プライベート・エクイティ投資の実践 オープン・イノベーションが企業を変える

  • 中央経済社 (2020年3月24日発売)
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本 ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784502336614

作品紹介・あらすじ

編著者+現役ファンド実務家11人が、プライベート・エクイティ業務の実際と課題、オープン・イノベーション視点での活用について、自身の経験に基づき説く。

感想・レビュー・書評

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  • 一橋大学大学院で2019年に行われた講義が書籍化されたもの。

    感想。
    貴重な本。思った以上にVCの記載が多め。法務や受講生との質疑応答の記載も面白い。

    備忘録
    ・日本のバイアウトファンドの課題を、ファンド組成から投資実行、バリューアップ、投資回収の各段階別に整理されたp12の図は分かりやすい。ビット案件の価格高騰、経営人材の不足、海外展開のサポートが弱い、パフォーマンス情報が少ない、あたりは特に腹落ち。

    ・VCの課題は、p24の日米比較がわかりやすかった。EXITがIPO主体の日本と、大企業へのM&A主体の米国。キャピタリストが金融機関系が多い日本と、企業家や事業会社出身が多い米国。とか。

    ・VCのEXITとしてM&Aが少ないの原因として、ある講師は、買手の経験・ノウハウ不足を指摘。細かく買って、PMIして、失敗して、という数が少ない、と。乾坤一擲のデカイM&Aに手を出しがちだと。

    ・大企業側のNIH、Not Invented Here症候群、という言葉があるらしい。

    ・あと、創業者を支える優秀なミドルが少ない、とも。「企業家は経営者ではない」「VC側も例えばシード段階の企業家に経営能力やビジネスモデルわ期待していない」等のご意見に、なるほど。

    ・VCにおける割引率の考え方、モニタリングの力点、等の記載(p124)もなるほど。

    ・ファンドの収益モデル、Two-Twoenty。管理報酬が年2〜2.5%、成功報酬が超過収益の20%という水準。

    ・法務の話は貴重でした。なぜビークルとして投資事業有限責任組合が多いのか、利益相反に気をつけて、販売(投資家募集)は業法に気をつけて、スクイーズアウトの時はお馴染みの問題あるよ、あたり。

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著者プロフィール

幸田 博人(こうだ ひろと)
1982年一橋大学経済学部卒業。1982年日本興業銀行入行、みずほ証券代表取締役副社長等を歴任。2018年7月より京都大学経営管理大学院特別教授・大学院経済学研究科特任教授。産業革新投資機構(JIC)社外取締役ほかを務める。

「2023年 『現代ビジネスエシックスと企業価値向上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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