債権者といった異なる利害関係者間の対立(エージェンシー問題)が企業価値に影響を与えます。例えば、経営者が余剰キャッシュを非効率に使うことを防ぐため、配当などでキャッシュを社外に出すことが価値向上に繋がるという考え方もあります。

    所有権の考え方: 企業において、株主は物理的な会社資産を直接所有するのではなく、法人が所有する資産が生み出す将来キャッシュフローを受け取る権利など、無形的な「所有権」を持つと解釈されます(会社の二階建て構造論)。

    企業戦略と価値創造: 企業の競争戦略(外部環境での有利な地位を目指すポジショニング・ビュー、内部の独自資源を活かすリソース・ベースド・ビューなど)は、将来のキャッシュフロー創出能力を決定づけるため、企業価値に直接的な影響を与えます。

  • 独特の語り口とワイドな先行研究のリファーのおかげで、すっと頭に入りやすい。

  • かなり良い本であることはひしひしと伝わってくるものの、内容についていけず、後半は流し読みに...
    企業価値最大化!やROE xx%目標!といった美辞麗句に惑わされない本質に向き合える気がします。
    電車内で読んでいたのですが、これはじっくり腰を据えて向き合いたい本です。

  • 企業評価の基礎的な教科書。

    内容はDCFや倍率法から競争戦略まで。

    最後の完全競争市場と独占市場の話からポーターのポジショニングの話への展開は、「なるほど〜」と思いました。

    中小企業診断士二次試験受験生、株式投資初心者は一読の価値ありです☆

  • 平易な言葉で分かりやすい。また、色んな学者の論文を引用してるところから、ファイナンスという学問に引き込まれた著者の情熱が伝わってくるし、仕事でファイナンスを扱う身としてその理由もなんとなくわかる気がする。
    色んなファイナンスの本を読んできたが、経済学/経営学(エージェンシー問題他)を絡めて企業価値の議論が為されてるところが私にとっては新鮮で、またファイナンスを深く理解するためには経済学/経営学の勉強を幅広く行う重要性が理解できた。

  • 非常によかった。
    個人的には「配当政策とコーポレート・ガバナンス」のほうが好みである。
    (書籍の評価とは関係ないが、楽天KOBOのやつは画像データだからマーキングとかできない。)

    読んでいて考えることは、MM理論は現在もなお明確な定理として働いている(または、強く働いているという前提で考えるべき)であった。

    したがって、それぞれの前提条件に置いて発行体が取り得るアクションは唯一つ、「情報の非対称性をなくす」ことである。これはすべての発行体CFOが理解していないといけないことである。

    一方で競争優位性の観点からすべてをOPENにできるわけではない。このジレンマにCFOは常に揺れ動かなければならない。どこまでを出して、どこからは出さないのかはその企業によって異なるだろう。

    注意点は、
    NG 弱点を見せることになるから情報公開しない
    OK 投資家をミスリードする可能性があるから公開しない

    情報公開することと、情報を"誤解なく伝達する"ことははっきりと異なる。
    これを混同してしまうと市場の混乱を招くだけである。
    したがって意識的に公開しない情報の線引が出てくる。

    そうやって非対称性の思考スパイラルに陥るのだが・・
    この思考の果てにしか、情報の非対称性の答えはないのだろう。

  • 好き。ただひたすらに好き。研修中ずっと読んでた。

  • 初めてコーポレートファイナンスを学んだが、とても読みやすく、論点が分かりやすい。

    • フッカさん
      コーポレートファイナンス初心者にもとっつきやすい。1番最後の章の経営戦略のところはまだ理解できてない
      コーポレートファイナンス初心者にもとっつきやすい。1番最後の章の経営戦略のところはまだ理解できてない
      2020/05/01
  • 2020年21冊目。満足度★★★★★ 大学院生やコーポレートファイナンスを学ぼうとする人向けの本であるが、証券アナリスト検定会員資格を持っている人でも、発見があると思われる。本書に出てくる参考書などで、改めて学習する意欲が湧いた。2020年2月時点で11刷と定評ある良書。

  • 再読。読み返すと当時理解できなかったMM理論とかの説明がスッと入ってくる。良書である。著者は野村出身なのか…

  • やっと読めたー!ある程度企業価値の勉強した人にとっては本質を改めて知ることができるとてもいい教科書だと思う!

  • 文章はライトだが、内容的にはある程度コーポレートファイナンスをかじった人におすすめ。(難しい話はしてないのだが概念と数式が乱立するので初学者は挫折するかも)前半がファイナンスモデル、後半がコーポレートファイナンス理論にページを割いている。実務者としては意外と忘れてる基本が解説されていたりして再学習や点検として読むのもよいと思う。後半は著者の理論的整合性を証明する熱量が強く、読者はやや置いてけぼりになるかも。

  • 企業価値・コーポレートファイナンスの基本的な考えをまとめている入門書として最適な本。数式が多く出てくるが、それは著者が丁寧に説明してくれている証拠で、わかりにくければそこは飛ばして読み進められるし、後から戻ってがっつり理解を深めることもできる。何度も繰り返し読みたい良書。

  • 読みやすい。

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